しゅうよう
第5話デス!
全話を読んでからの方が楽しめるのでよろしくデス!
(......敵....だけど人間だし....)
根間は向きを変え逃げに徹する。
「待って下さい!逃げるなんてつまらナイ!」
弾丸を放ち続ける。それをギリギリで避けながら飛んでいく。
(ここから一番近い位置の赤点が1キロ先。そいつと戦わせて......)
根間が一気に速度を上げたとき、突然体が後方に引っ張られ箒から引きずり下ろされる。
「うぁぁ⁉︎」
地面に叩きつけられる前に光を放ち衝撃を緩和させる。だが衝撃を緩めきれず落ちる。
「....う...ぁ....」
よろよろと起き上がる。ビルの上に落ちれたのが不幸中の幸いだ。地面ならば間違いなく死んでいた。
スマホのバッテリーは残り28%。これ以上攻撃を食らえばまずい。
ドアを開けてビル内に入る。箒は無事だったため飛ぶことはできるがさっきのように落とされる可能性がある。
狭い屋内でならまだチャンスはある。隠れてやり過ごそうと一室のドアに根間は手をかけた。
「根間遅くない?お腹すいた〜」
シャワーを浴びてきてくつろぐ菱川が重久に尋ねる。
「ん〜...確かに、最初いってた時間よりずっと経ってるし」
根間は3時間後戻ると告げて3時ごろ出ていった。今は7時、もう4時間経っている。
「まぁ根間なら大丈夫だと思うけど。誰か見つけたんじゃない?」
「それにしても遅いからさ〜 ご飯しよ?今日も作って〜重さん。腕痛いし」
「ん」
重久がソファから立ち上がり本を机の上に置いて料理を作りに行く。
弧暮は予備のスマホを使って外部と通話を試みているも通じないままだった。
「ダメだーーーー!もうイヤーーーー!めんどくさーっっぃ!」
弧暮は重久が座っていたソファに走って座りにいく。
結局一回も電話は通じなかった。
「そういえば白金は?」
「多分ずっと部屋。ご飯にするし読んできてくれる?弧暮まともに喋ったことないでしょ?白金と。良い機会だし喋ってきなよ」
「ほーい」
弧暮は白金の部屋に向かっていった。
(というかここって廊下長いんだよな〜。ショッピングセンター改造したからだろうけどしんどいなぁ)
弧暮は白金の部屋の前に立つ。ノックして確認する。
「入っていい?もちょっとでご飯だし呼びにきた」
「あっ......どうぞ」
部屋には鍵が3つついていた。全て開けてもらい入る。
「おっじゃまっしまーす」
部屋の中には沢山のぬいぐるみが置いてある。弧暮の部屋よりずっと大きいベッドがあり近くに扇風機が置いてある。
机の上には難しそうな本が並んでいる。決して悪くはなかったが弧暮はタイトルすら読めないものが多かった。
「すげー!かわいいー!」
弧暮はぬいぐるみに目をつけた。たぬきや犬など色々なものがある。
「えっと...その子はしがらきさんで.....そっちの犬がいぬたろうって......その猫はみかにゃんっていい......ます...」
「というかベッド大きいね。私のより3倍ぐらいある」
「寝相が悪いんで......こんぐらいにしないと落ちちゃうんです」
「あっ!このアニメ知ってる!フィギュア好きなの?」
弧暮は飾り棚を見る。流行りより少し遅れたアニメのフィギュアが多かった。
「一階の奥の方に大きいゲーセンが置いてるんです。みんなあんまり興味なかったみたいで遊ばせてもらってるんです。ケースの鍵を見つけられなかったんで毎日頑張って取ってます」
「書店とかコンビニにもくじの景品とか残ってるんで食料調達のついでに見つけたら持ってきてて結構集まるんです」
「はえ〜オタクだね」
「ヴッ....」
「あれ?大丈夫?」
「心に....怪我を....」
「なんかごめん...」
「お気になさらず......」
弧暮はしばらくフィギュアやぬいぐるみを見たあと白金と部屋を出る。そろそろできた頃だろう。
「すごいねいろんな物あって!面白かった!また遊びに行っていい?」
「は......はい」
白金は少し嬉しそうだった。
「重サーン!連れてきたよー!」
「ありがとう。できたから食べよう」
皆が席につき食べ始める。根間はまだ帰ってきていなかった。
「そういえば今日見た食料って結構賞味期限切れ多かったけどどうしてなの?昔の賞味期限のもあったし」
「この世界は1年とちょっとぐらい前の世界なんだ。だから物とかもその時点で止まってる」
白金の部屋で見たフィギュアが古めだったのはそういうことかと納得する。
食事を終え、根間がいないため弧暮と重久が食器洗いに行く。
「ねぇ重さん。やっぱり遅くない?」
「うーーん...確かに....洗い終わったら見に行ってくるよ」
「ん」
重久は洗い終わると白金を連れて外へ出た。負傷している弧暮と菱川は留守番だ。
「あの....私いります?」
「人手は多い方がいい。僕と別方向を探してくれ」
2人は別れて空から根間を探し始めた。
根間を襲撃した少女、黒織は根間が逃げ込んだビルに滞在していた。下の方の階にコンビニがあり沢山の食料が確保できた。また部屋もいくつかありいろんな設備も置いてあった。
「どうぞ、下からとってきた缶詰デス。喉に詰まらせないようによく噛んで下サイ」
根間は縄で腕と足を縛られていた。口にサバ缶を押し込まれ喉に詰めそうになる。
「うげっ...おがっ.....」
バッテリーは残り10%。スマホは奪われ変身を解かれた。
「甘いですね。私が人だから躊躇シテ」
「まぁ次の子見つけるまであなたで遊びマショ!これからよろしくデス」
黒織は微笑んで根間の頭を撫でた。
第5話どうでしたか?
感想書いていってくれたら嬉しいです!
次回番外編の予定です!