第十一話
生活は繰り返しの連続から成る。
俺であれば、こうしてインスタントコーヒーを淹れて、菓子パンをかじる。そして、歯を磨いて、髪を整え、制服を着る……。
全部バッチリ!
さて、朝生活の最後を締めくくろうか。
少しだけ浮かれた気分で俺は玄関扉を開ける。
「うん、暑い」
燦燦と降りそそぐ真夏の太陽光は、補修工事をケチったせいなのか、みすぼらしいの錆びついた鉄の階段を照らしている。
いつか、この階段こわれるんじゃねえか?
ただ、俺の予測を裏切るかのように、鉄板はカンカンとなるだけで別に壊れる気配はない。流石は日本の法令遵守の精神だ。人一人の歩みじゃびくともしねえか。
ちぇ、怪我したら金が入るかもしれねえのによ……。
「いや、俺が怪我しても契約者に金が入るのか? ちぇ、妲己の得になることなんざ御免被るぜ……」
愚痴を吐いたって何も変わらねえ。
とりあえず前に進もう。
朝なのにもかかわらず、背中は汗でじっとりと濡れている。朝ってだけで、ただでさえ不快なのによ……。
こうして不快で始まり、不快が続くだろう七月十九日は始まっていく。
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