10/63
第十話
うるせえ……。
憂鬱だ、全く。
スマホのアラーム音に悪態を吐いて、重い瞼を開ける。
慣れ親しんだ薄暗い洋室はなにも変わっちゃいない。ブラウンの木の座卓も、ゴミ箱も、本棚も、クローゼットも、テレビも、遮光カーテンも、つけっぱなしの冷房も、そして横たわっているベッドも、全部が全部昨日のままだ。
だから何だって話なんだけどな……。
ちきしょう、おとといの襲撃の筋肉痛がまだ治らねえや。
痛みに苛まれる体をなんとか起こして、雨戸の遮光カーテンを開ける。
「晴れかよ……」
すると、とてつもなく眩しい陽光が部屋を満たす。
それは昨日と同じ、繰り返しの日々が始まろうとする合図だ。
ご覧いただきありがとうございます。




