二人が話す噂話
王都アナタリアの城下町の外に出て来たパル達は仲間達で話し合った末にここから少し先にあるアリトリーの町に行く事に決めた。アリトリーという町は王都アナタリアよりはかなり小さい町だったが旅人達が酒場に立ち寄る事が多くその為に魔王に関する情報が何かあるかもしれない・・・・・・そう考えて向かう事にしたのだった。パル達は頭の中で少し期待に膨らませながら歩いていると川が見えてきた。川の流れは穏やかでそこだけは魔王の影響を受けていないようだった。川に架かっている橋を渡りアリトリーへと続く道を歩いていた。歩き続けていたパル達は少し疲れて来たのでアリトリーの町まであと半分の所まで来て少しの間だけ休憩をする事にした。休憩中にパル達は自分達の今までの事を話した。話は盛り上がっていたが休憩をして疲れがとれたので話を終わらせてアリトリーの町への道を再び一歩一歩進んでいった。仲間達と色々と話しながらアリトリーにようやく辿り着いた。パル達がアリトリーの町に着く頃には魔王の暗黒のオーラとは別に暗闇に溢れていて建物には灯りがついていた。パル達は宿屋を探す前に酒場に行って魔王に関する情報を得ようとして酒場を探しながら歩き続けた。アリトリーの町はそんなに大きな町ではなかったからすぐに酒場の場所に辿り着いた。
酒場は町の規模に比例して大きくはない規模だったがその場所だけは賑やかな声が聞こえていた。その声を聞きながらパル達は酒場のドアを開けて中へと入っていった。中に入ると酒場のマスターが「いらっしゃい!!」と言ってマスターの声が響いた。マスターの横を通過して奥にある四人掛けのテーブルの席に座った。パル達は料理を注文してから来るのを待つ間に他愛のない会話をしていた。酒場には何人かの旅人らしき人が噂話をしていた。パル達はその噂話を聞いていないフリをしながら聞いていた。様々な噂話が聞こえてきていたが魔王に関する噂はなかった。だがある噂話が気になった。その噂話は酒場にいたある旅人が「ここから北にあるエントスの町に魔物の群れが現れたらしい」と言っていた。そしてその旅人の横にいた人間が「俺もその話は聞いた事がある」と言っていた。パル達は旅人達の噂話を聞いて魔物の群れの情報を調べる事で魔王について何か分かるのではと思って魔物の群れが現れたらしい北にあるエントスの町に行く事に決めた。パル達は出てきた料理を平らげて酒場を出て宿屋に向かった。