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パレットとそれを探す者
パレットを探していた集落の人間はパレットを見つける事が出来ずに集落へと戻って来ていた。集落に戻った集団は長老にパレットの行方がわからなかったと報告をした。長老は「そうか」と一言だけ言葉を発した。その長老の言葉は少し悲しさを含んでいた。集団はしばらく集落で過ごしていたがパレットを探す為に集落を離れてパレットの情報をひたすら探し続けた。メイロー樹海の結界が張られて出る事が出来ない洞窟の中でパレットは何とかこの結界が張られた洞窟から出る方法を考えていた。「ゼルスに会いたい」その一つの思いだけでこの何もなく暗い静けさが支配する洞窟で心を保ち続けた。だがパレットの体は少しずつ少しずつ弱くしていった。その状態で虚しくも七年という月日が流れて行った。七年後動かなかった出来事が動き始めた。