影の天秤IF①【サタスン生還】
いやまだ生きている。そう感じたゼルスとタリスタは、まだあきらめずにあの中にいるサタスンを助けようとアルカット神殿の内部へと戻って行った。初めに進んだ道を急いで進むとフードを被った集団が、意識を失っているサタスンをどこかに運ぼうとしている所だった。ゼルスとタリスタは、さっきまで戦っていたフードを被った集団に力を振り絞って攻撃を仕掛けた。力の差はわかっていたがサタスンを助けたいその思いだけで向かって行っていた。フードを被った集団は、舞い戻ってきたゼルス達に気づきサタスンを運ぶのをやめて襲いかかってきた。しばらく戦った後に一瞬フードを被った集団が隙を見せた。タリスタは、その隙を見逃さなかった。タリスタは、放置されていたサタスンを抱え神殿の外へと向かった。ゼルスは、タリスタが神殿の外へと向かったのを見て神殿の外へと走り出した。ゼルス達は、サタスンを連れて神殿の外までやってくる事が出来た。そしてそのまま追ってくるフードを被った集団を振り切りながら魔王城まで走り続けた。しばらくすると、フードを被った集団は追うのをやめていた。フードを被った集団が追ってきていない事を知ったゼルス達は、ほっとして落ち着き少し休憩する事にした。休憩でサタスンの様子を確認すると体に無数の傷か付いていた。一回ゼルス達を逃した後に敵の攻撃を受け止め続けたからだろうと思いしばらく見ていたが、休憩を終わらし三人で魔王城へと向かう事にした。魔王城に着くとサタスンを部屋まで運んで休ました。ゼルスとタリスタはしばらく休憩する事にした。ゼルス達とフードを被っていた集団が戦っていたその時にアルカット神殿にある隠し部屋で一人の人間が捕まっていた。フードを被った集団にこの場所に連れて来られてから時間が経っていた。ある時どこかから何か争っている声が聞こえてきた。何が起こっていることは理解する事が出来たが状況が全く分からなかった。捕まっている人間の横にはフードを被った集団の人間がいた。そんな中争っている声の中に聞き覚えがある声があった。サタスンの声・・・・・・その声の主がわかるとパレットは部屋のドアを叩き続けた。だがその音は、サタスンに聞こえる事が無かった。争う声は時間とともに静かになった。その後フードを被った集団は部屋に入ってくることはなかった。パレットの傍にいた人間もパレットのそばを離れた。パレットの傍にいた人間がいなくなるとパレットはその部屋で一人ぼっちの時間を過ごした。その間にパレットはフードを被った集団の事を紙に書き連ねた。パレットの体は、狭い部屋で日が経つごとに弱っていって数日後には意識が無くなり始めていた。パレットはか細い声で【テール・・・・・・テール・・・・・・】と言い続けて息を引き取った。一方その頃、怪我から回復したサタスンは、パレットを探す旅に出る事にした。パレット様を連れて行ったフードを被った集団が何処に行ったのか?その集団を探しパレット様の居場所を聞くまではこの魔王城に戻ってくる事はないとサタスンは自分に言い聞かして魔王城を旅立った。サタスンが旅立った後、ゼルス達もまたパレットの消息を探し続けた。だがサタスンからの連絡もなくパレットの情報も入ってくる事もなかった。ゼルスは、パレットを連れて行ったフードを被った集団に憎しみと怒りを覚えていた。その怒りと憎しみは、ゼルスの漆黒のオーラを暗黒のオーラに変えていった。タリスタはそのオーラの変化について行く事がこの時はできなかった。