四章【託したもの】
ベリオレットが辿り着いた場所でみた光景は見覚えのない人間がそこにいた集団に偽の情報を与えて悪意を増幅させようとしていた瞬間だった。ベリオレットはしばらく悪意を増幅させようとしている人間を監視していた。ベリオレットは、その人間が一人になった時に話しかけるとその人間はベリオレットが危険と判断したのか攻撃を仕掛けてきた。ベリオレットもその人間の攻撃に対して攻撃を仕掛ける。今までの戦いでベリオレットも強くなっていたが、その人間はそれを越えてさらに強かった。しばらく戦っていたベリオレットだったが、相手が強い事がわかるとその場をいったん退く事にした。『まだチャンスはある。あの時というチャンスが・・・・・・』そう思い必死になってその場を離れた。その場を離れたベリオレットは、ゼルス達のいる魔王城へと向かった。ベリオレットが魔王城に辿り着くとゼルスとタリスタが突然消えたベリオレットを探していた。そしてベリオレットの姿を見つけると近寄ってきた。ベリオレットはゼルスとタリスタに一言「フェアリー族の里が危ない」と伝えると走り続けた疲労でその場に倒れ込んだ。
ベリオレットが意識を取り戻したのはそれから三日後だった。ベリオレットが目を開けるとゼルスとタリスタがいてただ何も言葉を発していなかった。ベリオレットは、全てを話して二人に協力を頼んだ。二人は黙ってうなずいた。それから数十年後三人はフェアリー族の里へと向かっていた。三人がフェアリー族の里に辿り着くとそこはもう惨劇の後だった。『遅かったか・・・・・・』そう思っていると一人だけフェアリー族のフェアリーが生き残っていた。三人は、その生き残っていたフェアリー族を助けるとそのフェアリー族にパル達の元に向かうように言ってその場所を書いた紙を渡した。フェアリー族はそれに従ってフェアリー族の里を去った。三人は、いったん魔王城に戻る事にした。