三章【フェアリー族の里と時を越える術】
テール達は、マールの後について泉の中を進んで行くと光が徐々に入らなくなっていき闇が多くなっていった。しばらくすると広く空気のある場所へと辿り着いた。そこから少し歩くとフェアリー族の里が見えてきた。目の前に見えてきたフェアリー族の里は、人間の町とは雰囲気が違っていた。テール達は、里の中に入っていくとフェアリー族のフェアリーがテール達を珍しそうに見ていた。マールの案内に沿って長老のいる家へと向かって歩きだした。歩いて長老の家に着くと長老が家の外まで出て来た。テール達は、出て来た長老に時を越える術を教えてほしいと伝えると長老は術の試練は過酷すぎる為に教える相手をタリスタとマールにすると言ってきた。マールとタリスタは長老についていって試練のある部屋に入っていった。テールとジェームズとジュカイドは、マールとタリスタが試練の部屋から出てくるのを待つ事にした。
長老から指名されたタリスタとマールは、長老の後についていって試練のある部屋へと向かった。部屋に入るとマールとタリスタは長老から術の習得に関する説明を受けた。その術は普通の術の習得と覚える為の時間が全然違うという事だった。長老は、マールとタリスタに時を越える術の修行に入っていった。長老の指導は、厳しく長時間にわたった。基本の就業でも数時間かかっていて術の習得にはさらに時間がかかった。しばらくして術の習得が終わりマールとタリスタは試練のある部屋から出て行った。その後を長老も部屋から出た。マールとタリスタが出てくるのを待っていたテール達は部屋の扉が開いて二人が出て来てほっとしていた。
テール達とロストリアの墓で別れたパル達は、ロストリアの墓の近くの町で次に何をするべきなのかを考える為にその町に向かって辿り着いた。その町でしばらくの間滞在していると偶然にもオルドラとリメリアに遭遇した。パル達は偶然会ったリメリアとオルドラから頼んでいたカオス教についての情報を聞くと、オルドラとリメリアはカオス教の教祖がいるのではないかと思われる拠点の場所を見つけたと聞かされた。パル達は、オルドラ達とカオス教の拠点になっている場所へと向かう事にした。途中の町でオルドラとリメリアの事を待っていたゼルス達が、リメリア達が戻って来た事を知るとその後を追って来ていた。
試練の部屋から出て来た長老が、テール達に話しかけてきた。その内容は、時を越える術に関する過去の話だった。長老の話によると、先代の長老が生きていた頃に二人の人間が時を越える術を教えて貰う為にやって来たと言ってその二人の人間の名前はオルドラとリメリアという名前でその二人は術の習得に数十時間かかり習得出来たらしい。その後術の試練が終わった頃にフードを被った集団が現れオルドラとリメリアはフードを被った集団と戦闘になって何とか撃退したもののその戦いの後長老は亡くなってしまったらしい。今の長老は、この戦いの前に術の試練を受けて術を覚えていた為に今回の術の試練が出来たという事を話してくれた。長老によると王都アナタリアのあった場所で時を越える術を使った方がいいと教えてくれた。テール達は、長老の助言にそって王都アナタリアがあった場所に行く事にした。
テール達を見送ったフェアリー族の長老は、「あの伝説はやはり本当だったか・・・・・・」と呟いた。そう呟いて長老はある場所へと向かった。その場所はフェアリー族の伝説が書かれている場所だった。その場所にはこう書かれていた。【時を越える術を覚えに人間達がやって来る。その人間達が世界の物語を作っていく】そう書かれていた。長老は、この後の世界の物語になっていくかまだ分かっていなかったが時を越える術を覚えた人間が物語の連鎖を作って行く事になる。
テール達は、フェアリー族の里を出て王都アナタリアがあった場所に向かって歩きだした。それから十日後ようやく王都アナタリアがあった場所の近くまでやってきた。王都アナタリアがあった場所の近くは、今は見る影もなく平原が続いていた。平原を歩いて行くと、五千年前にあったはずの王都アナタリアがなくなっていた。その場所に着いたテール達は時を越える術を使う準備に入った。マールとタリスタは術を詠唱し始めた。残りの三人は只ひたすら詠唱が終わるのを待っていた。テールは待っている間に旅の語り部から貰った日記のような物を見るとそこには今までの事が書いてあった。書いてある事をじっくりと呼んでいくとその最後に書かれていた一文が【時を越えて五千年の時の真実を】と書かれていた。術の詠唱は続いていて魔法陣が見え始めていた。だが術の詠唱はまだまだ続いている。魔法陣は出来上がり始めている。それから数時間後ようやくタリスタとマールは、詠唱を終えて少し疲れていて魔法陣は光を発して輝いていた。タリスタとマールの回復を待ってテールは、旅の語り部が渡してきた日記に書いてある最後の一文を他の仲間達にみせた。仲間達はその一文を胸に留めて時を越える決意をする。タリスタ以外の仲間達が魔法陣の上に移動してテールも魔法陣に移動する。タリスタは、「俺が時を越えると色々と厄介な事がある」と言って魔法陣に乗らずにこの場所に残った。テール達は時を越える術の力で違う空間に移動した。すると魔法陣と魔法陣が放っていた光が消えた。タリスタはうまくいく事を願って祈っていた。違う空間に移動したテール達は、時を遡り五千年前の世界へと旅立った。その先に待つ時の真実とは・・・・・・