三章【アルカット神殿にいた謎の人間】
魔王ゼルスは、襲ってきた集団の攻撃の刃によってタリスタとテール達に見守られて静かに眠りについた。テール達とタリスタは地面に穴を掘って魔王ゼルスの亡骸を掘った穴に埋めてその後に上から土をかけてそのうえで墓標を建てた。テールは、タリスタに疑問に思った事を聞いた。オスタリア図書館で見た英雄伝説に出てくる魔王ゼルスは、今回のゼルスと同一人物のはず・・・・・・そうすると、確か魔王は五千年前に英雄パルに封印されたはずでそれなのに五千年後の今なぜ封印が解けているのか?とタリスタに聞くとタリスタは、封印は不完全な状態だった為にしばらくしたら解けていたと言った。タリスタは、さらにパル達と戦っていた時の事を話しだした。パル達と戦っていて体力の限界になってパル達が攻撃をしようとしたら、どこかから四人組の人間が現れてパル達の攻撃を防いでくれた。タリスタは、四人組の事はあまり詳しくなかったが、四人組のうち一人は人間ではなかったことは覚えているらしい。魔王にかけられた封印は、実はパル達ではなくあとから来たフードを被った集団が封印の術を使ってきたという事を話してくれた。封印の術を使ったその集団は見覚えがあったが詳しい事はわからなかったらしい。只、アルカット神殿で見たような気がするとの事で、テール達は詳しく調べる為にアルカット神殿へと向かう事にした。
一足先にアルカット神殿に向かっていたカオス教の集団はアルカット神殿へと戻って来ていた。集団は中に入るといつもとは違う光景がそこにはあった。アルカット神殿にいたカオス教の信者はフードを被った人間によって倒されていた。アルカット神殿に戻ってきたカオス教の集団は、その人間に向かって行くとフードを被った人間は襲ってきた。カオス教の集団は、その人間のあまりにも強い力になすすべがなかった。その人間は、カオス教の集団を倒すとアルカット神殿を出て神殿の北の方へと歩いて行った。
自分の分身の最期を見たゼルスとタリスタは、去って行くカオス教の集団を見ていた。カオス教の集団は、二手に分かれて行動を始めた。一つの集団は、アルカット神殿の方へと向かっていった。アルカット神殿へ向かうのかと思っていたゼルスとタリスタだったが、もう一つの集団は、アルカット神殿とは違う方向に向かっていった。ゼルスとタリスタは、神殿と違う方向へと向かった集団の後を追って行く事にした。