三章【絡み合う運命の糸】
テール達がアースにやって来る数時間前、ゼルスとタリスタはアースでテール達が来るのを待っていた。一つの懸念点があってフードを被ったカオス教が自分達を狙ってくる可能性を考えていて対策を練る事にした。ゼルスとタリスタは、考えた上でタリスタからある術の存在を聞いてその術を使う事にした。タリスタが術の詠唱をしてその詠唱にゼルスが続いて詠唱をした。すると術の効果で自分達の分身を作り出した。術で出来たその分身は、見た目は自分達にそっくりで能力や記憶もコピーされた精巧な分身だった。ゼルスとタリスタは、術で作られた精巧な分身をこの場で待たせて自分達はフードを被って近くに身を隠して周辺の様子を窺った。
テール達は、オスタリア図書館で見た英雄伝説という書物に書かれていた元々魔王城があったアースの場所へと向かっていた。そのアースの場所は、学術都市オシエーテから北にあって五日間かかる場所だった。アースの場所まで遠いのでアースリーの町まで行く事にした。アースリーの町への道を進んで辿り着いた。このアースリーの町の規模はそこまで大きくなかったが人々には活気があった。その活気は近くに魔王城があったとは思えないほどだった。テール達はひとまずこのアースリーの町で一泊する事にした。明日には手紙を入れた人間に会う事が出来るかもしれないと思うと不思議な気持ちにテール達はなって夜を過ごした。
その夜テール達を追っていたカオス教の集団は、教祖の指示でアースに向かっていた別動隊のカオス教の集団と合流していた。別動隊から得た情報からテール達が向かっているアースの場所がわかって別動隊のカオス教の集団にすぐさまアースの向かうように指示を出した。指示を受けたカオス教の別働隊アースへと向かった。
朝になってアースリーの町を出て魔王城のあったアースに向かってテール達は歩き出した。しばらく道を進んでいるとアースに辿り着いた。現在その場所は、草木も生えてなく何かがあったような痕跡だけ残っていた。テール達は、魔王城であった痕跡を調べ始めてそれから数時間後、背後からものすごい気配を感じた。視線を背後の方に向けると二人の人間が立っていた。テール達はその二人の人間にただならないオーラを感じたが話しかけた。