泉に現れたフェアリー族と町の襲撃
テール達は日課になっている場所へと再び歩き始めた。しばらくすると山道に辿り着いた。その山道は登ると疲れてきそうなほどの急な道だった。テールは険しい山道をジェームズと一緒に会話しながらゆっくりと一歩一歩と歩いて行く。しばらくすると小さな泉が見えてきた。ジェームズは泉の方をしばらく見ていてテール達はその小さな泉で疲れを回復させる為に少し休憩する事にした。小さな泉の傍で母親からもらった大きなおにぎりを食べ始めようとしていたがテールはうっかり大きなおにぎりを落としてしまった。大きなおにぎりは泉の方にコロコロと転がり落ちていった。
ひっそりとした森の中にフェアリー族という種族が集まって集落を作っていた。フェアリー族は人間との関りをほとんど持っていなかった。人間はフェアリー族という存在だけは知っていたが詳しくは知られていなかった。そんなフェアリー族の里にマールというフェアリー族の少年がいた。マールは突然里の長老に呼び出されていた。マールは長老の呼び出しに応じて長老の家までやって来ると長老はマールを家の中へと招いた。マールが長老の家に入ると長老はマールに何かを渡してきた。マールは長老から受け取った物が何かと見てみるとオカリナで不思議そうに見ていたその様子を長老が見て「そのオカリナはフェアリー族に伝わる大事なオカリナだぞ!!」と言った。マールは長老から貰ったオカリナを持って長老の家を出た。
長老の家を出たマールは貰ったフェアリー族に伝わるオカリナを吹きながら里の中を歩き続けた。オカリナから出る音色はフェアリー族の里に響き渡っていた。マールはそのオカリナの音色になぜか懐かしさを感じてしまった。マールはオカリナを吹くのをやめて里の外へと向かった。久しぶりに里の外へと向かうマールはそこから違う場所へと続く道を進み泉の中に入るとそこはまた違う場所へと続いていた。その道を進んでいると何か泉の中に落ちてきた。マールは落ちてきた物が何かはわからなかったがその落ちてきた方向へと進んで泉から出るとそこには人間がいた。
テールは大きなおにぎりを食べ損ねた為に不機嫌になっていった。そんな時ジェームズが「泉が、泉が光り始めたよ!!」と叫んだ。そんなジェームズの言葉にテールは驚いて泉の方に視線を向けると確かに泉が光っていた。テールはその光景にも驚いたがさらに驚く事が起こった。それは泉の中から小さな人間?が突如として現れた。テール達は泉から人間のようなものが出てくるという出来事に驚きを隠せなかった。泉の中から出てきた小さな人間?はフェアリーという種族だった。テールは「君の名前は?」とフェアリー族の少年に聞くとフェアリー族の少年が「先に名前を言えよ!!」と言ってきた。テールはちょっとむかついたが名前を名乗ったらフェアリー族の少年もマールと名乗ってきた。マールは「さっきの泉の中に何か落ちてきたけど君の?」と言ってきた。テールは「そうだ」と言うとマールはおにぎりについて聞いてきたので食べ物だと教えた。するとマールは「もらうよ?」と言うと大きなおにぎりを一気に食べた。テールは返事をする前に大きなおにぎりを食べた自分勝手なマールに怒ろうとしたがマールが「お礼にこれやるよ!!」と言って何かを投げてきた。テールは怒る機会を失った。マールがこちらに投げたのはオカリナだった。テールがオカリナを手にするとマールが「それはフェアリー族に伝わるオカリナだぞ!!何かあったらそのオカリナを吹いてみな!!俺がどこにでも行ってやるから」と言ってマールは大きなおにぎりを食べ終わると泉の中へと消えていった。テールとジェームズは泉を後にして日課になっている場所へと再び歩きだした。
一方その頃、テリアの町を襲撃しようとしていたカオス教の集団は動き出していた。その動きはテリアの人間は知るはずもなく普段通りの生活をしていた。だがその異変に気付いたのは・・・・・・人ではなかった。ご飯を食べた後ラッキーは一日中かけて町の中を散歩していた。ラッキーは普段と同じルートを回っていたが今日は少し違うと感じ取っていた。今日のラッキーはいつもと違い感覚が覚醒していた。ラッキーが突然何かを感じ取り大きな音を出して吠え出した。ラッキーのその吠え方は危険を知らせているかのようだった。町の人はその異常な吠え方に驚いていたがしばらくして町に異変が起きた。普段はあんまり見なかった魔物の大群が町に襲撃してきた。ラッキーは魔物に対抗するかのようにさらに威嚇していた。
テール達は町が襲撃されている事を知らずに日課になっている場所に向かっていた。テール達を監視していたカオス教の集団も二人の後からついて行った。ある場所まで来ると近くに少し前に操ったオークが居たので二人と戦わそうとオークに指示を出した。テールとジェームズは日課になっている場所へと到達した。その場所から見える景色は普段と同じはずだった。しかし今日は違っていて泉でフェアリー族に会うなど普段と違う出来事が今日はあった。さらに普段はありもしない殺気が漂っていてその殺気は背後から漂っていた。殺気に気づきテールとジェームズは後ろに振り返ると普段はおとなしい魔物がいたが今日に限っては違っていて怒りに満ち溢れている赤い目をしたオークがいた。テールとジェームズはオークに攻撃に仕掛けられてテールはジェームズと一緒に戦う事にしたがジェームズはすでにオークと対峙していた。ジェームズは左からオークに立ち向かっていきオークに一撃を与えた。テールはすかさず攻撃をした。オークはその攻撃を躱して反撃しようとしてきた。テールはマールに貰ったフェアリーのオカリナを使った。
マールはフェアリー族の里に戻ろうとしていた。泉からもうすぐフェアリー族の里に着こうかという所でいつも聞いていた音色が耳に直接響いてきた。マールはオカリナの音色と共にオカリナの力に引き寄せられていった。マールはフェアリーのオカリナの場所まで瞬間に移動させられた。
テールがフェアリーのオカリナを使うとマールが現れて瞬時に状況を理解して戦闘に参加してきた。オークの反撃を現れたマールがバリアを張って防ぎテールとジェームズがオークに攻撃をした。オークは三人を相手に出来ないと判断したのか逃げ出した。テール達はオークが逃げ出した後で周りの風景を楽しんでいたが町から煙が立ち上がっているのをテールが気づき三人は急ぎ町に戻る事にした。