五千年の時を越えて解かれる封印
カオス教の集団が現れるかなり前、魔王ゼルスが封印されていた魔王城にやって来る一人の人間の姿がいた。その人間は魔王ゼルスの封印を解く方法を探しに旅立ったタリスタだった。タリスタは解く方法と修行を終えてただまっすぐに魔王城に向かって歩き続けていた。タリスタの手にはあの時の薬を持ちながら必死になってゼルスのいる魔王城に辿り着いた。魔王城はあの時のままの姿で変わらず残っていたがそんな事よりもゼルスの事が気になってタリスタはゼルスの元へと急いだ。ゼルスの元に辿り着くとその姿も変わっていなかった。ゼルスに近づきタリスタ一言「待たせたな」と言って封印を解く薬を封印されたゼルスに振りかけた。この封印を解く薬で封印が解けるはずだったが長い間封印されていた為か薬の効果はすぐにはでてこなかった。その状況に「そんなバカな!!」タリスタからそんな言葉が溢れた。タリスタは封印されたゼルスの前で封印が解かれるのを待ち続けた。次の日も次の日も・・・・・・
封印されていたゼルスの意識は周りを白色に囲まれた場所で長い間留まっていた。意識だけで他の音が聞こえる事がなかったがそんな時タリスタの声が聞こえたような感覚があった。その場所で聞こえた声は「そんなばかな!!」という言葉だった。その言葉は白色に囲まれた場所で長い間留まっていたゼルスの意識を引き寄せる力があった。ゼルスの意識はその言葉に引き寄せられて封印された肉体へと少しずつ少しずつ戻り始めていた。
何日も待ち続けたある日タリスタは封印されたゼルスの前で待っていると封印されていたゼルスの様子に異変が起きた。修行を受けて強くなっていたタリスタはその気配を感じていた。あの懐かしいあのお気配を・・・・・・タリスタはゼルスを見ると封印が解かれ始めていた。それからさらに何日か待ち続けた。封印された魔王ゼルスの様子に異変があってから数日後ゼルスの封印が完全に解かれゼルスは動き出した。タリスタはゼルスに近づくとゼルスは長年の封印によって体力が弱っていてタリスタの方に倒れ込んだ。タリスタはゼルスを担いで休めるようにゼルスの部屋に連れて行った。
ゼルスは封印に弱っていた体力を魔王城にある自分の部屋でゆっくりと回復させていた。回復をさせていた間タリスタはゼルスの世話をしていた。ゼルスは封印されていた間に時が進んでいて昔に見た光景とは少し変わっていると感じていた。ゼルスはその変化をタリスタにも感じていて封印された時よりオーラが強くなっている事に気づいた。ゼルスはタリスタから一緒に術の習得の修行をしていたジェームズからフードを被った集団の情報を聞いていた。その情報を元に集団の行方を捜していたがわからなかった。ゼルスとタリスタは引き続きフードを被った集団の手がかりになる情報を探すと共にこの後登場するテールという人間の事も調べ始めた。
それから五千年の時が過ぎ去ってしまった。あれからもテールという人間を探していた時にテリアという町にテールという人間がいてその近くにジェームズという人間がいる事がわかった。ゼルスはその情報を知るとテールという人間に手紙を書いた。その内容は【アースで待つ】という一言が書かれていた文書でその手紙をタリスタに渡してテリアという町に行かせた。タリスタに手紙を渡した後にゼルスは少し前にフードを被った集団が近くまで来たのを見ていた為にまたフードを被った集団が来るのを恐れて近くの町で少しの間隠れて待つ事にした。