冒険者ギルドに来た子供
ある子供は冒険者ギルドがあるアリトリーへと向かっていた。楽しみのあまりはしゃぎながら一歩一歩進んでいた。しばらくすると子供はアリトリーの町に辿り着いた。アリトリーに辿り着いた子供は冒険者ギルドを見て一番大きな冒険者ギルドへと入っていった。中に入ると冒険者が集まる冒険者ギルドの中に只一人冒険者らしくない人物が椅子に座っていた。その人間がいつからそこにいるのか?なぜそこにいるのか周りの冒険者達は誰もわかっていなかった。その人間の周りにはただならない人を近づかせないオーラが漂っていた。冒険者はその人を近づかせないオーラの事を拒絶のオーラと呼んでいてその拒絶のオーラは迂闊に近寄ると刃物で切り裂かれるぐらいの凄まじいものだった。冒険者ギルドに入ってきた子供はそんな拒絶のオーラを放っている人間に興味を持って冒険者も近づかない拒絶のオーラを気にもせず拒絶のオーラの境界線の中に入ってその人間に近づいた。周りの冒険者は中々近づけないオーラを簡単に越えていく小さい子供に驚いていた。子供はその人間に「何をしているの?」と聞いたがその人間は子供の問いかけに答えようとしなかった。子供はそれでも毎日話しかけてそれが一週間続いた。すると冒険者らしくない人間に変化を与えていた。ある日子供はその人間と話をしていた。周りの冒険者達は本当に驚いて子供にその人間の事を聞いてきたので子供は旅をしている語り部だと伝えた。旅の語り部が子供に物語を語り始めた。冒険者ギルドにいる冒険者達と子供はその人間の語る物語に聞き入った。旅の語り部の話は昔にあったとされている時代の話だった。世界の大半が暗黒のオーラを纏った魔王ゼルスによって沈黙と暗闇に支配された時代の話で英雄達の物語を見てきたかのように話し続けていた。旅の語り部の語りは冒険者ギルドの冒険者達と小さい子供をその時代の話に引き込んでいった。夢中になって時間を忘れていた人間達は周りの状況も把握できていなかった。旅の語り部は最後に英雄達の行方がわからないと話を締めくくると語るのをやめて冒険者ギルドを去って行った。その話を聞いていた子供は冒険者ギルドを出るとアリトリーを離れて自分の住んでいる町へと帰っていった。