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大賞『剣士(無免許)と少女(元死体)と魔術師(魔人)と+1がクリア人数0人のダンジョンに挑む話』選評

まずは、33作品の中から見事大賞にえらばれました、


『剣士(無免許)と少女(元死体)と魔術師(魔人)と+1がクリア人数0人のダンジョンに挑む話』


tmtm 様の選評から参りたいと思います。


一言で表すなら、これこそ正に王道のファンタジージュブナイル。


剣と魔法が織りなす重厚で壮大な世界観。


設定厨をも唸らせる異世界の人々の生活や文化に至るまでの詳細な舞台設定。


しかもそれらを退屈な文字の羅列でなくキャラクターの生きた言葉で自然に共有してくれるとあって、気がつけば夢中で読み耽っていました。


ダンジョンにおける死闘も血沸き肉躍る臨場感が伝わり、さながら自分も一緒に冒険しているような感覚で読み進めることが出来ましたし、身分制における待遇差の設定もライバルや敵役の対立に上手く活用されておりました。


ダンジョン内部の構造も丹念に描写され、主人公達が立ち向かうモンスターについても単なるやられ役ではなく物語を盛り上げる強敵として上手く演出されており、他のファンタジー応募作品と見比べても抜群に優れておりました。


中でも、コカトリスとの死闘は状況が二転三転する手に汗握る展開となっており、卓越した戦闘描写は私も見習いたいぐらいでありました。


パーティの仲間も魅力的で、特にヒロインのヒカリはラノベ特有の男性読者に媚びるようなテンプレ的なキャラ付けではなく個性的かつミステリアスな魅力があり、初登場時のクールビューティーな魅力に反して目に映るもの全て喰らい付く食いしん坊キャラもギャップとして愛嬌があり良かったです。


仲間思いで正義感が強い主人公のケイタも好感が持て、リザードマンの魔術師アニモも実直で頼りになるパーティの兄貴分として脇を固めており、三人それぞれキャラ付けしっかりとなされている印象でした。


物語の目的もメインキャストそれぞれにダンジョンに向かう理由がしっかりと説明されており、かつそれぞれにドラマがあるのも素晴らしい点で、今後の物語の伏線としても色々予想が膨らみそうなものになっておりました。



ファンタジーとして押さえておくツボを全て押さえている作品ではありますが、あえて気になる点として、惜しむらくはタイトルでしょう。


本文中であれだけ詳細かつ緻密な設定を見せてくれていることに対して、半ばあらすじのようなタイトルは個人的に勿体ないと感じてしまいました。


確かに作品の内容をよく現しているものの、読者の目を惹きつけるようなキャッチーさには欠けているのではと思えてなりません。


それだけでこの作品が埋れてしまっているのではないか思うと是非ともタイトルの改稿を進言せずにはいられませんが、長文あらすじ風のタイトルは近年web発のライトノベルの様式美のようになってしまっている風潮もありますので、あくまでも「シオカラ節」の身勝手な意見であることはご容赦ください。


また、欧米ファンタジーの魅力を余すところなく詰め込んだ世界観にしても、欲をいえば既存の設定を想起させるようなものとはまた違う、それこそ読者の度肝を抜くような斬新な世界観を見てみたいという気持ちもありました。


贅沢かつこれまた手前勝手な要望ですが、この作品においては最早これ以外言えることはないということでもあり、物語の基本をしっかりと理解されているからこその言であること、ご理解頂ければ幸いです。



今回、本企画の規定に則り、2021/05/02時点での最新話「きっと、明日降る雨は(4)」まで読了しましたが、ダンジョン攻略ものという流行のパッケージに乗っかりつつ、蓋を開けてみたら近代欧米ファンタジーリスペクトの本格ジュブナイルとあって、私の好みにどストライクの作品でした。


勿論、受賞理由はそれだけではなく、設定・キャラクター・物語の構成・バトルシーン、全てにおいて「そうそう、こういうのでいいんだよ」と思わず言いたくなるような王道作品として仕上がっていたのが主な理由となります。


今後の話の展開が楽しみな作品でもありますので、この手のファンタジーが好きな読者諸兄におかれましては、是非一度ご覧あれ。

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