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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第7章 うさぎさん達、外海旅行に赴きます
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79話 うさぎさん達、村の手助けしてみる その3

【ブタなのか変態なのかどっちかにしやがれ!】


 RPGでさ、最初に入ったダンジョンなんかやたらと湧いてくるモンスター強く感じない?

 私はそういう経験死ぬほどしているんだけどさ。資金集めに潜ったら超強いモンスターの襲撃にあって全滅したこと愛理さんよくありましたよ。


 と前置きここまでにし。

 強敵と言えるモンスターはそんなに出てこなかったが、隔てりのある道が先へ先へと続いていた。道中行き止まりのある通りもいくつかあった。……からっぽの宝箱だったり、大岩が転がってくる道やギミックは様々。それなりに癖の強そうな要素もあった。


「ん? なんじゃこれ」


 巨大な鉄扉が私達を見下ろすように立つ。

 防犯対策は万全であり、力押しでなんとか押しても動じない。


 RPGでよくある鍵がないとダメなパターンだこれ。あれでもそんな物あったっけな。そんな細かく見ていたわけじゃないからワカンネ。

 試しにマップ機能を使って物の場所を探ってみるが。


(めっちゃ遠いところにあるやん。え、一番遠い部屋、そこの南に100歩……そこから北西19860歩ぉ!? ……めんどくせ私計算するの苦手だから取りに行けるかってーの)


 今居る場所より反対側の一番奥にある部屋の、面倒くさい位置に隠してあることが判明した。あまりにも遠すぎるので行く気力が伏せてくる。

 往復で1時間程度かかるってそこ。……ラスダンじゃねえんだからもう少し難易度を調整して欲しかった。


 この扉のどこかに鍵穴な何かがあるはずだと思うが……。


「お、あそこか」


 見上げると、巨大な大鍵の穴が1つ。数十メートル巨人が挿せるくらいの位置にある。人間の高さだと到底届かなそうな。……空を飛べればいいなと思ったが、今の私にそんな能力はいないですね。


「あそこに鍵を挿すみたいですね、手分けしてさがs……って愛理さん!?」

「いいやシホさん壊すね、今すぐに」


 あぁもう本当はこんなことしたくないんだけど。時間短縮のため強行突破の手段に私は投じた。前者がこのダンジョンで何をやっていたのかそんなの私の知ったこっちゃない。しらんがなと。


 ラビット・トラップ(高性能爆発)のタイルを数枚ほど敷いていると、シホさんが私の方に振り向いた。


「ふぁ!?」


 因みにこの爆弾並びに爆発板の威力は、かつて地球に降り注いだあの隕石それ以上の火力に調整できるらしい。いや破壊神になりたくはないからとりまこれをぶっ壊す程度の火力に調整した。……昔爆竹で駄菓子屋のおっちゃんにめっちゃ叱られた記憶があるけど今はそんなの関係ねえ。


 黙々と設置する私だったが、彼女の咄嗟に発した声……咆哮に首を捻った。

 なに、その『なにやってるんですか!??(迫真)』みたいな反応は。


 平然と。

 異様に感じられる彼女に対して私は答える。


「なにどったの? 今からこの扉ぶっ壊すから」

「とても独特な模様をした布を置かれていますから……なんなのかと」

「忠告しておくよシホさん。押すな絶対押さないでね」

「は……はい?」


 なぜに疑問形?

 ラビットパンチで壊してもいいが、それだとほこらごと崩れる恐れもある。

 なのでここは爆弾で破壊し突破しようと考えたのだが。調整するとかは今回はなしで絶対私墓穴ほりそうだからね。


 鍵見つけに行かないかって?

 いやいや遠回りになりそうだしやりたくない。

 旅行は1週間のリミットだし、できれば1分あるいは1秒でも多く満喫したいからね。


「鍵探さないの愛理?」

「めんどくさい、カップ麺3分以上経ったカップ麺より3分ジャストで完成したカップ麺を食べる派だから私の属性は」


「カップメン……なんだって? めんどくさいってあなた……はぁいいわ好きにしなさい」


 呆れた顔付きでミヤリーはすぐに諦める。

 いやどうせ声かけるなら、もうちょっと粘れよ。あ、それだと余計時間ロストするか駄目じゃん。


「でも大丈夫なんですか? それ爆発するんです模様から危険な絵のように見えるんですが」

「その通りでございます。うんする、でも爆発は一瞬だよ」

「え、それってどういう」

「とりあえずみんな離れて近くにいちゃ危ないからさ……つーわけでみんなバックして」


 仲間全員を数メートルほど下がるように指示。

 扉との隙間がだいぶ離れたところで止まる。ここなら破片も飛び散らないだろうし安心。

 大きな岩が壁になっているので問題なし。

 ちょうど扉がやや小さめに見えるくらいの距離。


 大丈夫、周囲には被害が及ばないよう火力調整しているから心配なし。


「ラビット・ボム起動!」


 パチンと指を鳴らす。


 ババババババババババン!!


 中ぐらいの爆発が、扉を覆うように発生。連なる爆発が強固な鉄扉を粉々に破壊させ。

 爆発はほんの一瞬でおわり破壊完了。

 煙があがり。次に前を見る頃には、鉄扉の破片は地面へと転がっていた。

 

「初見でこれ? やばないこの力」


 向こうを凝視すると先へと続く道が広がる。

 今日初めて使ったのだが、想像以上にあたおか壊れ能力過ぎてわろた。

 どうやら扉破壊作戦は上手く行った模様。


「……なんと扉を一瞬で破壊するとは」

「鍵取りに行く必要なかったわねシホ」

「ええ、でもいつも通りの大胆なやり方でしたよ愛理さん」


 一同真顔でこっち見んな。

 仲間が鳩が豆鉄砲を食ったような、顔をしながら感想を述べていた。よく聞こえないが『はへぇ……これは』や『もうこの世界はおわりね。……しようかしら』など不安の声が聞こえてくる。……話勝手に勧めんな。そんな私が闇落ちする話なんてプロットに書かれていないから怪しむな。

 あと『爆破オチなんてさいてー』とかそんなこと言うなよ?


「これで大幅カットできたしちゃっちゃとそのモンスター倒しに行くよ」


 率先する私を先頭に、倒すべき敵を目標に前を進むのだった。


☾ ☾ ☾


 巨大な1本道。

 先進む道には数本のたいまつ。

 モンスターの気配は微塵も感じず、静寂さだけが広がる。


 明らかにボスの雰囲気を曝け出しているように見えるのだが。

 え、もうボス戦? ロリ魔神とかいうモンスターがこの先に待ち構えているってこと。

 はあ、名前からして変態臭しかしないのだが。


 見せてもらおうかその変態野郎の変態度とやらを。

 変態度ってなんだよ。

 最深部まで到達。

 開けた空洞の中を垣間見るように覗き込む。


「ここですか? そのロリ魔神というモンスターが住んでいる場所というのは」

「……恨みを晴らすときがきましたね」


 パンツのことを根に持つ少女が1名。


「なによこれ」


 部屋の中を見てミヤリーは一言呟く。

 その部屋の中はというと。


 所狭しと散乱する女性のパンツ。

 クッションのようにばらまかれたパンツの量は尋常ではなかった。

 うわ、変態丸出しだこれ。


 指示を出して中へと入る。

 すると。

 フラグが立ったかのように、パンツの山から巨大なブタのモンスターが出てくる。


【ロリ魔神:幼女の衣服が大好きな大型ブタモンスター。毎晩幼女の衣服採取目的に近くの村へとやってくる。幼女相手には目がないので小柄な方は要注意が必要だ】


 荒い息を立てながら、こちらに吐息吹きかけてくる。

 くっさ。


 やめんか。


 マジできもちわりぃなコイツ。

 まんま巨大なブタそのまま。鈍重な甲冑の鎧(皮)もしているのだが、細目にこちらを見下している表情がまた気色悪い。


 こいつカツ丼にでもして食ってやろうか!?

 いやまずそうだな。


「ぶひぃ! どうやってここに入ってきたぶひ!? 鍵はしておいたはず」

「あぁすまん、扉私の能力で壊したわ」


 さっと答えると。


 激怒。

 なぜに? 費用高くついていたのかな。……なんかすまん。


「ぶひいいいいいいい!! 許さんぶひ俺様のパンツコレクションは誰にも見られなかったのに!」


 すみませーんおまわりさーん、ここに変態がいますなんとかしてください。

 汚い舌を使って、そこら中に散りばめられたパンツをペロペロとなめ始める。


 きっも。


 自ずと鳥肌が立ってきた。

 こいつはあれだな。おかんに秘密で買っていたR18本がばれたような態度だ。あーあ分かるよあっち系の本が見つかったとき『これなんだ』という質問に対してどう返せば分からなくなるよね。

 まあそれはそれとして。


「きっもち悪いんだよ!」


 地を蹴って跳躍。敵の顔面上まで上がって渾身のパンチを放つ。


 スパーン!


 手応えのある殴打がロリ魔神の顔面にヒット。


「ぶぃぃい!!」


 体制を崩してそのまま倒れる。


「いてて、なにするんだぶひぃ! そこのうさぎ。……かわいいぶぃな。その服をよこしてくれたら許してやってもいいぶひよ」

「嫌なこった。お前に舐められるのなんて死んでもされたくないわ! あぁでも私の鼻くそならやろうか?」


 何言っているんだ私は。下品だぞ仲宮愛理。

 こんなキモオタをデカくしたような見た目が余計腹立つ。


「……アクリア」


 気を取られている隙に、スーちゃんが横から水魔法を使う。


「ぶ、ぶひぃ!? よ、幼女!?」


「……幼女言わないでくれます?」


 いつになくおこなスーちゃん。

 尖った顔付きする彼女は恨みを買っているような表情だ。

 おぉこれは本気で怒っているようだな。こんなスーちゃんは非常にレア……ごほん。珍しい一面だがこれはガチで手出し無用の案件なのでは。

 彼女は手を差し出して。


「……すみません昨日私のカバンにしまっておいたパンツ返してくれませんか?」


 するとロリ魔神は。


「ほうあのパンツは君のだったか! 嫌だねだってすっごいロリ臭高いもん」


 デカい図体でどのようにして取ったのかが謎だが。


「あの村には色んな幼女がいるからぶひぃ。いつも俺様の得意とする念力で奪い放題ぶひ。おかげで数日も経たない内に大収穫よ」


 あぁこの変態野郎。

 ねじ曲がってやがる。テレビだったら放送禁止用語で加工音声にされそうなことを次々と。

 自重しなさい。さもなければスーちゃんのとびっきりの魔法と私のいつもよりきつーいラビット・パンチが飛んできます。

 要するに乱獲だろ? うげぇ変態野郎がどうやったらそんな趣向に。


 しかも得意なのは念力ときた。

 厄介な技もってんなコイツ。


「…………」


 さらに怒りを露わとしたスーちゃんは水魔法を連射、連射。

 連続して撃ち続ける。


「ぐびぃ! やったなぶひなお返しだぶひ!」


 ロリ魔神は念力を使ってパンツを1本のムチのように束ね、スーちゃんを拘束し身動きが取れない状態にした。


「ぐへへ! これであんなことやこんなことができるぶひな!」

「あのブタさんやばいですね、とりあえず」


 と率先してシホさんが、ロリ魔神の方へと果敢に向かって行き。


「お覚悟を!」


 飛び上がって切り落とそうとする。


「甘いぶひぃ!」


 腕でそのまま攻撃を受け止めて、シホさんを払いのける。


「ぐふ!」


 真下に落ちて、片手でシホさんは頭を掴まれる。


「見た目はかわいいぶひが、幼女でないのがだめぶひ死ぬがぶひ!」

 うん、ブタさん悪いことは言わない。シホさんが剣を抜いたとき、それは勝利確と同義語だぞ? ……降参するなら今のうち……って見る感じ全然やめる気ないね。ってめちゃくちゃ……。


 ロリ魔神は巨大な拳を使い、抵抗の1つもできないシホさんを殴ろうとした。

 やっべ彼女が危ない。助けないとだな。


「シホさん!」


 私は。

 やられそうなシホさんの元に駆け寄り。

 力一杯蓄えた拳をロリ魔神に飛ばす。


「シホさんになにするんじゃあああああ!」


 ドスン!!


 剛力によりロリ魔神は壁際へと飛ばされ、シホさんはしがらみから解放される。

 私は落ちそうなシホさんを体でキャッチして。ってこれ俗に言うお姫様抱っこじゃね。

 少々顔が火照ったので彼女に私の顔が見えないようにそっと下ろす。


 おっと。

 結構重たいんだなシホさんの体。

 今更だけど。


「大丈夫シホさん?」

「助かりましたよありがとうございます」


 パンツから解放されたスーちゃんは広大な水の塊を作り。


「……よくも私のパンツを! R18指定やってないからと言って図に乗るとはいい度胸です! ……アクリアス!」


 大玉を何発も何発もそのモンスターに撃ち放ち。

 ロリ魔神は抵抗できない状態になり、ひたすらスーちゃんの攻撃を受け続けた。


「うが! うが! うがああああ!ぶひ!」


 その数分後。


「もうおわったぶひか? …………ってまだぶひか!?」


 私達4人を見ると、ロリ魔神は恐れるような顔付きで怯えていた。ビクビクと体を震わせながら恐怖を露わとして。


「ねえロリ魔神さん?」


 私は怖い笑顔で拳を突き出す。


「これなーんだ?」


「ひいいいいい! ぱ、パンツは全部返すから許してええええええええ!」


「ダメです! ごら! ゴラゴラゴラゴラゴラゴラ……」


 猛然とした私の繰り出したパンチはロリ魔人の顔を潰していく。

 重く素早い拳を一発ごとに叩き込んでいるので繰り出される全てのパンチが高火力。こりゃ痛い。

 軽いパンチがロリ魔神の顔面を崩壊させ。


「ごりゃあああああああ!!」


 彼は死にかけの虫のようにその場で伏した。

 死なない程度の妥協。

 これは軽い説教みたいな感じでね。


 それからさらに数分。

 スーちゃんの長時間にわたる説教がロリ魔神に向けて始まり。

 彼の心はズタボロになるくらい心細い感じに成り果てた。


 奪ったパンツは全て返すと約束し、このほこらからは出て行くと言い残して奪ったパンツは村に住む少女達の元へと帰っていった。


 勿論スーちゃんの元にも。

 村人の人に謝りに行かせた時は、村の少女達に凄い目で見られていたような気がする。

 パンツ1枚の罪はそれほど重い。


 ということなのだろうか。


 それから村へ帰った私達は一休憩をしたのち。

 次の街を目指して、再び歩きだすのだった。

 目指すは武器が盛んなその街だ。


「スーちゃんでもよかったね、パンツ戻ってきて」

「……えぇこのまま帰ってこなかったら本気で泣くところでしたよ」


 まだこの歳だ、泣きじゃくることは当然のことと言える。


「次行くところはコロシアムとかあるみたいだから、気楽にいきましょ」

「そだね、シホさんお腹空いてない大丈夫?」


「そろそろ空いてきたかもしれないです、愛理さんあの大きな木の下で昼食を摂りましょうか」


 腹ぺこさんがスタミナ切れになりつつあったので、近くに生えていた木へと駆け寄り昼食をとることにした。

 食料はというと、村で買った食事と以前シホさんが釣ってくれた魚(能力で焼いて食べた)だけど十分に腹を満たすことができた。


「シホさんの釣ったこの魚美味しいね」

「まだ全然愛理さんがこの魚持っていますから、いつでもまた食べられますね」

「私、食事担当じゃないんだけど」


 いつから私は料理職人になった! 一言も宣言してないぞ。

 でも3つ星を目指しても……いやキャラ的に似合わん。


「……まぁいいじゃないですか美味しいのは事実ですし」

「悔しいけど、シホの幸運スキルには感服よ」


 いや、そんな能力シホさんにはないからな?


「ミヤリーさん私持ってないですよそういう力。愛理さんなら持っていそうですが」

「ないからね私もそんな反則的な力はさ」


 一頻りの時間。

 私達はたわいもない話を弾ませるのだった。

 変な名前のモンスターといいあたおか野郎といい、なんでもありだなやはりこの世界は。

こんばんはです。

昨日は眠気にやられて1本も書けなかったすみません。

詫びとして今日は2本立てで、投稿しようと思います。

さて、ロリ魔神はちょっとした変態キャラですが、全てが悪いキャラではないです。

単純に幼女を狙い歩くイミフなモンスターなので、変態をそのままモンスター化させたようなブタモンスターです。因みに食べられません。21時ぐらいに出す話はまた間のサブストーリーでも書こうかなと思います。どのような話の内容かはまた数時間後に。ではみなさんこれにてまたお会いしましょうそれでは。

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