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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第6章 うさぎさんと、あたおかな挑戦者達

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63話 うさぎさん達と、ちょっと難関ダンジョン? その3

続きは明日書き足しておきます

【とりま隅から隅まで調べておけ!】


 失態を兼ねて探索する私達。

 やたらとゾンビモンスターが多いけど、ことごとく仲間と協力した上で前へと進む。

 あ。


 ゾンビパーカーは使ってないようん。

 あの後即座に、アサルト・ラビットパーカーに戻しておきました。

 やっぱさ歩いていて思ったんだけど。


 無闇に変な物は触らない方がいいよね。

 山中で見知らぬキノコを拾って食べてみたら。

 それは毒キノコだったみたいなアレと同様の扱いだよ。


 故に。

 安全性が確保できるものを試用した上で使おうか。

 先ほどシホさんが倒したアシッド・ワーム。

 あれからドロップしたのは。


 毒の粘液。

 少し躊躇いはしたものの、何かしら使えそうだったので採取。

 今度はもう外れじゃないと信じたい。

 でないと私マジでキレるからなそこんとこよろしく。


「あれ、何もないところに出ましたよ?」

「建物の破片の1つもなくなったわね。どういうことかしら」


 場面が切り替わり、廃墟の1つもない虚無の空間へと出た。

 乏しい風がひと吹き。


 ヒぅぅううう。

 枯れ葉が宙を舞う。


「まじで何もないな」


 向こうに広がるのは、果てしなく広がる海。波打つ音が耳から聞こえ潮の匂いが漂ってきた。

 なんか海水浴できそうだな。

 いやこんな気味悪い場所でやりたくねえや。因みに私愛理さん。泳ぎはそんなに得意な方ではありません。


 アクアラビット・パーカーの力の加護なかったらまじでおわっていたかもな。

 その点に関しては、パーカーをくれたどこかの誰かさんに感謝感謝。


「うん? なんか埋まってるなんだろう」


 ミヤリーがふと、地面に突き刺さっている何かを発見。

 それを掘り起こしアイテムを入手。


【ミヤリーは『佐藤さんの財布』を手に入れた】


 おっと日本で一番多いと言われている佐藤さん!

 その財布を入手したぞ!

 って。


 どこから沸いた!? ……革財布に『佐藤』って書いてあるけど絶対この世界の物じゃないだろ。

 というか佐藤さん財布落として困ってないのかな。


「なんか硬貨みたいなのがたくさん出てきたけどこれなに?」


 ミヤリーは財布の中をぽろっと取り出すと、中から100円玉がたくさん出てきた。

 ゲーセンでも行くつもりだったのかな佐藤さん。さてはゲーセン通い詰め系のゲーマーだな? 同士がいて微笑ましい限りだが。

 だがそれはそれとして。


「ミヤリー、その財布は置いていこうか」

「どうしてよ?」


 ぽかんとした顔でこちらを見つめる彼女。

 ってこの革財布をみて財布って分かるのか。……よくこれが財布って。すっと硬貨をポケットに入れようとしたが私の精密な動きによって抑止させられる。仕方なしに財布へと返却する。いやなんか一言いって。


「……何か問題でも?」

「あぁスーちゃんこれはね、拾っちゃダメな品物なんだ」

「と言いますと?」


 やたらと興味津々と攻め寄る2人。

 なにその『私気になります!』的な目は。やめろそれ以上私をその目で見ないでおくれ。

 ひとまず言い逃れになる言葉を。

 おっそうだ。


「その財布を持っていると大爆発するよ」


 突拍子もない変な浅知恵な嘘をみんなに言う。

 するとみんなは驚いて身を引く。

 ミヤリーは手に持っていた財布を放り投げて……その財布は海へ。


「おい! ちょ!! そこまでやらなくても!」

「だって愛理が爆発するとか言い出すから」


 いや別に投げ捨てるほどの物じゃないと思うけど。

 もっと別の言葉で誤魔化すべきだったと後悔。

 うむ言葉の綾ってやつなのこれ? ぽつんとした顔をしながら語りかける、ミヤリーに私は言った。


「あのさミヤリー物は大切にしような」


 頭の上に疑問符。

 彼女はさておき、私達は引き続きその場の調査に当たるのだった。


☾ ☾ ☾


「なんかこの辺だけ変じゃない?」

「そうでしょうか」

「……どこですか?」

「私のお金どこにあるのよ」


 おい1人変なこと言っているぞ。

 それはひとまず置いといて。

 探索していると、一箇所だけ盛り上がっている場所があった。

 そこに目を付けたのだが、誰1人その違和感に気づかない。

 あのすみません、目前にありますよ変な箇所が!


「あそこみてよ! ……あそこだけ浮き上がってるよね」

「……あぁ本当だ。よく見つけましたね愛理さん」


 指さしたところを指すと、最初に気づいてくれたのは他の誰でもないシホさんだった。

 やはり彼女の血の巡りは飛び抜けて良いらしい。


「あ、あれなの? ……確かに浮き上がっているけどどうしたの?」


 勘の鈍いミヤリーは嫌いだよ。


「全く鈍いなお前。あそこ怪しいから調べてみようって言ってんの」

「あぁなるほど」


 拳でぽんと手を打つ彼女。


「……ですがあそこに一体なにがあるのでしょうか」


 考えを巡らせるスーちゃん。

 廃墟。ゲームだとこういった場所に、隠しダンジョンに繋がる階段が隠されているものだ。


 恐らくあれが。

 そのダンジョンらしき場所へと繋がる通路だ。

 盛り上がりのある場所へと近づいて確認。

 妙な段差の山ができており、明らかに何かを隠しているような見た目だった。


「取りあえず掘り起こしてみるね」

「どうする気なんですか?」

「ラビットパーカーチェンジ……アース」


 アース・ラビットパーカーへと変身。


「こうやるの! どらぁ」


 盛り上がりのある土に向かって拳を放つ。

 すると土が巻き上がり、その箇所だけ徐々に姿が露わとなっていく。

 ようやく隠れていたものをしっかりと捉えられるようになると、仲間達は見えた箇所を熟視して瞠目。


「大きな階段? それにしても大きいですね。まさかこんなところにダンジョンが隠れていたなんて」

「どうするの愛理?」


 入るかどうか聞いてくるミヤリーに対して私は答える。


「当然潜る」

「……だと思いましたよ」

「でも中は暗そうですが」

「そこは心配に及びませんよ。私の照明魔法で照らすので大丈夫です」


 さすがスーちゃんだな。

 なら暗い道を彷徨う心配は要らなさそうだな。

 かくして私達はその階段の下へと降り、廃墟深くに眠っていたダンジョンを探索することとなった。


 不穏な空気が流れる中、私達は見知らぬ秘密のダンジョンを冒険する。

 如何にも冒険者っぽいなこれ。

 さてなんでもどーんとこいや!




☾ ☾ ☾




【怖くない怖くなんかねえから!!】


 階段を下っていくと古めかしい石の通路に出た。

 明かり1つない、奇妙な場所だが。見た感じなんか凄い宝が眠ってそうな、眠ってないような。

 またふざけたモンスターが、自然沸きしそうだがその時はその時で私の拳でぶん殴ってやる。


「……随分と使われていない場所のようですが、一体ここに何があるのでしょうか」

「なんか骸骨があちらこちら転がっているけどあれなんなのかしら」


 急に私の方を振り向いてくるミヤリー。

 なにその、なんでも私にお任せ的な流れは。


「私知らないよ?」

「そ、そう。愛理なら知ってると思ったんだけどな」


 めっちゃこいつ私を過信しすぎているわ。

 私が神か仏に、彼女の目には見えるのだろうか。

 いや全然偉くもなんともねえよ私は。お願いだから余計なプレッシャーかけんな!


「あ、愛理どうしたの? とても深刻そうな顔してるけど」


 やっべ顔に出てたか。


「気のせいだよ。だからそんな心配な顔しないで」

「変なこと企んでない? お金見つけたら独り占めするとか。こういうときあなたならやり遂げた後に『計画どうり』みたいな顔してそうだけど」


 ミヤリーの中の私ってどんな存在よ。これも私が教えたアニメのネタだが、そういう下らないものにはとても敏感だな。

 いや私はそんなゲスイ人間じゃねえよ。私のイメージを損なうような言葉は控えてもらおうか。


「ミヤリー喧嘩売ってんの?」

「お二人ともですから喧嘩はよくないですってば」


 横にいるシホさんがまたまた止めに入る。保護者代わりな彼女はどうして心強く感じるのだろうか。

 前の世界では妹としょっちゅう喧嘩したことあるが、こうして仲立ちする彼女を見ていると非常心強く思えるのだ。あぁもしこんな姉がいたらなぁ。なんで私が上なんだよ ※愛理は双子の姉です


「……モンスターの餌食になっても私知りませんから。あ、お宝見つけたらシホさんと私だけで山分けしましょうかね」


 なにもそこまで怒らなくても。

 前に立ち、光を灯し続け前へと進むスーちゃんは、呆れる様子で眉をしかめていた。


「スーちゃん? 怒っているの? もう喧嘩しないからそんな拗ねないでよ」

「……ま、まあもういいですよ。それよりも早く前進みますよ」


 気を取り直して前を進み出す。

 年層がそれなりに経っているせいか、崩れかけの部屋もちらほら見える。

 ここは昔、城かどこかにあった地下だったのだろうか。


「……聞けばここ昔城の地下だったんだとか。今から数百年ほど前に、経済が破産してしまいそのまま国は滅びたそうですよ」


 あながち私の予想は正しかった。

 って。

 滅亡した理由が意外すぎる。私はよくRPGである王道パターンの。

 魔王軍かどこかの軍隊が攻め込んできて、戦力及ばずそのまま国が滅亡したとかそんな感じかと思っていたが。


 まさかの斜め上をいくやつで草生えたんだけど。

 つまりあれか。現代世界で言う、赤字で倒産したとかそんな感じだろ? ……どこにも赤字ってあるんだね。もう少し頑張ってみたらよかったんじゃないんですかね。小規模な会社でもこういう場面にぶち当たってももう少し踏ん張りそうだけど。


「色んな意味でそれやばくね」

「……滅びたものはしょうがないです。……血族も今はおらず完全に滅びた感じです」

「復興しようと努力する考えになぜいたらなかったのか」

「愛理さん、諦めるのも時には大事ですよ?」


 ぽんと肩を乗せてくるシホさん。

 まあ確かに。様々な事情を抱えていたことは概ね理解したが。

 それにしても気の毒。

 もしタイムマシンでもあったら、過去に行ってみたいな。


「ま、まあ人生色々あるからね」


☾ ☾ ☾


 人際目立つ大部屋があったので、そちらへと入った。

 中は厨房らしき空間で、辺りには古ぼけた食器や器具が錯乱していた。

 だが、魔法で辺りを照らしている範囲はほんの少しで大きな円形くらいの範囲だ。

 ので一辺を照らしてはいないのでそこまで明るくはない。


「もうちょっと明るくできないの?」

「……すみません。この魔法だとこれぐらいが限度なんですよ」


 うーんこの。

 やはり魔法使いでもなんでもできる、ということではないのだろうか。

 もし、電気か何か辺り全てを照らすことができる物があればな。


 と考えを巡らせているとき。

 あるものを思い出す。以前クラゲ野郎から抽出した電気。

 あれを使えばなんとかなるのではと。


「みんななんとかなるかもよ」


 とみんなを呼び円を組むように寄せさせて。


「どうするっていうんですか?」

「……愛理さんって魔法使えましたっけ? 見たことないんですけど」

「きっとあれよ、またとんでもない力をもった服を作ろうとしているんじゃないかしら」


 さらっとネタばらしすんな。


「そそ。また新しい服作るよ。もしかしたらここを照らすことができるかもしれないから」


 私は。

 ノーマルラビットパーカーをいつものように複製し、素材リストから電気を選ぶ。

 そしてそれを合成させて。新しいラビットパーカーを作る。


「ラビットパーカーチェンジ」


 今度は外れじゃないよね?

 服の色が迸る電撃のような黄色に変色。

 一応詳細を。


ボルト・ラビットパーカー 補正:攻撃(25%) 素早さ(25%)


【固】強力な電気を操れる(低電圧から高電圧まで可能)

【固】耐電:電気を自分の体に蓄えて能力値を増強させる。

【固】感電:触れたものに数百倍のボルト数に及ぶ電気を流すことができる。


 うん、案の定電気。


 今度は電気に特化した品物らしい。

 外れを引かず一安心だが果たしてその効果は。

 私は、隣にいたミヤリーの手を握り、試しに電気を流す。


「あわわわわわわわわわわ!!」


 ミヤリーは高電圧を受けて黒焦げになり、その場で伏せる。

 彼女は間入れず、すぐ起き上がり私に向かって。


「「もういきなりなにすんのよ! せめて一言かけてよ死ぬところだったじゃない!」」

「いやぁ。試運転用に確かめようかと」


 頭をぽりぽりとかく。


「なあに誤魔化してんのよ! 危うく死ぬところだったわよ! なに? 私愛理の実験台か何かにされてるわけ!?」

「私はマッドサイエンティストでも、悪の秘密結社でもないから安心しろ」


 とりあえず適当に答えておく。


「はあもう。……それで」


 すぐに冷めてくれてなにより。


「その服で何ができるわけ。……電気よねそれって」

「うん、そそ。この服電気が使えるみたいだからどうにかできないかなって」

「なるほど、それでここを明るく照らすってわけですね」

「……少しおいしいところを持っていかれるような気がしますが、できればお願いします」


 めっちゃ期待されているよ私。

 しゃーない。

 まじまじとこちらを3人がみていることだし、いっちょやってみますか。


 天井に手の平を向けて試しに撃ってみる。

 すると電気の玉が出てきて目映い光で辺りを照らす。

 部屋全体が明るくなり、周囲が鮮明に見えた。

 それは温かみのある光輝であり、普通の建物となんら変わらない度合いだった。


「めっちゃ明るい」

「愛理やっぱ天才ね」

「そ、そう?」


 前学校にも行かず、引きこもっていたやつがもらっていいセリフじゃない。蔑んだ目で『ふっでそれがどうしたっていうのよ。私の方が〇〇できるけどぉ?』みたいなこと言ってもいいんやで?


「……魔法でもここまで明るくはできませんよさすがです」

「可愛いだけでなく明るくもできるとは驚きですよ」


 みんなからの評価も良いことで。

 私達はひとしきり、その部屋を調べ歩くのであった。

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