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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第6章 うさぎさんと、あたおかな挑戦者達
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44話 うさぎさん達と、宇宙からの侵略者その1

【お母さんに朝ご飯のメニューを決めてもらうには、事前に言っておこうか】


 衣食住を手に入れ、新生活がようやく始まったわけだが。

 翌日、一通り屋敷内を回ったのだが、思いの外広かった。

 目の前に映るのは、想像を絶する広範囲の部屋ばかり。

 リビングから、食堂、寝室、他はトイレなどとにかくどこもかしこも広く私達が住むにはもったいないスペースであった。


 本当にこんな場所に住んでいいのかと、疑いたくなる自分がここにいる。

 広すぎだって。

 一般人が住むには宝の持ち腐れじゃねこれってさ。

 ところどころ、年代物の品もいくつかある。

 昨日スーちゃんがいくつかは破壊してしまったのだが、それでもまだ数は減らない一方で部屋のあちこちに類似する置物があった。


 相当な金持ちが持っていたんだろうな。

 私は、こういう家あまり入ったことないから、馴染みなさ過ぎて少々違和感を覚えてしまう。

 早朝。

 屋敷内にある、大食堂にて食事をとる私達。


「……おいしいですねこれ」

「でしょ? 聞いた話によれば、それ"メダマヤキ"っていう卵を直接焼いた料理らしいわよ」

「ミヤリーさんが食べたい言うものですから、今日は私がミヤリーさんの要望に応えて作りました」


 まさか異世界で目玉焼きを食する日がやってくるとは。

 因みに目玉焼きの卵は昨日の外食帰りに、たまたま通りの店で買った卵。

 あ、ダジャレじゃないからねこれ。


 帰りがけにミヤリーが、目玉焼きが食べたいと言い出して今日に至るが結構いけるぞこれ。

 朝食はベーコンと、目玉焼き。

 加えて食パンという、ファミレスのモーニングセットによくありそうなメニューだった。

 当番が今日シホさんということもあり、料理が絶品でプロの料理と間違えそうな仕上がりだった。

 どこでこんな料理習ったんだろう。


「シホ。こんなのよく作れるわね」

「ありがとうございます。母がよく作ってくれた料理なんですよねこれ」

「ふうん。なんか習って覚えた感じ? やるわねシホ。……今度教えて貰おうかしら」


 無碍に答えるミヤリーだが、少々興味がありげな様子。

 え、これくらいの簡単な料理できないの?

 名前を知っているくらいだからてっきり知っているものだと……。

 うん、ミヤリーは私の予想を斜め行くなやはり。


「シホさん、美味しいよ。私久々に食べたからさ故郷が懐かしくなってきたよ」


 その故郷というのは、ここにはない別世界にあるんだけどね。


「愛理さんもこのような料理を食べたことがおありで?」


 因みに私もこういうエッグプレート大好きです。

 母が休みの日によくファミレスに行ったことあるけど、その時いつも目玉焼きのついたモーニングメニューを頼んでいた気が。

 これはあれかな。


 俗にいう実家のような安心感ってやつ?

 よし、将来的にシホさんを嫁に取ろうか。


「その……愛理さんがそう仰るならまた作りますよ?」


 急に私の方に顔を向けていたシホさんが、足下に目線を落としもじもじとする。

 いや、なんでそんな恥ずかしい顔するの。

 別に恥ずかしいことではないと思うんだけど、なんかまずいこと言った私?

 まずまずと彼女の顔を見ながら、私達二人の深刻そうな空白時間にミヤリーとスーちゃんが。


「……あのお二人とも。冷めてしまいますよ? 食べないなら私が全部頂きますが」

「は!」

「は!」


 口を揃えて我に返る私とシホさん。

 いかん。あともう少しで二人に貴重なメシを取られるところだった。


「シホさん、とりあえずごはんが温かい内にたべてしまおっか」

「はい、そうですね」


 完食していた二人をよそに、止まっていたナイフとフォークを動かして再び朝食を頂くのだった。

 これあれだ。給食の時間、食べるのが遅くなった生徒みたいな気分。

 昔、友達とげらげらとふざけた会話していたら、よく私1人だけ片付けるの遅くなっていたな。

 せんこーによく早く食べろとよく急かされたものだ。

 食事中はなるべく会話を控える。その理由を改めて実感した。


☾ ☾ ☾


【運動不足対策に運動は怠らない方がいいと思う】


 街の外の草原。

 草木が戦ぎ、今日も気持ちよく吹かれている様子をみせていた。

 朝食を終え、軽くはらごなしにモンスターの討伐クエストを受けたのだが、どのモンスターも容易に討伐できた。


「ラビットパンチ」


 軽く拳を一発。

 その辺にいたスライム三匹になぎ払うように攻撃。

 耐性を無力化する能力を念じて発動。


 するとスライム三匹は数分足らずで地面に叩きつけられたのち、溶けるように消滅していった。

 この能力……なんかチートすぎね。

 最初戦った時は、弾け飛んだ演出だったのにも関わらず、今度は溶けていくアイスのように消えていった。


 レベルの格差が激しいとこんなにもあっさり倒してしまえるものなの?

 ゲームみたいに統一性なくて草生える。

 試しにAIさんに念じて尋ねてみる。


【……差が相手より開きすぎていると、受ける側は通常より多めのダメージを食らってしまいます】


 ふむ、要はレベル差でのダメージってことかな。

 まあそういうことにしておこう。


「これで全部ですかね?」

「依頼内容はモンスター30匹の討伐だったわね」

「……数えましたが、討伐数は30匹越えです。……愛理さんの強力な先ほど使ったパンチにより隣接した敵が巻き添えになり、討伐体数より多く狩ってしまったようです」


 まじで?


「……さっき27匹だったのが、今37匹討伐……になっています」


 流れ弾的なパンチでモンスター側にそんな被害が。

 ……後ろを振り返るとスライムがいた、さらにその後ろの木がなぎ倒されるように転倒していた。

 うわなんかやらかした感じじゃねこれ。


「……あぁ愛理さん、そんな気まずい顔しないで下さい。倒し過ぎちゃっても大丈夫ですから」


 え、そうなの。

 てっきり罰金か何か請求されるのかと、少々心配だったが。


「ならよかった。私はてっきり重い罪にとわれるのかと」

「大丈夫ですよ。そんな罰則どこにもないですよ。なので心配要りません」


 重い私の肩に手を乗せてくるシホさん。

 気遣ってくれているらしい。

 若干肩揉み気味になっているような気が…………いててだから力一杯握らないでって!


「わかった! 分かったからやめよう………………か?」

「なにあれ?」

「……謎の円盤?」


 シホさんにやめるよう言おうとした、その時だった。


☾ ☾ ☾


【未確認生物って小さい頃からのロマンだよね】


 突如。

 草原全体をある大きな物陰が、私達を覆う。

 平べったい形の円形。

 巨大な横長をしたその物体はどこか、SFに出てきそうな機械であった。


 機械からは、妙な高音を発しながら上空を舞う。

 はい、漫画で見たことあるよこういうの。

 シュン、シュンと何回にわたり、瞬間移動かワープをし場所を移す。

 そして私達より少し向こう辺りで止まり下降。

 ゆっくりと一帯に突風を発生させながら着地する。


「? ……扉らしきものが開きますよ」


 円盤らしきものからスーちゃんが言う扉。……いや恐らくハッチのことを言っているのだろう。

 ……明らかにまたあの場違いなやつじゃないのこれ。

 誰がどう見ても…………って言ってもこの世界だと、私と狂政ぐらいしかこれは知らないか。

 私のいた世界でもこれは実在はする……とかよく言われていたけど、現物はこの世界に存在した模様。


 そう。

 架空物の、よく宇宙人が乗ってきてくると言われているアレ。

 UFO。

 "アナイデンティファイド・フライング・オブジェクト"の略称で、未確認、飛行、物体の略称。


 な、なげえ。

 子供に大人気……今はどうかはしらないけど小さな子供にとってはロマン溢れるものである。

 それが。

 私の前に。


「な……なんで」


 いても立ってもいられず、発散に飲み込んでいた声を上げる。


「「なんでUFOがこの異世界にあるんだよおおおおおおおおおお!!」」


 正気ではないようなとち狂った声。

 自分で言うのもあれなんだが恥ずかしい。うんとても。

 分かっている。分かっているけど、そんな大声を出したいくらいに信じられないできごとが目の前に起きている。

 いやだから、なんでUFOがこの世界に。


 復唱させてください。

 なんでUFOが異世界に存在しているんですか。


「誰か来ますよ。注意してください」


 身構えるシホさんは、聞こえてくる足音に注意を促すべく声をかける。

 そして、そのUFOらしき物の中から現れたのは。


「ふん、相変わらずクソみたいな星だな」

「…………どなた?」


 腕を組みながら現れたのは。

 二足素行をした、人型の頭に二本の触覚を生やした宇宙人? だった。

 口調的に男……だと思うが、なんだこいつの顔。


 ドヤ顔でなんかイキがっている素振り。

 ……やばいあの顔見たら、クッソ腹立ってきた。

 ムカつくなこのクソ。


 薄目。

 相手を怪しむ対応でその、宇宙人さんを見つめる。

 いや、怪しむ以前に。もう既に怪しいわこれ!!

 取り敢えず名前ぐらい聞こうかな。


 だって第一印象って大事っていうじゃん。

 もしかしたら諦めてこのまま帰ってくれるかもしれない。

 過度な期待しすぎかもだけど。


「あのお名前は?」


 その宇宙人さんは、ドヤ顔で偉そうに答えてくる。

 だからそのドヤ顔やめろ。

 くっそむかつく。


「よくわからん服をきた地球人よ! ……知りたいのか俺の名を? ……凡人なお前たちがぁ!? ……まぁ優しい俺は心が広いから特別に答えてやろう」


 口調もめっちゃムカつくお方でした。

 あーはいはい自己偏見乙。


「我が名は! ナメップ星人のブラフ! この地球を頂きにきた!」


 ほら、いかにもふざけたような名前。

 種族名? 的な名前でなんとなく察しがついた。

 文字通り、舐めプしてくるこの宇宙人さん。


 その名もナメップ星人。

 体色が黒と、外見悪そうに見えたり見えなかったり。

 私達一同はそのナメップ星人のブラフを無碍に見つめ。


「な、なんだ!? その興味なさそうな顔は! ……ほうさては恐れているな!? この俺様が地球に来て。 ふふふならチャンスをやろう三分感待ってやるそれまで命乞いをするがいい!」


 どこかの大佐が言うようなセリフを。

 このふざけた名前をしたナメップ星人を相手に、私達四人は戦いに臨むのであった。

 つうか。

 どうなっているんだよったくこの世界は。世界そのものがバグじゃねええかよ。まじで。

深夜での投稿ですこんばんはみなさん。

金曜日に少し書いてはいましたが、なかなかモチベが思い浮かばず苦悩していました。

少々異世界では珍しい宇宙人を取り入れてみましたがいかがだったでしょうか。

はい、ちょいとあの作品からのパロです。なんか響き似てるからいいかなと。

基本的にこの種族上から目線でしゃべり出し、調子乗るクソの塊みたいな宇宙人ですがそういうキャラなんです悪しからず。

明日はまた過去話の校正を行います上、また見て下さると幸いでございます。

話は変わりますが、梅雨入りはしたのですが夏と間違える暑さですよね。私も書いていていつも思うことは暑い暑いのパンチです。

隣に愛用の扇風機君に頑張って貰いつつ、日々キーボードを走らせながら書き続けております。ですが暑すぎて辛いです。

なので、みなさんもこんな私みたいに暑さに負けないよう体調管理には気をつけて下さいねではでは。

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