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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第1章 うさぎさんとの出会い
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2話 うさぎは見かけによらず恐ろしい

誤字などあるかも知れませんが、よろしくお願いします

【ゲームの説明書はちゃんと読め】


  そのダイアログボックスを直視する。

 ゲームでよく見る。

 メニュー画面のような整列。

 項目は数個があるが、今はどれをどのように使うか全くわからなかった。


  説明書でも付けてもらえれば。

 ありがたいのだが。

 今はひとまず置いておこう。

 なんかバグったら嫌だし。


 内1つ。

『メール』と書かれたUIが、点滅しながら光っている。

  異世界来て早々、私を認知している人なんてまずいないと思うが。

 誰だ。

 特定厨にでも身バレでもしたのか、え嘘やん。


「んなわけ」


 冗談はさておき。

 とりあえず押してみようか。半信半疑。


 嫌な宿題でも騙されたと思いやってみたら。

 思いの外できた。

 あんな感覚でやろう。


「うんそうしよう話はそれから」

「ぽちっとな」


 心を無にして、メールを開く。


 メールの件数は一件。

 上端に新着のメッセージが。

 点滅しながら光っている。

 これか。


 どうでもいいけど送信時間AM3:00ってなんぞ⁉


「あのリテラシーって言葉ご存じ?」


 いい子だから早く寝なさい! 時間ぐらい弁えろ。



「えぇと内容は」



『異世界の案内状中身を見てね?』とある。


『愛理ちゃん異世界へようこそ。私の贈り物気に入ってくれたかな?』








「ちゃん呼びって。うわキモ」










『退屈そうだったから、特別に異世界へ送ってあげたよ! 楽しんでもらえると嬉しいな』

『あぁこれ決して詐欺じゃないからね? 異世界行きの特典もつけてあげたから活用してほしい、とか言ってみたり!』


「口調がますます、キモイオッサンの典型的なやつ。吐きそう……おえぇ」


『それとあなたにとっても優れた装備品も用意してあるんだ』

「装備? ご丁寧に。気前がいいことだ」


 呪われたやつとかじゃあないよね?


『メールに添付してあるから忘れずに見てね 見守っているどこかの誰かさんより』


 と下には。

 このダイアログボックスの使い方が、ぎっしりと書かれている。

 だから誰だよ。

 オッサンだったらシバいて蹴り飛ばす。


 「何処の誰だか知らないけど。私を見ぬ知らずの異世界へ送って何様だ?」


 なにゆえこのような場所に。

 ずっと。

 学校をサボっていた私への、天罰なのだろうか。


もしネットの人がこんなこと知っていたら。


『【悲報】愛理学校サボりの罰として異世界転移されてしまうwww衝撃の映像がこちら』

 みたいなこと呟かれそう。

 でも気にしたら負けだと思うのでスルー。

“大人の事情”というものが関与しているのだろうか。


 …………。


 でもよくよく考えてみたら。

 いいんじゃね。


「いっか! あのしつこい担任の顔見なくっていいし」


 一瞬数時間前に。

 説教食らっていた、クソ教師の顔が目に浮かんだ。

 頑固な顔といい、態度といい。

 とても私に、好意的な接し方は一切しなかった。


  異世界行きの。

 フラグが経ったことにより。

 その束縛から解放され。

 晴れて私は自由の身となれたわけだ。


 天から授かりし恩恵。

 これが私への罰というのなら。

 それを喜んで引き受けるとしよう。


「むしろ好都合最高のプレゼントじゃね」

「ドヤッ」


 自由を勝ち取った笑みを浮かべる。

 あまりにも嬉しい気分になったので。

 日差しに向けてグッドポーズを決める。


「つーか異世界の太陽も、案外普通なんかい」

「それで特典で付いてきたものはなんだろうな。早速開けてみよう」


 異世界の定番。

 これがないと私の異世界ライフは。

 始まらない。


「反則的な能力? それとも他の強力な能力か」

「あ、でもやっぱぶっ壊れ系のやつは嫌だなぁ。ゲームバランスって大事だし」


 その中身は一体何だろうと。

 あるボタンを見る。


「お、これか?」


 メールの右上にあるプレゼントマークのボタンを押す。


 おそらく。

 これを押すと、添付した物が。

 出てくる仕組みになっているのだろう(?)

 あ、ドッキリとかはなしだよ。


「ミミックに噛みつかれて、ジ・エンド」

「いやだなぁそれは」

「さてと、お待ちかねのぽちっと!」


 すると一面。

 目映い光で覆わた。


「う、まっぶ‼」


 少しすると。

 宙に服らしき物が飛び出す。


「あれは?」


 その光は。

 次第に弱くなり。

 ようやくその実体を確認できた。


「………………」


 かっこいい服か? 全身重装備の近未来防具か。


 期待を胸に抱かせながら。

 頭の中で色々妄想していた。


 例えれば。

 クリスマスプレゼントを開ける時のそのような反応。


 興味津々に見つめ。

 期待を高ぶらせ………………ていた(過去形)。


 その浮かべた笑みは。

 一瞬でぬか喜びにおわり、表情が次第に沈んでいった。


「ふ……く?」


 変な感想が自ずと。

 口から出る。


――私の思っていた物と。

実際送られてきたものは、全くイメージとはかけ離れていたのである。


「服……いやパーカーだよな?」








【見た目で判断するより重要なのは中身だろ!】



 私は昔、うさぎの絵本をよく見ていた。

 愛らしい見た目は。

 私の心をわしづかみしていたぐらいだ。


 何故好きになったのかは。

 記憶が曖昧で覚えていない。

 ただ1つ。

 かわいかった。


 それだけは。

 断片的だが、かすかに覚えている。


 そんな。

 うさぎの形をした物が。

 今私の前に姿を現す。


「…………」


「何これ?」


 あまりの衝撃で思わず言葉を失う。


「バカにしてんの?」


 あの罰ゲームかなにかですか? 

 ちょいとわけわかめだから一言ぐらいメッセージつけろよ。





なににせよその服は――――。






 見た目は。


 生白い生地の無色パーカー。

 それに加え。

 フードの部分に付いている長太い部分が特徴的だった。


「ぱ、パーカーねぇ……」

「いや、何故にうさ耳パーカー?」


 金縛りにでもあったかのように。

 口が固まる。




 それは一見強くも見えなければ。

 身の毛がよだつような物でもない。


 可愛らしさが際立つ。

 そのパーカーは。


 相手を軽蔑しているものにしか見えない。

 コスプレ大会でも、やれってことなのか?


 誰がどう見てもうさ耳。

 いやこれが本当に強い装備?


 なのだろうか。


 でも見た目はかわいいから捨て難い。

 気持ちはあるけれど。


 本当に強いのかどうか。

 実のところ怪しい。


 するとダイアログがまた開く。


「? 『なんでも図鑑』、なんだこれ」


 『なんでも図鑑』という項目が増えている。

 なんだろうこのタグ。


 取りあえず押してみる。


「ままよ押せぇ!」


 と見知らぬ図鑑が開く。

 まだデータは全く埋まっていないせいか。

『?』の項目が下にスクロールしていくとたくさんあった。


「ガチのなんでも図鑑。なのか?」


 種類ごと分けられているみたいで。

 左上に『装備品』、『モンスター/人物』、『場所』の3項目がある。


 装備品のボタンを押して。

 種類別の下にある。

『検索/解析』のボタンもあったのでそれを選択する。


「これはどんなものだろう。ポチッと」


 どこかの国民的某人気ゲームの。

 図鑑みたいだな。

 すると機械音声が聞こえてきて、説明を始める。


『ノーマル・ラビットパーカー』

「ってか名前まんまかよ、安直スギィ‼」


『説明:うさぎを模した白いうさ耳パーカー』


 いやそりゃみればわかるわ。

 その下に。

 能力の詳細が表示されていた。


 プログラムのソースファイルみたいに。

『共』だったり『固』と書いてあるものもある。


「そういやさっきのメールに」

「共有が云々、固有云々って書かれていた部分あったな。もしかしてアレ?」


 どうも。これは共有能力、固有能力の略らしい。

 強力な能力だったりする?

 なんの力が隠されているんだろう。


 でも残念系は勘弁したい。


『【悲報】愛理氏異世界で外れ装備を引いてしまうwww』

と呟かれそうだし。


 どれどれ、1度拝見してみるか。


「………………なんだこれ」


 しかしその能力。

 数がとてもエグかった。


【共】目に止まらない速さで俊敏に移動、ジャンプが可能。

【共】パワー魔力大幅上昇。(この能力を意識していなければ効果は適用されない)

【共】広範囲の音をパーカーの耳で聞き取れる。(何の音かも識別可能)

【共】過去のできごとや聞いた話を保存できる。

【固】新しいパーカーの生成


「なにこれぇ? この作品始まって早々インフレ」

「加速しすぎじゃあないですか、いいのこんな強さでさ。」

「え、これからもっとインフレは拡大するとか」

「いやそれだとサ終まっしぐらじゃねえか意味わからん……」


 愚痴が長いので割愛。

 取りあえず、見た目とは想像が付かない。

 ほどの強力な力。概ねそれを理解した。


 でもこれただ単に書いてあるだけで実際は弱いのかも。


 ……とそんなオチもありそうだが、物は試しっていうしまずは着てみよう。


「ふぁ? 能力値? ……あの個体値厳選とか私やらないからね」


アンストして。

リセマラとか、時間の無駄になるようなこと。

絶対したくないんだけど。

あ、これゲームじゃなかった現実だったわ。


 見入ったものがひとつ。

 UIを閉じようとしたら『能力値』という一覧があった。


「押してみるか」


 押す。

 一応目を通しておいたほうがいいし。

 私自身が気になる。


 アイリ レベル5

HP 25

魔力 50

攻撃力 50

防御 3

素早さ 50


 防御とHPはさておき、能力値高すぎないか。

 初期ステで振っていい数値じゃあねえええええ。


 レベルが1でないのは恐らく。

 先ほどあのドラゴンを倒したからじゃない?


 下に能力の一覧があるが。

 これなら先ほど起こった現象の謎がわかるのでは。


「…………どれどれ」


【能力】 思い描いたことや。

     口に出したこと・ものが実際に起こる。

     または実体化する。

     息切れにならない。


「思い描いたりする」

「……思い……えが……」


 さっきのできごとが脳裏をよぎった。


「あっ」


「もしかして」

「さっき私が『こんな時に隕石が落ちてきたらな~』とか」

「口に出したことが私の能力の発動の引き金になって、あのドラゴンにぶつかったってこと?」


 これいろんな意味で。

 反則的な能力な気がするけど。

 あと息切れしない理由がよくわかった。

 こんな能力もついているとは。

 あれそういう。


 アニメやマンガでよくあるような。

 ご都合主義展開で無理矢理やりました。

 的なものじゃあなかったのか。


「この能力ガチで?」


 でも利用できる能力はとことん利用しないとね。

 だからってやり過ぎはよくないけど。


 というかこれただのぶっ壊れ能力で草。

……確認もできたことだし。

 そろそろ足を動かすことにした。


 念には念を入れようと。

 先ほど倒したドラゴンをなんでも図鑑で確認。


 レッド・ドラゴン

『説明 主に広大な草原の空を自由自在に飛び回っている赤い巨竜。普段は大人しいが、大声などを出すと敵視して襲ってくる。なお手のかぎ爪は、引っ掻かれるだけで即死してしまうほど危険である』


 え、あいつ大人しかったの? 

 すまないことしたなぁ。


 とはいえ、あのとき能力を偶然使っていた能力に感謝するべき。

 使用しなかったらマジで死んでいただろう。


「まずどこにいくべきか」


 気を取り直して前へ。

 あちらこちらに立つ木々からは。

 鳥の(さえず)りが聞こえてくる。

 自然豊かな森の道が、こちらを導いている気が。


「自然ってこんなにも心地よかったなんて」


 して、行く当ては全く見つからないのだがどうすれば。

 ホームレス生活一直線進み気味な私。


 ゲームなら。

 ここで道中、この先に街があるとか教えてくれる人(いわゆるNPC)が居るんだけれど。

 この世界で運よく見つかるはず。


……………………は?


 私が歩きながら呟いていると。

 向こうに、視界の開けた野原が。


 そこに何故か。

 伏している、長髪の女性剣士が倒れていた。


「………………」


(なんでうつ伏せ状態なんだ?)


 気に掛け。

 近くに寄ろうとした瞬間。

 回りの茂みが揺れ動く。


「グルルルル……」


 お姉さん起きてください!

 もう朝ですよ(昼過ぎだけど)。

 このままだと薄い本展開みたいに。

 というかマジで起きなさい。


 そこから出てきたのは。

 3匹の狼が目の前に。


 やばい。

 このままだとあの人があぶない!

 助けないと。


「さてどうする仲宮愛理」「

「セーブシステムはない世界だぞここは」


 獲物を捕らえようと。

 徐々に間合いを詰めていく。


「……っち。恥ずかしいけれど、やるしかないっていうなら……!」


 私はあまり着たくはなかった。

 だが仕方ないと言わんばかりにうさ耳のパーカーを被ると。

 その狼達の方へ赴く。


「ええいままよ」

「もうどうなってもしらねえぜ! ……うん?」


 なんでも図鑑が反応してまた説明してくる。


ウルフ

『説明 元はとあるどこかの家畜が飼っていた。遊び半分で育て繁殖させていった結果、大量繁殖した経緯を持つ。その後ウルフ達は全て脱走し野生化。いつしか森を彷徨うモンスターとなった』


 遊び半分って。

 そんなやらかすくらいのバカなら、最初から飼うなよ。

 ザリガニの放流するのもダメだって。

 テレビで言っていたぞ。


「やるだけやってみるか! あとでダサいだの言われてもそのときはそのときだ」


 私は拳を片方の。

 手の平に向かって1度叩く。

 そして構え戦闘態勢をとる。


「ちゃんと戦えるか少し不安だが」


 リアル戦闘経験は全くない。上手く戦うことができるか。

 正直、今チキっている。


 逆に考えるんだ、私に戦闘経験がなくても。

 ゲーム感覚でやればいいじゃないか。

 脳内でとあるマンガの名言を、私の現状に置き換えセリフを再生させる。


 武器1つもない手ぶら。

 一端のゲーマーなら馬鹿の1つ覚えかと愚痴られそうな状態。

……だがそんな悠長なこと今は考えている場合では。


「あのお姉さんを一刻も早く助けてあげないと」


 足下に転がっていた小石を拾う。

 こんなふざけたどこにでもある。

 ごく普通の石ころ投げただけではたして倒せるのかと。


「私の拙い戦法がきくか?」


 ウルフ3匹に向かって勢いよく投げる。

 手始めにこちらの方へ、注意を引きつけ。

 そこから戦闘に持ち込み私がまとめて相手になってやる。


 無茶ぶりなのかもしれないけど。

 そうでもしないと倒れているお姉さんが危ない。


「今は引き離したほうがいいな。ほらこっちだよ‼」


……というか身動き。

 1つもしてないが本当に大丈夫か?


 演劇の練習でもしているのか。

 と考えてしまうくらいにピクりとも動かないが。


「生きしてんの?」


 半目になりながらも。

 敵に注意を引きつ……け。

 るつもりだったが。


これもまた予想外の展開に。

 ――――このパーカーの恐ろしさを。

――――私はまだ知らなかった。

 だってあんな()()()()()()()()出すから――――。


「嘘でしょ、何これ?」


 剛速球でウルフ側の。

 地面に直撃した小石。

 それは、巨大な爆発でも起きるかのように瞬く間に光る。


「あの……」


 刹那。

 辺り一面が、巨大な異様な響きの音と共に爆発した。

 地面は秒もかからないまま。

 火の海に変わる。


 大丈夫か。

 山火事にならねえかなこれ。少し不安。


 救うどころか破壊神になっていません?

 懸賞金かけられたら。

 いくらぐらいの値を付けられるのだろうか。


 ウルフがいた木々。

 側にかじられでもしたかのような、巨大なクレーターができている。

 投げた石がまるで。


 核爆弾にでも変わった。

 と思わせるぐらいの、とてつもない破壊力。

 マンガ……ギャグかそれ以上の領域を。

 遙かに達成するがごとく殺傷力が凄まじい。


 肝心なターゲットにしていたウルフは。

 跡形もなく、肉片の1つも残さず消えていた。


 そうあの一球。

 たかが近くに散らばっていた石ころによって。


 ウルフ3匹は1分足らずで倒れてしまった。

 いや消し飛んだと思う。


「灰だろこれ」


 寝ていたお姉さんは。

 爆発と共に吹き飛んだせいか。

 さっきの場所より、向こうの場所にある木々に飛ばされていた。しかし何事もなかったかのように無傷で。


「無傷っておかし……くね」

 ――あの衝撃を耐えしのいだあのお姉さん強固すぎないか。


 声を張り上げてしまう。

 愛理さん、発狂する声が止まりません冗談抜きで。


 チート能力の度がすぎる力に。

 驚かずにこれはいられるかっつーの。


 もはや倒すどころのレベルではなく。

 これはもう核兵器レベル。

 国家を敵に回してもおかしくないレベルよ。

 スーパー愛理とでも改名しようかな。


「そんなことより、早くあのお姉さんのところに行かねえと」

「お姉さん!」


 巨大なできた穴から。

 黒煙が渦巻く中。


 うつ伏せになっていたお姉さんの元へ。


「う、煙が深い……」


 必死に堪え距離を詰めて。

 駆け寄る。


「あ、あの大丈夫?」


 体を揺すり声も掛けた。

 が。


「……なに?」


 まるで生命反応の気配がなく。

 ……これは既に逝ってしまったのだろうか。


「く、くそぉ、あと少し私が早く来ていれば」

「このお姉さんは死なずにすんだのに」


 そう惜しみながら涙を流す。

 こんな私だって、人助けしたいっていう気持ちはある。

 大事な命の価値だってちゃんとわかる。だが守れなかった私は無力で情けない気分になった。

 もしかしたら救えたかもしれない。


 過ぎ去った過去のことを。

 彼女の亡骸の前でそっと見つめながらで呟く。


「………………っ」

「………………⁉」


 その時、微かな声が聞こえてきた。








 え。








 生きてるの?


 お姉さんの声だった。


「……を」


「へ?」

「食べ物をくれませんか?」

「あぁなにか…… なにか食べ物をぉぉぉぉぉぉぉ!」

「いたたた……! わ、わかったから足を力強く握らないで」

「潰れちゃう、潰れちゃうから‼」


 食料をくれと飢えるお姉さんは。

 うつ伏せになったその顔を。

 激しく横に振り。

 塞がっているような声を出す。


「…………」


 私の目が徐々に半目に。

 悲壮感あふれる表情から、いつもの顔になっていき。

 というか、足思いっきり握らないで。

 痛い。


 死んでいたと思ったそのお姉さんは。

 思いのほか生きていた。

 息をすいながら。


 だがお姉さんの開口一番の台詞が。

「腹減った」と言った。

 なぜに。


 ……紛らわしいわ!


 うぅ。

 私のさっきの涙を返してくれ。

 涙は、その言葉で一瞬にして吹き飛んだ。


 このお姉さんの正体は。

 いったい。

 というかほんと誰だよ!

遅れを取りましたがようやく出せました。

新キャラの登場で雰囲気をちょっと和やかにしてみましたがいかがだったでしょうか。

まだ書き始めたばかりなのでまだなんとも言えない状況ですが。

次回も少しかかるかも知れませんがもし宜しければ気長に待ってくれると、嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちょっと面白そう 続き期待 [気になる点] 二話で、何度も同じこと書いてあるけど take2とか書いた方が分かるかも そのあと何度確認しても………みたいな文章とか [一言] 上から目線み…
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