1話 予想外な展開に巻き込まれる
誤字などあるかもしれませんが温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
【失態を犯すネット廃人は長話が苦手】
久々に生半可な気持ちで学校に出向いた。
当然の如く、担当の教師に呼び出され。
現在数十分にわたる説教のさなか。
え、いままで何をしていたかって?
それはリアルにリア友なんていない女ですから。
普段はいつも部屋でゲームのオンパレード。
この通り私は立派なネット廃人ですよ。ネット廃人。
世間で言う、引きこもりやニートの類い。
私も心の中で。
人生の10割中、既に7割損しているのだと自覚はある。
リアルなんてクソ以外の何者でもない。
もはや、確率操作の利いたような闇鍋ガチャみたいなもの。
なんだよこのクソゲーはよ。
「ってお前聞いているのか? 欠席日数何日か分かっているのか」
憤慨。
あーあ。
聞きたくもない声が聞こえてくるな。
どうしてかな、なんで人の罵倒する声ってこんなにも耳障りなんだろう。
「あ、はい聞いてますよ」
棒読みの回避が、最善の策とは言い切れないが。
正直私は。
こんなこと言われるくらいなら。
早く家帰りストレス発散にゲームでもやりたい。
いやでもゲーム中毒とか、そういう症状におかされているわけではないけど。本当だよ?
何回かは仮眠は取ってるし大丈夫なはず。
たぶん。
あたおかな頭いってそうな教師は放っておき。
ゲーム開始画面でよく出てくるよね。
「ゲームは1日1時間」だとか、「1時間ごとこまめに休憩取りましょう」だとか。
正直ああいう忠告文は半信半疑なんだよね。
私の知ったことではない。
そんなこといちいち気にしてやっていたら。
ゲームのイベントなんてすぐ終わっちゃうよ。
なので早く家に帰りたい。
妹に少し前、そのことを話に持ち出したら鼻で笑われ。
「なに今更そんなくだらないもの気にしてんの?」
と揶揄されたぐらいだ。
チクショーあの妹め、少し頭がいいからって。
あぁもう思い出しただけでむしゃくしゃするぜ。
今日たまたま母から学校行くよう急かされ。
足を運んだものの。
この仕打ちだ。
(あと何分続くんだよ、マジでだるいんですけど)
まあ自業自得だけども。
声を張り上げながら。
私に説教する教師に対して、私は俯いて視線を逸らす。
グーパンでもしたろか。
あぁでも暴力だけは避けたい。
お縄にでもなったら元の子もないしでおすし。
別に怖がっているからじゃあない。
単に見ているだけで。
嫌気が差し呆れてきただけだ。
もし私がマンガの主人公だったらこう言いたい。
~愛理の脳内イメージ~
「聞いてるもなにもくだらねえ話しばっか」
「興味ねえんだよクソ教師が!」
「はぁお前誰に向かって口答えしてんだよ。この教師に向かって」
「悪いなクソ教師! 私は私の道を己で切り開く主義でね」
「貴様にとやかく言われる筋合いはねえんだよぉぉぉぉ!(飛びかかりながら攻撃)」
んなことやるか!
とはならないのが現実。
私にとって学校は一環のディストピア。
学問云々はまだしも、私は陰キャだし。
タメとの付き合いは非常に悪い。
あ、みんなこんな私には絶対なるんじゃあないぞ。
悪いことは言わないから。
(あーあ、ねっむ。喋っていて疲れないの?)
眠気が私を襲ってきた。
それよりゲームのレート順位のほうどうなったかな。
順位下げとかマジで勘弁。
早く終わらないかな。暇潰しに素数でも数えようかな。
(1、2、3、5……)
あ、1は素数じゃねえや。
クソ教師のせいで数え間違えたじゃねえか。
ざけんなチクショー。
今日はなんだろう。普段より眠気が妙に強い気がする。
いやただの気のせいか。
みんなコイツのせいだろ。
支離滅裂だが、もうそうしよう。
「それでお前これな。分かりきっていると思うが」
1枚のA4サイズのプリント。
パンっと怒りの音を立てながら、机に置いて私に差し出してきた。
口で言わなくてもわかる気がする。
わかりきるもなにも、コイツはぁフラグってやつですよ。
うわマジで私やっちゃった系だ。
「へぇ~。まぁこうなることは予想していましたけど」
「お前やけに冷静だなおい」
「薄々気づいてましたし」
「覚悟? そんな気持ちもありましたし」
正直反省する気は。
1パーあるか否かの世界線。
はい、微塵もありませーん。私はそんなクソ以下の人間ですので!
プリントには『留年について』と書いてあった。
その下にはここまでの経緯がたっぷりと書いてある。
うわぁ、読んでいるだけで頭痛くなりそうな長文。
いや怪文書。睡魔率急上昇だこれ。
それはどうも。
私の留年のことについての記述だった。
簡潔的に言うと。
不登校が気味だったから私の知らない内に。
留年が確定したとのこと。
(やらかしたな私)
時期はもう12月過ぎ。
他の同学年はテストで必死だっていうのに私は。
言ってみれば幽霊部員なき。
幽霊生徒とでも言えるような存在。
取りあえず話をすぐ終わらせるべく私は。
一言告げて、この職員室を出て行くことにした。
(視線が冷たい。気まずいし逃げるか)
話の途中にもかかわらず。
足を動かして、その場を撤退しようとする。
さて必殺バックレるか。
「はいはい、わかりましたよ」
「今度はちゃんと登校しますよ、そんじゃ」
棒読みで言葉を返して。
私はその場を去る。
再度忠告しておこう。
(心を入れ替える気は)ないです。
決して、自暴自棄になってはいない。
永遠と続きそうだったので。
危険を察知し、自ら判断し回避したまで。
言い訳だって? そんなの知らん。
「おい! まだ話は」
言葉を無視して扉を閉める。
その時担任教師が「チッ」と舌打ちが聞こえた。
他にも私に言いたい愚痴の1つや2つでもあったの?
説教し足りないとかそんなところかな。
いや。
これはマジギレしてるわ。ガチで。
☾ ☾ ☾
教室にも向かわず私は家へ帰った。
友達いないからね。
しかも都合がいいことに、昼休みだったのだ(デデン!)
だから家帰って、ゲームでもしようかと思い。
教師達に一言挨拶し。
こうして帰ったわけだ。
そして現在13時過ぎ――。
「陰キャにはほど遠い世界だわ。やっぱあそこは」
「やっぱ我が家が一番だ! もはや私を止められる者はいない」
両親は基本的にあまり家に帰ってこない。
社畜系の仕事に就いているらしく。
休みは数週間に1度だけ半日の休みがあり。
それからまた数週間、帰らず帰らずの仕事に戻っていく。
クソゲーかよ。
ただのブラック企業じゃん。
「そういや、今日休みの日だったよな。……あ、もうとっくに時間過ぎてたわ」
今日がその休みである日。
案の定家に帰れば親の姿はそこにはない。
24時に帰ってきて。
また12時間後には仕事のローテ。
これだと、実質1人暮しじゃん。
「虚無、虚無感だよなぁ」
独占状態じゃんと思ったそこのあなた。
割と孤独感に襲われるから一概にうほほーい! とまではならないんだぞ。
なんだかんだで1人って寂しい。
絶賛リア友大募集中。なんて。
「さあ、我が相棒よ、目覚めよその命ィ!」
パソコンに電源を入れ。
私仲宮愛理はゲームを絶賛プレイ中。
やっているゲームジャンルは様々だ。MMORPG、音ゲー、ギャルゲー以下略。
割とオールラウンダーなんじゃね私。
でもある程度時間がたったら自炊もしている。
他に洗濯、時折掃除。
その他諸々概ね家事全般ある程度は。
コンビニ飯で済ませることもあるが。
基本自炊するのが比較的多め。
都内住みなので近くにコンビニなんて、山ほど溢れている環境良好。
ブログや動画で稼いだお金がある。
なので金欠に直面することはまずない。
まあ親にも教師にも言っていないが。
両手で持っているゲームコントローラーを使い。
私はゲーム画面と向き合う。
なれた高速入力で、画面上のプレイヤーを瞬殺していく。
「弱っちぃ……はいざまぁ!」
今やっているのはFPS系のゲーム。
ちょうど最後の生存者を仕留め、賞金を手にしたところ。
これで計100回ほどかな。
最後まで生き残ったのは。
最初生き残った時は。
感動するくらい喜んでいたのだが。
今となっては毎回のこととなり。
現在維持で無敗である。
その練習の成果が大幅に出たのか。
ネット対戦に潜る頃には、一切負けたことがない。
ネットのスレでは。
『無敗のデススナイパーには気をつけろよ』とか言われている。
いやなんなんだよ、デススナイパーって。
【YOU WINNER!】
「今日もいっちょあがり。たいしたことなかったね」
コントローラーを机に置いて。
耳につけていたヘッドホンを外す。
「うわねっむ。ちょい寝るか?」
やはり今日は無性に眠い。
ちゃんと、いつも夜の12時には寝るようにしているが。
どうしてだろう。
今日の学校が影響したか?
「考えても拉致があかないし、今日はこのへんにして寝ようかな」
そして私はパソコンをシャットダウンさせ。
「少し眠るがいい、我が相棒よ」
「……厨二か!」
隣に置かれているベッドに。
場所を移し、布団の中へと入る。
「さてそろそろ寝オチの時間でっせ奥さん」
「てことでお布団ダーイブ!」
目を瞑り睡眠をとる。
あぁそう言えば、お風呂入るの忘れていた入ろうかな。
でもまんどくせ。
次起きたときでもいいや。
そのように考えていると。
強い睡魔に襲われ次第に……ぐないと。
☾ ☾ ☾
【フラグの発生条件はまちまちである】
「………………ん」
目を開ける。
「………………」
上から鳥の鳴き声が聞こえる。
ワシだろうか。
それにしては聞いたことのない。
甲高い声を発しているけど本当にここ日本?
「キャャャャアアッ‼」
「なんだよ、うっせーな……」
「気持ちよくこっちは寝てたっていうのに」
外国、はたまた宇宙のどこか見知らぬ場所か。
夢ならどこでもいいけど。
ほら娯楽小説でもあるじゃん、トラックに轢かれたら。
別世界に転生したとか。
こういうテンプレ展開は誰もが願っていること。
1度でもいいからなりたいなーなんて。
反則なチート云々はそんなにいらないから。
ファンタジーな世界に溶け込みたいねぇ。
なーんてあるはずないか。
「私、疲れてるんだろきっと」
それはさておき。
おかしいな。これはどんな状況か。
まさか未知なる生物UMAが徘徊しているとか。
ワンチャン見つけたら一躍有名人になれそうな予感。
「いるわけ……ふわぁ……」
古くさいネタだが、ツチノコとか……いるかこの日本に。
ありもしないことを考えて。
時間を潰していると。
だいぶ睡魔が抜けてきた。
どれ……1度瞬きしてみようかな。
寝ぼけているので、いまだに状況把握ができていない。
パチパチと。
「え」
目覚めた私の目に映った光景は――――――。
……。
……。
……。
「「なんじゃこりゃあああああああああぁぁぁッ‼」」
自分の部屋でもなく。
学校の教室でもない。
崖から見下ろすと、そこには広大な草原が目に映った。
とくに上空を舞うドラゴンには目を奪われた。
あのフラグ立ったんじゃね私。
「ド、ドラゴン⁉ 本物かよぉぉ‼」
私がいた。
世界とここは違う別世界なのか。
「実感が持てん、説明してくれね」
まあいないんですけどね。
というかま?
後から誰かがやってきて。
『テッテレー!』と書かれた立て札を持ってきたり。
うーん一旦整理タイム。
頬をつねってみる。
痛い。
近くに立っていた木に思いっきり頭突きしてみる。
これも痛い。
自分でビンタしてみる。
オカンにも打たれたことないのに。
うんやっぱり痛い。
「 とりあえず“夢”じゃないってことは十分理解した……けど」
どんな展開だよ。
なんですかこれ、クソ教師に留年させられたあげく。
今度はこれ?
小説や漫画で読んだことあるけど。
夢叶っちゃったよこれ素直に喜ぶべきなの?
「これが例の異世界……らしい?」
唐突すぎてまだ半信半疑だけど。
異世界転移。
だよなどう考えても。
でもこれは。
意図せぬ未知のイベントだよこれは。
そして今の気持ちを、空を仰ぎ広々とした草原に向かって叫んだ。
「ワアアアアアアアアアアアアアアッ!」
空を舞う。
先ほど私が鳥の鳴き声?
と錯覚していたモンスターが。
声から発生した一息によって下へと落ち。
「へ?」
力も加えず何故か落下。
どういうことなんだ。
とそんな考える時間は私にはなかった。
「ゑゑゑ?」
声に気づいた宙を舞うドラゴンが。
こちらに反応し、断末魔のような咆哮をあげる。
向かってくるその様子は、まるで気性の荒い番犬。
「うん? 地雷踏んじゃった私」
“向かう”というよりそれは“襲う”
と表現したほうが正しいかもしれない。
「あれもしかして怒り買っちゃった? やっべ!」
明らかにこちらを尖った目つきで。
歯をむきだしにしているが。
ガチのおこじゃねこれ。
周りの木々よりも。
格段と大きく赤い鱗を見に纏った竜。
手足には尖った爪がついている。ガチで攻撃する気?
「 いや今はこんな呑気に感想を述べている場合じゃあない」
「明らかに逃げるのが優先でしょうが! に、にげるんだよぉ!」
☾ ☾ ☾
【鬼ごっこは持久力が肝、大丈夫捕まらなければいいから】
「逃げないと! ドラゴンのエサになるなんて私はご免だ!」
踵を返して全力疾走で駆け抜ける。
途中木々がそのドラゴンによって、どんどんなぎ倒されていく。
パワーは余程の持ち主みたいだな。
1度でもぶつかったら。
これまじでガメオベラじゃん。
「ギャアアアアアアアアアア!」
「あちちちちちちちちちち! ガチの炎上(物理)やめろ! ぬおおおおおお燃えちまうぞ!」
時々不意打ちで火球の攻撃を食らう。
あちいなおい。
木が生える1本道を高速で駆け抜け。
ドラゴンに太刀打ちできそうなものがないかと探してみる。
……が見つからず。
というか早すぎて拾いに行く時間ねえよ。
どうしろと。
だが先程からふと思ったのだが。
一切疲れを感じないのは何故だろう。
私はずっと引きこもっていたから、まず息は長く続かないはずだ。
……じゃなくて今は。
どうせ異世界に来たのなら。
尋常ではない力の1つや2つ欲しいところだが(欲張りすぎはだめなのだが)。
そんな力の気配は感じない。
「あぁもう! こんな時」
「隕石の1つでも落ちてくれば、めっちゃ助かるんだけどなッ!」
間合いはわずか。
大声で叶いもしない我意を。
1句1句、張り上げる声で高々死に物狂いで叫んだ。
ただの足掻きにしか思えないのだが。
「ええいなら煮るなり焼くなり勝手にしろ!」とヤケクソ状態になる私。
――――だがしかし次の瞬間、私は目撃する。
妄想が現実になる時期を。
「ギャアアアアアアアッ!」
「は?」
願ったことではあった。
そう心よりそれが叶えばいいなと。
だがそんな起きもしないことを私は念じた。
のだがこれはいったい。
どういうことだろう。
突如として。
中ぐらいの燃えたぎった隕石が。
ドラゴンの顔面に落下し直撃した。
「は?」
大切なことなので2回言いました。
ドラゴンは。
そのまま悶え苦しむ声をあげ。
地面に落ちていく。
「なにが起きた……の?」
「と、とりあえず行ってみよう」
そのドラゴンの落ちた場所に向かう。
左端にある木々を進みながら。
ひたすら落下場所を追う。
「木や草が邪魔で歩きづれぇ」
進んでいくうちに。
呆然と立ち尽くす著大な生物が見え。
【素直に勝利を喜んでも大丈夫だろう】
間違いなくそれは。
先ほど私をストーカーしていたドラゴンだった。
でかい滅茶苦茶でかい。
いやというかドラゴンなんて見たことないし。
ドラゴンってこういうもの?
この世界におけるドラゴンのスケールって。
これが当たり前なのか。
駆け寄り。
凝視しながら様子を見るが、動く気配がしない。
試しに端の草木に落ちていた木の棒を片手につつく。
「おら、つんつん」
……反応なし。
思いっきり頭部を殴る。
「あいた」
痛いけど全く反応無し。
ならばと今度は蹴る。
「キック! いてぇよ」
しかしこれも同等の結果。
……。
「倒した……の?」
不安が過ぎり、実感が持てない一方だが。
――――どうも私は見知らぬNYST(なんだかよく分からないけど凄く強そう)
なドラゴンを倒してしまったらしい。
唐突過ぎるんだってだからさ。
――どうか落ち着いて聞いてください。強そうなドラゴンは隕石によって倒されました――。
と。
頭で脳内再生。
すみません誰か補足説明してください。
と半目で倒したドラゴンを見つめ「わっ!」と声をかける。
だが返事はない。
ただのしかばねのようだ。
息遣いもしていおらず。
触ってみても温度差は全く感じられない。
「まじで、倒しちゃったの?」
ようやく倒した実感を持てたのか。
と聞かれれば怪しい心境。
でもここは素直に勝利を喜んでもいいでしょ。
いつまでも考え込んでいても。
頭が一方的に痛くなるだけだから。
とりあえず後回し。
「あとは、あとは……えぇと。えー」
「え?」
すると突如として。
私の目の前に、見知らぬダイアログボックスが表示された。
ゲームでよく表示されていそうなデザインのUI。
それに悠々と首を捻り視線を移す。
「? これは」
萌えがみです。初めての異世界シリーズ書いてみましたがいかがだったでしょうか。
次出すのはいつ頃か分かりませんが頑張って書いて行きたいと思います。
これはとある不登校少女がいきなり異世界に迷い込んで後に出てくるうさ耳パーカーを主力にやりたい放題大暴れをするそんな物語です。
多少のネタも挟みつつ楽しんで読めるようなシリーズにしたいと思いますのでよろしくお願いします。