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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
新・第2章 うさぎさん達、再始動イン大きな一帯へ
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240話 うさぎさんたち、機械軍と戦う その4

【周囲のものは有効活用しよう】


「いいですか、無謀に突っ込まないでくださいね」

「こんな数屁でもないわ」


 反対側。

 二手に分けるように機械兵が

行く手を阻む。

 数多にもおよぶ雑踏を作っているので

反対となる場所にいる

ミヤリーとスーちゃんのほうに


加勢するのは少し難しそうだった。


「くそ、知らないうちに切り離されるなんて」

「技でも使えば、スーさんたちが

巻き添えになりそうですし

困りましたね」


 策を講じようものならまず

この数をなんとかしなければならない。


 だが大きすぎる技でも

使えば、また新たな敵を招く

危険だってある。


(板挟み状態かよぉ)


 すると向こうから。


「心配しないでー!

2人でなんとかするから」


 なんとかってなんだよ。

……まあスーちゃんがいるんだし

いざという時は彼女に声をかける。

それぐらいの脳はあるよね。


「さてスーちゃん、片付けて愛理たちと

合流するわよ」

「……元はといえば

あなたのせいですよね。

まあいいです、こっちもサポートします」


 少し呆気に取られ気味だが

大丈夫か。


「ふん」

「っ!」


 群れの方へと駆け出す。

鋭利な刃物を持つ

敵に対しても動じず。


「はぁっ‼︎」


ミヤリーは剣で攻撃し

スーちゃんは魔法で敵を蹴散らしていく。


前に進んでも敵の山はなかなか

減らない。


「何体いるのよ……もう」


 斬りながら愚痴を吐くが

キリがない。

 いや本当に

いつ終わるんだ、と言わんばかりの

数だ。


「……愛理さんたちに

追いつけないですね」


 あたりを見渡しながら

策を模索する。


「……」

「な、何かない? そうだテンプ……」


 だが、即座に。


「あれまだ長時間止めるのに

不慣れなんですよね。

そこから強力な魔法を大勢の敵に向かって打つとなると……途中切れそうです」


 危うい表情を漂わせ

淡々と答えた。

 スーちゃんによれば

あの魔法、止めている間は

水中にでもいるような感覚だ

とか言ってたっけ。


 止めている間、

魔力や体力を持続的に消耗するとか。


 そりゃ連チャンいつも使える

とか言えないよね。


「えぇそんなぁ。じゃあどうしろ

っていうのよ」


 上には大きな水道管がある。

管、通る?


 突破法がひとつ閃く。

だがこれを2人が。

とくにスーちゃんが気付けるかが

重要だ。


「何か策は…………あれは」

「どうしたのスーちゃん?」

「ミヤリーさん、銃改良して

もらいましたよね?」

「あうん、でもあんなの使っても

変わらないんじゃない?」


「最後まで聞いてください。

上です。上の管に穴を開けてくれませんか?」「え?」

「いいから騙されたと思って

やってください‼︎」


 どういうことか

首を傾げていたが。

 彼女の言葉をのんで、懐から小銃を取り出した。


「信じていいのね? 死ぬリスクない?」

「ありません、さあ早く」


 そして

ミヤリーは1、2歩下がり

上にある管に銃を向けて。


「ええいバッキューン!」


 引き金を引くと

中ぐらいの大きさをした、砲弾が飛び出た。

瞬く間に管に穴を開けると

周囲を濡らすぐらいの噴水が降り注ぐ。


「……一網打尽にする準備は整いましたね」


「スーさんは一体何を?」

「まあ見てなって。じきにわかるよ」


 床に杖をついて

魔法を唱える。


「アブソルートッ‼︎」


 凍てつく冷気が周囲に拡散。

次第に濡れた部分を伝って

凍っていく


「……‼︎」


 機械兵の体は全て凍り

群れを作っていたものも

一斉に凍らせた。


「なるほど凍らせて、

倒す方法がありましたか」

「うん、こうすれば倒しやすくなるはず」


 でも考えたね。

濡らしてさらには

氷魔法で全部凍らせるなんて。


 私が教える手間もなかったね。


「それじゃ仕上げは私が」


 強大な剣捌きで

戦うのに苦戦していたはずが

その技で全て蹴散らした。


「……ふうようやく合流できましたね」

「上出来だったじゃん2人とも」

「まあ私がいるから

結果は当然よ」


 調子に乗るやつはさておき

数ある敵を蹴散らして先へと進んだ。







☾ ☾ ☾







 歩みを進める。

 休む間も与えず

機械兵は次々へと押し寄せてきた。


 仕掛けなどは

みんなで声を掛け合いながら対処。

 また手の悪いミヤリーがやらかさないようにと安全を考慮したうえだ。


 毎回こいつやらかすなぁ。


自分の顔に指差しながら

見開いて、不信した様子で言う。


「私っておバカ……なの?

そこまでしなくても」


 自覚ないなら自分の胸に聞けっ‼︎

 でもそんな間接的なこと、

こいつにはわからないだろうし


「いいやダメ、

あんなのがうじゃうじゃ来たら

どうしろってんだ」

「そ、それはたしかに……そうだけど」


 眉を曇らせながら

視線を逸らす。

 図星突かれたみたい。わりと豆腐かこいつ。


「……いたるところに

罠がありますから注意を怠ると、

足を掬うハメになりますよ」

「空箱に見せかけた

起爆スイッチや、天井から滑空してくる

コウモリモンスターとか。

この基地自体が罠の巣窟

みたいなものですよ」


「ぐぬぬ、返す言葉が見つからない」


 どこか、ガン付けするスーちゃん

の視線が普段より怖く感じられた。


 変わりのない、鉄素材で貼られた道。

 敵の気配に最低限、注意しながら

進み続けた。


 そして。


「最新部か?」

「……情報によれば、ここみたいですね」


 大きな両開きドアが目の前に

立っていた。


 壮観だった。

 天井に埋もれるほどに高々と

そびえ。

 まるでそれはラスボスでも

いそうな間だった。


「その機械軍の存在がどういった

ものかは知りませんけど」

「大きいわねこの扉。

いったいどこまで伸びているのよ。見えなくなる

ぐらい続いているわよ」


\ボォォォォォォォ/


 おそるおそる

ドアに手をつけると開く。


「おや、急に開き出しましたよ⁉︎」

「……どんどんズレていきます‼︎」


 仕掛けも何もなしに。

低音を上げながら

ゆっくりとずらすようにして

中を覗かせてくる。


尺、おおよそ1分前後。

(地味になげぇなおい!)


「うわぁ真っ暗じゃん……。

何も見えねぇ」

「こういうところに限って

デカブツ出てきたりね」


 暗たんとした部屋。

物音ひとつもしないので

不気味さはより一層増してくる。


 不意打ち

とかやめろよ?

 心臓に悪いものなどはとくに。


 して、危険を仲間同士で

話していたら。


パン、パン、パン!


「うん? 照明が点いていく」


 まるで私たちを最初から

待ち構えていたように、照明が点いていき

部屋が鮮明に見えていく。


「ふふ、よくぞ来たな待ち侘びたぞ」


「?」


 声のした先に視線を転じる。

 なんだと、その方向に。


 聞いたこともない声。

 やや野太いが誰だ。


 向いた矢先。


 巨大な二足歩行をした機械竜が

姿をみせた。


 なんだあれ。


 2本の三叉ある腕に

 背中についた翼は、機構な見た目を

しており。

翼というより、兼砲撃兵器の印象が強かった。


ドラゴンを模した竜頭も

口から高火力の攻撃でも可能かと

思わんばかりのものだった。


 でもあの機竜が喋っているのではなく

別のもの──コクピットで誰かが

操縦しているようだった。


「国の兵は機械兵でくたばる。

正直話にならんかった」


「うん、お前かまってちゃんか?」

「「う、うるさい! 別に構ってくれなどと

一言も‼︎」」


 わりと敵さんは話を

聞いてくれるようだった。


 いつ自分は戦うのだろうと

浮き足立つ気分でいたのかな。

でも予想以上に来なくて……。


はぁ。やっぱゲームバランスって大事だよね。


「それってあれじゃない? 愛理のいうゲームバランス的な」

「うん、そう。なんでも激ムズ要素

詰め込みすぎたから持て余したんじゃね?」


「なに? 人間はあれほどのギミックでもクリアできないということなのか‼︎」


 等の作った本人は大層驚いている

様子だった。

っていうかお前もロボットかよ。


「まあいい、ここまで来たからには

私が直々……」


あぁあまた、戦いが長丁場になりそうだな

と口任せに喋る相手の言葉を

目を細くして聞き入った。


(マンドクサっ‼︎)


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