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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
新・第2章 うさぎさん達、再始動イン大きな一帯へ
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238話 うさぎさんたち、機械軍と戦う その2

 目につけた草地。

 彼女がいぶかしげな表情で

そこを見つめる。


 どう見ても、周りに潜んでおり

保護色で、ごまかしているように見えた。


「あきらかに固ぇ。自然の物じゃないね、

これ」

「なんで2人ともわかるのよ。私なんて辛っきしよ」


 肩をくすめ呆然とする

ミヤリーに、清い声で応え。


「よく触ってみてください」

「触るったって、ただの草じゃない」


 催促されるように「いいから」と言われるがまま、仕方なしに目を伏せ

そこを撫でる。


「……たしかに、違和感? あるわね」


 半々で、いまだ納得していない

様子だった。


 気づけ。

 質感といい、

色がいかにも、作り物感出している

ニセモノだ。


「これが、ニセモノっていうのは半信半疑だけどそこまで気にすることかしら」


 用意周到。

 警戒することを

まず覚えてほしいのだが。

しても……

いや、絶対してくれないよな。教えたところで特攻からの棺桶行きは、もはやテンプレだし。というかどっちも一緒じゃね。


 ボケツ掘りたいならさっさと

掘りに行け。

 その後のことは、

私は知らん。


「なによまたそんな『こんなこともわかんねぇのか』みたいな顔をして」

「いい? 私はドジを作るための職業に入っている

そんなこと絶対ないからね!」


 汗を出して

余裕すら失っているが、

 図星突かれているのなら

正直に白状すればいいのに。


 お前にツンデレ属性なんぞ

似合わん。


「……まあお二人とも。喧嘩はそこまでしてくださいよ。それよりも」

「こういうものはだいたい、どこかに隠されていたりします……たとえば」


カ……チ。


 気のせいか。

 今、ミヤリーの足元で

微かな音が聞こえたような。


「足元とか」


\カチ/


「へ?」


 ミヤリーの足元から

なにやら、押し込むような

音がはっきりと聞こえた。


 フラグ立ったか?

今回は良い意味で。


「草木が、持ち上がって行きます!」

「なにアレなんかの秘密基地」

「お前……本当に」


 それは明らかに

シェルター。

 奥へと続いていそうな、その空間は。

押したボタンの、作動とともに

姿を露わとさせた。


「あの怒らないで? なに吊り上げた顔

してんの。こここ、怖いわよ」

「あわりぃ、お前の運って

良いのか悪いのかが

わからなくなっていただけ」

「それ皮肉ってる? たまたま真下にあった

だけよ」


「ってみんな?」

「付き合ってられん、

さっさと行くぞ。お先」

「ちょっと愛理、こういうのは最後まで聞くのがスジってもんじゃないの?」


泣きベソをかく棺桶女を

置いていくように、先へと歩く。


「……ミヤリーさん、善は急げ

ですヨ」

「スーちゃんまでぇぇ。みんな置いていかないでぇぇ〰︎〰︎!」

「ボッチはいやよぉぉ」


 はあ。

 黄色い声を出す

ミヤリーは、泣きながら私たち

私の腰に抱きついてくる。


「ちょお前! 自爆とかしないよね大丈夫だよね⁉︎ ていうか離せ歩けねえから!」

「ぐえぇえぇぇぇ! わだぢがわりゅがっだよぉぉぉおお‼︎」


 引きずりながらも

奥へと進む。

 嫌々と、死んだ魚の顔をしながら。


「……愛理さん、顔がハーデスにでも呪いかけられたかのように、目の色変わっていますよ」

「これは呆れて、ウンザリしている時の顔だよスーちゃん」


 奥へと進んだ。

 あのもう帰っていいスカ?



 ☾ ☾ ☾



 中を歩くとそこは、鉄の壁床が続いていた。

 頑丈そうな道の路傍には、

物騒な機械もある。


「深いな」

「十字路が多いですし、迷ってきますよね」



 少しマップの機能使ってみるか。

 私の方向音痴云々はさておき、

迷ったら元の子もない。


 こういうのは、

足元が明るい内に、手を打っておくべきだ。


 マップを起動させて、現在地を把握。

 周囲を確認してみるが、赤い点が密集している

ところは見当たらない。


【AI:敵の気配ありませんね、視野もう少し広げてみます?】


 いやいいよ。

 あらまし確認できれば、

オッケー


的な? 


【AI:なんですかそれ、愛理さんのマイスタイルってことですか? 承知】


 うん、そんなところ。


……って

 だいぶ感性が豊かになってきてません

AIさん⁉︎


 そっけない返事が返ってくる。


【AI:きっときのせーデスヨ】

【AI:まあ愛理さんも、レベル上がってきた

ことですし、それに同調するようにして

私も成長しているかもしれませんね】


 だが詳しいことは相変わらず

言ってくれない。


 謎めいている存在ですよ、

と抜かすばかりの言動は、やや威張り気味。

に見えなくも。うん、わからん閉廷。


 視点を戻して、みんなのほうを見る。


「現状、敵は近くにいないみたいだった」

「ならよかったけど、アンタどうしてわかるのよ」

「それは()()()ってことで言わない」

「んもう、またそうやって焦らすぅ」


 さっきまで、泣いて抱きついてきたのは

どこのヤツだよ。

 自然と立ち直っているのは、なぁぜなぁぜ?

 つーか小突くなお前!


 やたらと半目イキリ顔をしているのが、

無性に腹立つが。


(あぁくそぶん殴りてぇ〰︎〰︎ッ‼︎)

(あとUZEEEEEEEE!)


 ひとまず歩こう。

でも、本当に大丈夫だろうか。


 カラクリがたくさん仕掛けてあったり。

 そんなことはないか。


 どうか旗が立ちませんようにっ‼︎


「にしても大空洞だなぁ、どこまで続いてるんだろ」


 歩いていると閉まっている個室

のような扉もあり。


「んぎぎぎぎぎ‼︎ ダメです、ビクともしません」

「えシホさんの力でもダメな感じ?」


 まさか彼女の力でも

動かない扉があるだなんて、これは想定外。


「ラビットパンチ」


 これでも一切通用しない。

 どんな強固さあるんだよ、

まるで歯が立たないんだが。


「仕方ない奥へ進むか」


 こんなセキュリティ高めの場所に

機械軍とかいう連中がいるみたいだが。


「……ストップ」


 重々しい音がした。

 ふと、死角となる壁に身を寄せ

尻目で様子を見る。


 ガチャン、ガチャン。


 機械の足音。


「あれは」


 2体の警備ロボットがいた。

互いに、逆方向に平行で

歩いている。


 幸いこっちまでは歩いて来ない。

 近くまで接近はするものの、

引き返して巡回、巡回と。


「なんで警備ロボいるんだよ」

「……それは基地ですから当然でしょう、いないほうが不自然なのでは」


 それもそうだけれども!


「ですよねー、そんな簡単に行くわけないっか」


 防犯センサーを双方取り付けて

いるが、闇雲に突っ込んだら敵の餌食だな。

 まずはあのセンサーを破壊して

突破する必要がある。


 取るべき行動は。

 私だけだと、物騒な音を立てかねない。

かといって、ミヤリーやシホさんだと

さらに厄介なことになりそうだし。


 適任はスーちゃんだ。

頼んでみよう。


「ねぇスーちゃん行ける?」


 パーティ唯一の魔法使いに。

私は頼み込むことにした。


「……お任せを。やってみます」


 すんなりと彼女は引き受ける。

前に立つと、愛用の杖を持ち身構え。


「……タイミングを見計らわないといけませんかね、これは」


 鋭い目付きで、2体を観察し始めた

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