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留年になったので異世界生活することにしました  作者: 萌えがみ
第7章 うさぎさん達、外海旅行に赴きます

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81話 うさぎさん達と変わったやつら その2

【僕の考えたなんちゃらは理由はどうあれ実質最強だと思う】


 この世界は色々と設定的に狂っていることを改めて実感した私は。

 熟考しながら次の目的地である、武器の盛んな街へと歩みを進めていた。


 はて。

 武器の街とは一体どんな場所なのか。

 頭のイメージ的には。


 豊富な武器がたくさん並んだ街、あとは中央辺りに巨大なコロシアム即ち闘技場になる施設がありそうだが。

 スーちゃんが先ほどあるとかなんとか言っていたけど、どれぐらいの実力を持った冒険者達がその街に集っているか少々気になり。


「……ここをあと数時間ほど歩けば着けると思いますよ。えぇと」


 手に持つ中大陸の地図を見ながら、スーちゃんが私達に説明してくれる。

 向こうを見渡すと、巨大な岩山がそびえ立っている。

 ごつごつとして尖った形状が特徴的で、近くにいけばもうちょっと大きく見えそうなスケールであった。

 まさかさ、あの山道を抜けないといけないと言い出すんじゃないでしょうね?


「愛理、顔が青ざめているわよ? 消化の悪いものでも食べた?」

「うるせえ食べてないから」


 隣からまたKY(空気読めない)ミヤリーが問いかけてくる。

 腹壊すようなものなんて食べていないって。

 私を何だと思っているのかなミヤリー。


 雑色系の亀かと勘違いしてないかねちみ。

 私はこう見えてもちゃんとしたちゃんと食べるからね。……その場に生えている雑草なんて汚いから絶対に食べないから。


「そう? 危険なものは食べちゃいけないわよ気をつけなさい」


 そんなこと分かっているって。

 お前は私の母親かとダメ出しでもしたいような気分。


「お二人共、先はまだ長いんですから喧嘩はよくありませんよ」


 後ろからシホさんが正論を論破。

 シホさん頭では分かっているんだ。

 いるんだけどもミヤリーの一言一言が、私の耳には文句を言っているように聞こえてしまうからこればかりは仕方ないんだ。

 まあ気遣ってくれているのはわかるんだけど、そこまで私は過保護されるぐらいアホじゃない。


「ありがとうシホさん、気をつけるよ」


 一拍おいてミヤリーも黙然としたあとに。そっぽを向いて片方の頬を膨らませると知り顔をし。


「そ、そうねシホの言うとおりね、今のはその、念には念を入れただけよ」


 余計なお世話だよミヤリー。

 まあそんなミヤリーの不要な心配を聞けたところで。


「……それで愛理さん、どうしてそんな浮かない顔しているんですか? やはりミヤリーさんがいっているように昨日変な物食べました?」


 スーちゃんあなたもか。

 不安がるような顔しないでもらえます? ほらミヤリーお前が余計なこと言ったせいでスーちゃんが私を訝しんでいるじゃあないか! ……あのさだからそんないつまで経っても働いてくれない息子を母親が心配そうに見る顔するのやめてくれよスーちゃん。


「いやいや何か勘違いしているよ? ……あの面倒くさそうな山抜けないといけないのかなあって。そう考えると時間かかりそうでなんかいやだなあって」


 堂々と正直に白状する。


「……あぁそんなことでしたか」


 大したことではない。

 そんな素振りを見せたスーちゃんは、くすくすと愛嬌のある笑いをしながら答えてくれる。


「心配いりませんよ、あそこはモンスター1匹も出てこないトンネルになっていますから。数十年前開通工事が行われて行き来が簡単にできる場所になっていますから大丈夫ですよ」


 ま、まじで?

 じゃあエンカウントなんか気にせず、そこに繋がる通路を突き進むことができるってわけか。

 心配して損したな。


「……でも開通前はとんでもない化け物モンスターが出ていたんだとか。あくまでも噂程度ですが」


 何それ怖い。

 都市伝説並にそんな情報が出回っているわけ?

 ソースが気になるところではあるが。


「……今の時間帯なら夕方ぐらいにはつけると思います、この道中色んなモンスターも出てきますから注意しながら進みましょう」


 スーちゃんはみんなに注意を促し率先し先へ進む。

 色んなモンスターか。

 インチキモンスターや、インフレが加速しそうなモンスターじゃない限りは私は動じないが大丈夫かね?


☾ ☾ ☾


 歩いていると数本の木々が微かに揺れた。


ワサワサ。


 木から木へと飛び移る、俊敏さ漂う物陰。

 私のパーカーがその音を感知。

 気がついていないみんなに、警告を知らせるように私はその場で立ち止まる。


「みんな何かいるよ」


 私の言葉を信じ、みんなは辺りを見回し始める。

 怪しいのは木の樹頭。

 肉眼では見えないスピードで、何かが私達を監視しているみたいだった。


 なんか忍者みたいだなやり方がさ。

 目を瞑ってマップ機能を起動させ、敵の位置を確認。

 すると、木の位置に高速で移動する赤い点が1つ。


 どうやら私の予想は当たっていたようだ。

 忍者か、はたまた素早い系のモンスターか。

 その正体は分からないけど、取り敢えず狙い撃ってみるか。


 再び目を開きラビット・ライフルを取り出す。

 片目を照準器に合わせる。背筋をやや曲げて姿勢を整えた。


「まずは狙い撃ってみるよ。殴り込むのもいいかもしれないけど敵がどんなのか分かんないからさここは」


 見えない相手を闇雲に攻撃するのは少々自殺行為だ。

 ゲームあるあるの死亡フラグが立つかも知れないので、ここは慎重に敵を狙い撃つことにした。


 因みに何度も言うようだけど、愛理さんは決してチキンプレイをしているわけではないからな。

 正々堂々とプレイする廃人ゲーマーですはい。


「……あの目で追いきれないほどの速さ。私の魔法でも捉えることができません愛理さんできますか?」


 後ろにいるシホさんが私に代わって答えてくれる。


「スーさん案ずることはないですよ。愛理さんならきっとやってくれます」


 やはりシホさんは頼りがいのある、心強い仲間だなぁ(空腹は除いて)

 でもどうしたものか。

 あの素早さ、照準を合わせようにもピントが全然合わない。それくらい素早い速度で移動しているのだ。


 すばやっしっこいヤツだな。安定させて撃ち落とすにはどうした方がいいだろうか。

 俊敏に移動する相手の足音を聞きながら私は考えた。

 確実に撃ち落とすその方法を。

 そしてある方法を思いつく。


 ……。


 ……。



 先読みして撃てばいいんじゃね。

 と。




 うまくいくか分からないけど、今はそれしかないよね。

 数弾。


 3発ほど威嚇射撃する。


 スパン!スパン!スパン!


 撃った弾は、木の枝を破壊しその反動によってこだました音が反響する。

 多少その数弾の音で怯んだ相手は少し速度が緩み出す。……あれは黒い物体?


 その刹那。

 次の木に飛び移ろうとした瞬間。

 標的をしっかりと捉えた私のラビット・ライフルが敵を。


「逃がすかよってんだ!」


ブシューン!!


 歯応えのある敵を射貫いた音。

 その物体は木の上から落下する。近づくとそのシルエットを明確に確認でき、ようやく物体の姿を目で捉えることができた。

 してその正体は。


「何じゃコイツ」


 かつてない強敵。


 と思った。


 だがその姿を見て、思わず失望。次第に表情が沈んでいく。……死んだ魚のような目みたいに。

 そのモンスターは起き上がり、後退り身構える。

 シホさん達も私の近くまで近づいて敵を確認。


「愛理さん大丈夫ですか…………? 黒い棒の形をしたモンスターですが」


 一同言葉を失い黙りこくった。

 シホさんも若干なんぞこれって顔しているけど、それはこっちのセリフだよ。いやなんだよこいつはよぉ。


 私が撃ち落としたその敵。

 その敵の正体は。


「な、なんでこんなヤツがいるんだよ ここ異世界ですよね」


 撃ち落としたその敵の正体。

 それは明らかに。


 私でも、現代っ子なら誰でも知っている。

 棒人間だった。


「なんで棒人間がいるんだよおおおおおおおおお!」


☾ ☾ ☾


 そういえば昔。


 ゲームで、よく棒人間が戦う動画見ていた気がする。

 とんでもない武器を次から次へと使用し、敵を一方的に追い詰める動画。


 あれは何度見ても飽きない品物であった。


 ときに棒人間のバトルはカオスで。

 ときに支離滅裂で。

 とにかくあたおか。


 の3拍子が揃った非常に見どころのある大人気動画であった。

 サ終したときは非常に悲しかったが、個人的にはとても楽しめたな。


 ……。


 なぜこういう話題を振ったかというと。

 今その目の前に。

 その通称人類最強の生物、棒人間が目の前にいる。


「なに、この黒い棒のついた生物は」


 瞠目するミヤリー。


「ええとコイツは棒人間ってヤツ……多分」


 まあ私の知っている棒人間と同一か分からんけどそのまんま。

 大きさはというと、私達と同じくらいの座高をしており頭部は真っ黒な大円。

 体はというと、rkgk(らくがき)で書いたような見た目をしており、細い棒で繋いであるだけ。


 誰がどう見ても棒人間じゃんしかも等身大サイズ。

 等身大サイズの棒人間ってなんぞや。

 とりま図鑑を起動させて確認しよっと。


【棒人間 説明:真っ黒の丸い顔を持った線状の体をしたモンスター。戦闘力がずば抜けて高く非常に高性能。カラーバリエーションが色々ある。因みに体がもげてもくっつけることで完全再生する】


 は?


 棒人間の方を見る。


「…………! …………」


 もげた棒の一部を欠損した部分に密着。


「え、それまさかの着脱式かよ!」


 すると密着させた棒が、棒人間の体に吸い込まれるように吸い寄せられくっ付いた。

 くっ付いた部分をぐるぐると回し運動をする棒人間。


「もげた部分がくっ付きましたよ愛理さん」

「こらシホさん、そういうことこの小説じゃ言っちゃダメだから!」


 メタ発言を自重するよう言う私に棒人間は。


「!」


 黒棒を生成して、それを近代的な巨大バズーカへと形を変えた。


「は、反則だろ! み、みんなよけろおおおおおお!」


 四方に散らばるみんな。

 しかし話が飲み込めていないミヤリーは「へ?」と言いながら棒人間の方を振り向いた。

 あ、今回のお約束パターンですねわかります。


「!」


 棒人間が撃ったバズーカの弾がミヤリーへと直撃。

 ズドーンの爆音。


 煙が収まるとクレーターの上で這いつくばるミヤリーの姿が。

 ミヤリー無茶しやがって。


「ぐぐぐっ! 不覚だったわ でも大丈夫持ち物のお陰でHPは1残るゥッ!」


 持ち物の効力によってHPは1残るが、ミヤリーは風前の灯火であった。

 強調して力んだ口調になっているがかっこつけているところがまたミヤリーっぽい。

 がくがく震えながら起き上がろうとしているが。


「は、反則よ! でもかかったわねこれなら思う存分戦えるわ」


 あ、そうか。

 ミヤリーにはあの力があったな。

 確か厨二っぽい技名だった気が。

 ミヤリーは力を蓄え始め、紫色に発光し最強モードへと覚醒した。


「九死(リターン)乱狂醒(オブソウル)!」


 そうそう確かそんな名前だったよね。

 ってなんで知っているんだあいつ。


「ミヤリーさん、なんか雰囲気がらりと変わりましたけどあれなんですか?」


 隣からシホさんが肩を叩いてきて訪ねてくる痛い。

 そういや前回他の2人いなかったね。


「ええとね、彼女いわく新しい能力だよ。と言ってもピンチなときにしか使えないぶっ壊れた性能をした力だけどね」


 たしかあの技、自分がピンチならピンチなほど能力が上がるとかいうインチキ能力だったはず。

 どれどれ能力は。


 ……。


 測定不可っと。

 案の定、能力を正確に測定をすることはできず見事に数値がバグりました。




HP1


攻撃力 えgぢごべべ


防御力 ででででfあう゛かg




 と連なるように。

 それで通称最強モードミヤリーはその棒人間相手に戦うわけだが。

 最強の棒人間vs最強となったミヤリーか。

 面白い。


「……見物もいいかもしれないですけど、加勢に行った方がいいのでは」

「せやなスーちゃん」

「では私達も参りましょうか」


 こうして私達と棒人間の過酷で過激な戦いの火蓋が切られるのだった。

 またカオスな戦いになりそうだな。

お盆休み最後の夜ですがこんばんは。

先週の金曜日はまたしても疲れ果て出せずいられたのですみません。

それにしてもお盆と言えども暑かったですね。

まあ私の地元は雨降りの日もあったので、毎日炎天下を味わったわけではないのですが。

さて、今回は突然愛理達の目の前に現れた棒人間さんとの戦闘です。

見た目はみなさんがよくみるようなあの棒人間のイメージで大丈夫です。

後編の戦いは明日書きますが、色々と雑魚モンスターでありながら超最強な設定のモンスターですよ。

うさぎさん達の棒人間果たしてどちらが上か、結果は明日出す話のお楽しみということで。

それではみなさん今日も読んでくださりありがとうございます、ブクマ等はお任せしますのでこれからもよろしくお願いしますではでは。

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