表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。

実現不可能な夢を追い掛けてはいませんか?

作者: 行世長旅

 できないことは、素直に諦めたほうがいいですよ。



 こういった後ろ向きな発言をしますと、「努力が足りないだけだ」「本気で取り組んでないだけだ」という意見を持つ方が出ると思います。

 なので今回は、「本当に不可能なこと」に限定してお話させてもらいます。

 「努力しても不可能」「本気を出しても不可能」といった、心情面ではなく理屈で不可能のことの諦め方を紹介します。


 まず、夢には叶えられることと叶えられないことがあります。

 プロ野球選手になりたい、パイロットになりたい、売れっ子作家になりたい、美女やお金持ちの男性と結婚したい。夢には様々なものがあります。


 ここでまず、大きな罠があります。

 それは、他人が叶えているからといって自分も叶えられるとは限らない、です。


 上記の不可能の定義で当てはめますと、叶えている人がいるから不可能ではない。と思う方もいるかもしれませんね。


 とはいえ、他人は他人、自分は自分なんです。


 分かりやすく説明するために、プロ野球選手を例にお話ししましょう。


 プロ野球選手は、人間ですよね。だから同じ人間である自分も当然、プロ野球選手になれる可能性を秘めている。

 そう考えるのは分かります。


 しかし、少しばかり安直です。


 プロ野球選手がプロ野球選手になれたのは、プロ野球選手になれる要素を持ち合わせていたからです。健全な肉体、へこたれない精神、練習に取り組める環境等々、それらの要素が、プロ野球選手になれるほどの高い水準で持ち合わせていたからなのです。


 逆説的に、高い要素を持ち合わせていない人はプロ野球選手になれません。

 不健全な肉体、挫けやすい精神、悪辣な練習環境等々、マイナス点はいくつもあります。


 ここでまた、「多少のマイナスをはね飛ばすほどの努力してプロ野球選手になった人はいっぱいいる!」という意見がでることでしょう。


 残念ですが、その方達は「多少のマイナスを補える別の要素が特化していただけ」なのです。

 肉体面が劣っていても精神力で。精神力が劣っていても練習環境で。練習環境が劣っていても肉体面で。不足を補えたからこそ、プロ野球選手になれたのです。


 だから同じ人間である私達も、不足を補えば同じ位置に立てる。と、そう勘違いします。


 不足分を補うというのは、口にするほど簡単ではありません。他人ならば充分とされるラインを超えて、更なるプラス部分を必要とするのです。


 よく、才能不足を努力でカバーすると言いますが、プロ野球選手はあなた以上に努力しています。それを努力で追い越すには、どれ程の苦難を乗り越えればいいのでしょうか。


 練習時間すらも満足に取れないなら、素直に諦めましょう。


 さらにもう一件のお話しをしましょう。 


 できないことを成し遂げたと言えば、人間が空を飛べるようになったのは有名過ぎるお話しですよね。

 人間は飛べない→だから断念する。ではなく、人間は飛べない→じゃあどうすれば飛べるようになるのか→飛ぶための機械を作ろう。

 そういった発想の飛躍と努力により、飛行は現実のものとなりました。


 ここで、私の話の矛盾に気が付く人もいるかと思います。

 そう、私はできないことは諦めたほうが言いと言いつつも、できないことを成し遂げた事例は世界にたくさんあります。


 しかし、それは見方が違うだけなのです。


 それまで空を飛べないと思われていたのは、空を飛ぶ方法を見つけられなかったから、です。

 「できない」ことではなく、「できる方法を見落としていた」こと、だったのです。


 後出しの証明になりますが、人間は空を飛べます。正確には、機械という外付けの力を使って飛べるようになります。


 なので、夢が本当に叶えられないのか、今一度確認してみるのもいいかもしれないですね。


 それでもなお見つからないのならば、見つける能力が無い、と諦めましょう。


 できないことは諦めましょう。できるようにするための方法も見つからないのなら諦めましょう。

 諦めて叶う夢を追いかけたほうが、必ず自分に満足できます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ