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あっちゃんとテルテル坊主
道端のお花さんがお空に浮かぶ雨雲さんに言いました。
「雨雲さん、ちょっと喉が渇いたんだ。雨を降らしてくれないか?」
「いやいや、今日はだめなんだ。明日じゃダメかい?」
「どうしてだい?」
「それはね・・・。」
あっちゃんは明日の運動会のため、テルテル坊主を作ります。
一つはお庭の物干しに。もう一つはあっちゃんの部屋の窓枠に。
「明日はおばあちゃんが運動会に来てくれるんだって。だから、絶対、晴れますように。」
テルテル坊主がつられて、笑います。
「そうか。それなら、しょうがないね。」
道端のお花さんは雨雲さんに手を振って。
「じゃあ、また、明日。」
「うん、また、明日。」
運動会はもちろん晴れです。
雨雲さんも。
道端のお花さんも。
テルテル坊主もあっちゃんを応援中。
おばあちゃんがおいなりさんをもって、駆けつけて。
あっちゃんはかけっこで1等賞。
明日は雨が降りますけど・・・。
【了】