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パチンコ氷河期
「クソッ! クソッ! クソッ!」
30歳のフリーター、君島剛はまるで嗚咽のような後悔の声を発しながら、駅前のパチンコ屋を出た。
またしても負け。開店の午前10時から今しがた陽が落ち始めた午後4時半で、6万5千円の負け。
パチンコの出玉規制により、マイルドな出玉推移の台で勝負したことを考えると、なかなかの大敗である。
「なんで俺にそんなことばっかり起こるんだよ! おかしいだろ!」
彼の言うそんなこととは、朝から打っていた台でオカマを掘られたこと。
つまり、自分が止めた台で後任者にすぐ出されてしまったということ。
自分が時間を掛けて投資した狙い台を見切った瞬間、まるでハイエナのようにやってきた打ち手に投資した分の出玉を簡単に出されてしまった。
パチンコ打ちにとって、これ以上の後悔は他にない。
まるで自分のお金を取られた感覚にすらなる。
しかもその後任者が、買い物ついでにふらっと現れた、濃化粧で寝巻き姿のような派手な格好をした年配の女性というのが、剛の後悔の念に旨味のスパイスを与えていた。




