夢力(DSP)査定-1
モルペウスと契約した広夢は胎夢と呼ばれる地へ旅立った。
しかしそこは思っていたのとは違う空間で……?
……何分が経つと着地する音が聞こえた。
「着いたよ。ここが胎夢」
「ここが夢の世界…本当に?」
疑うのも仕方ない。何故なら今いる場所は見たことも無い大樹のてっぺんなのだから。
「まぁ正確には入口なんだけどね。」
よく見ると【ようこそ夢幻世界へ】との看板がある。
「さてと、広夢くん。これからなんだけどね。まずここでDream Spirit Pointer. 略してDSPを計測するよ。」
「詳しくは聞かないけど、それはここでどんな働きを?」
「簡単にいうと戦闘力だね。戦う訳では無いんだけど、DSPが高いほうがこの世界では重宝されるんだ。
まずはDreampoint, 夢の適応力を計測しよう。」
トンっとモルペウスは俺の背中を押す。すると下の地面に穴が開く。
「ちょっと待て!まだ聞きたいことが山ほどたくさん……」
「それは後で!先に下で待ってるね〜!」
モルペウスの姿が遠くなっていく。
何も知らない世界で俺は1人下へと落ちていくのであった。
「ーーヒロ、ヒーロ!」
目を開けるとそこは昨日までと同じいつも通りの教室であり、前の席にいるキリが話しかけてきた。
「ん…?キリ…!?」
「ったく…寝てたのか?ほい、158ページの14行目。お前の番」
「あ、ああ。サンキュな」
キリに教えられたページを淡々と音読する。授業ではまだやっていない、今日初めてやる箇所だった。
(夢オチなのかな…まぁ最近疲れてたし)
その日は何も起きずいつも通りの学校生活だった。
放課後までは。