前へ目次 次へ 7/40 コインにお願い 若葉の風に誘われて付き合い始めの彼と緑地公園を散歩する。 暖かい日差し、二人で池の畔のベンチに腰をおろす。 でもドキドキして会話が続かない。 付き合い始めってぎこちないよね。 おもむろに、彼は財布から硬貨を取り出し池に投げた。 トレビの泉のつもりかしら? 「ねえ、何をお願いしたの?」 彼は爽やかな笑顔で、池の淵に立てかけてある看板を指さすと、きらめく茶髪の前髪を掻き上げる。 看板にはこうあった。 『鯉の餌100円』