前へ目次 次へ 27/40 節分の夜 節分の夜。 会社の帰りに繁華街を歩いていると、街角になまはげが立っていた。 僕は東北出身なので、包丁を持ってミノを着込んだ鬼を見かけ、懐かしさがこみ上げた。 「泣く子はいねぇ~かぁ? 悪い子はいね~かぁ?」 いたずらっ子だった子供の頃は、なまはげに連れて行かれはしないかとヒヤヒヤしたものだ。 僕はふらふら近づいた。 すると、なまはげが言った。 「お兄さん。いい娘、いますよ」 僕はとうとう、なまはげに連れていかれた。