前へ目次 次へ 21/40 評論破壊録ニヒャクジ 「この作品はご都合主義だ!」 利根川の鋭い評論に、静まる一同。 だが、 「フッ、この作品がそう見えたか?」 「そうだろうが!」 「……なら、お前がご都合主義なんだ」 物言わぬ小説を読み取る心理戦は、鏡をのぞき込むようなもの。 相手の心を読んでいたつもりが、自分ならどうするかという自己への問いかけとなり、気付けばただ自分の心をなぞっているだけ。 「つまり、この作品をそう見たお前の評論こそ、真のご都合主義なんだっ!」