前へ目次 次へ 2/40 兄カエル 朝。いつものように、 「お早う、お兄ちゃん」 と妹が起こしにきた。 でも目が点になっている。 「どうした?」と聞こうとして、声が出ない。 「お兄ちゃん。蛙になってるよ」 僕は自分の体を見下ろした。 パジャマの袖から突き出た手は、確かに緑色で水かきがついている。 「お母さーん! お兄ちゃんが蛙になっちゃったー」 妹は部屋を飛び出した。 「あら~? それは大変」 「そうでもないよ」 「どうして?」 「ケロっとしてるもの。蛙だけに」