8話 Meals and holidays and shopping~食事と休日と買い物~
昨日約束した通り、今日は朝からユイナと買い物だ。約束の時間になり待ち合わせの広場に行くと、そこにはユイナの姿があった。
「お待たせ、待った?」
「ううん、私もさっき来たばっかりだよ」
「それは良かった。じゃあ行こうか」
俺はユイナと一緒に街へと繰り出した。
このアルステラという町は、学園が城と変わらない大きさをしている分、町もとても大きい。イメージとしては、城下町みたいな感じだ。そんな大きい街で探している店は魔法道具店。
魔法道具店というのは、その名の通り魔法道具が売っている店だ。俺が探している魔道石はそこで売っており、ほかにも魔法武器や魔法道具などが売っている、とウィークが言っていた。
今は魔法道具店を探して歩いているがなかなか見つからない。そうして一時間ユイナと一緒に話しながら探していると、それらしき店を見つけた。
「ねえ、あそこに書いてある『ミロール魔法道具店』てところじゃないかな?」
それはカルケ語で書かれた看板があった。看板はピカピカとネオンのような物が光っていて、その光景は元の世界とほとんど変わらない。
「俺、本当に異世界に来たんだよな?」
誰にも聞こえない一人ごとが口から勝手に出てしまっていた。この世界に来てからの生活は、元の世界とほとんど変わらない。全く異世界に来た感じがしないんだよな。
他の事に気が取られつつも、店の中に入る。
店の中はいろんな道具や武器などが置いてあった。魔導石を探して店内を探していると、形や大きさが違う魔導石が置いてあった。
文字が読めないので近くにあった魔導石を手に取り、値段がわからなっかたのでユイナに聞いてみる。
「なあユイナ、これってどれくらいの値段なんだ?」
「これは125ミルスだね。こんなに安いのはあまりないよ」
「な…125ミルス‼︎」
あまりに高い値段なので思わず声が出てしまった。この世界のお金の単位はミルスといい、日本円にして1ミルス、300円ぐらいだ。つまり125ミルスは日本円にして37,500円ぐらいになる。
37,500円で安物なんてふざけている。高級ものになってくると一体幾らになってくるんだ?
そういえば魔法の授業で何個魔導石を割ったけ?
ーー確か16個ぐらい割った気がする。つまり一つあたり37,500円としても600,000円分壊した事になる。
ハイケル先生がきれたのもわかる。申し訳ない事をしたな…………
「カズト!ねえ、カズトってば!どうしたの、顔色が悪いよ?」
「いや、あまりにも高い値段でちょっと頭が真っ白になっただけだよ」
「それなら良いんだけど、それより何個買うの?」
「えーと、今手持ちが1000ミルスだから、7個ぐらいにしておくよ」
なぜこんな大金を持っているかというと、生活基盤を整えれるようにと、入学生には特別に支給された。こんなにあっても使わないので全て使い切りたかったが、これからの事も考え少し残しておく事にした。
その場にあった同じ値段の魔導石を7個手に取り、会計を済ませた。店を出るとお腹が減っている事に気がついた。よく考えるとお昼の時間になっていた事に今更気がついた。
「ちょうどいい時間帯だし、お昼一緒に食べに行かないか?」
「い、一緒に!いいの!もちろん一緒に行くよ!」
ユイナは興奮して答えてくれたが、まさかここまでの反応をしてくれるとは思わなっかた。喜んでくれてる分には、美味しそうな店に行きたいんだけどな……
そう思い少しぶらつくと、何処からかいい匂いが漂ってくる。匂いに誘われ歩いて行くと、カフェのようなオシャレな店があったのでそこの店に入る事にした。
「いらっしゃいませ!お二人様ですね、こちらのお席にどうぞ!」
席に着くと、メニューが渡されたが文字が読めないので適当に選ぶ事にした。
「じゃあ、これで」
「私はこのスペシャルサンドイッチでお願いします」
「かしこまりました、少々お待ちください」
ご飯が送られるまで少々時間があるらしいから、何かユイナと話さないと気まずくなる。何かいい話題はないか?そう考えると、いい話題が思いついた。
「なあ、ユイナってなんでこの学園に入学しようと思ったんだ?」
俺の質問に対してユイナは少し考えた素振りを見せた。少し時間を空けユイナは口を開く。
「まあ、いろいろあるんだけど……大きな要因としては小さい頃から騎士に憧れていたからかな。後、親と喧嘩をして家を飛び出してきたからっていう理由もあるね」
「ユイナが親と喧嘩なんてあんまり考えられないな。それに、喧嘩で家出をするなんて、だいぶな事だろう。なんで喧嘩したんだ?」
そう俺が質問するとユイナはとても困った顔をしていた。だが、何かを決心したかのように顔が真面目になり口が開く。
「実はね、私ーー」
「お客様様お待たせしました。ご注文のパンケーキセットとスペシャルサンドイッチです」
「ご飯が届いたし食事にしよっか」
ユイナが言いかけていた瞬間にご飯が送られてきた。まさか適当に指差しで選んだらパンケーキが送られてくるとは思わなっかた。
口に入れてみてると、程よいハチミツの甘さが広がった。あまりの美味しさに、フォークとナイフがどんどん進む。
食べ終わる頃にはユイナが言いかけていた事をすっかり忘れていた。
会計を済ませ店を出る時、ユイナが吐息をしていた事をカズトは気がついていなっかた。