7話 Achievements of midnight study and new problems~深夜勉強の成果と新しい問題~
なんとか一通り文字の読み方を教えてもらったが、なかなか理解できずに完全にいきずまっていた。
この世界で使われているカルケ語という言語は、日本語のように五十音からなっており一文字一文字を覚えるのに時間がかかる。なにせ見たこともない形を一つでも覚える作業は、一つだけでも骨が折れるのに、それを五十個となると一晩で覚えれるものではない。
文字を覚えている間に夜が明けたしまった。
自分の勉強に付き合えあせたウィークには悪いことをしてしまった。そう思いウィークの顔を見てみると、今にも死にそうな顔をしていた。
「だ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。キツイ訓練をした日に徹夜ぐらいなんてどおってことないよ」
そんな事を言っているが、顔にすべてが浮き出ている。これは全然大丈夫じゃない、むしろいつ倒れてもおかしくないぐらいの顔色をしている。
「いや、ホントにありがと!これからもよろしく頼む!」
「ドンと任せてよこんな事、どおってことないから。フフフ、ハハハハハ!」
「ハハハハハ……」
俺はウィークにつられ乾いた笑い声しか出せなっかた。何かねぎらってやらないといけない、心の中でそう決意した。
今日の魔法の授業は俺だけ自習だ。昨日の事もあり、俺も練習したいとは言えなく渋々本を読んでいる。
結局のところ、徹夜だけではカルケ語は覚えられなかった。そこでウィークにカルケ語一覧表を作ってもらい、カルケ語の横に平仮名を書いた。
それにより何とか本を読めるようになった。しかし読めるようになったとはいえ、いちいち調べるので時間がかかり順調に本は読めていない。
長い時間をかけ何とか読んでいた時、興味深いページがあった。そこに書かれていたこととは、『魔力操作の基礎』今、俺が知りたい事について書いていた。
『一般的に魔力操作は誰でもできます。しかし魔力操作ができない人は、自身にある多量の魔力をコントロールできていないからです。魔力は普通、自身が魔力を使っていくうちに増えていき、魔力操作もできていきます。ですが、たまに生まれながらに多量の魔力を宿した子供が生まれてくる事があります。
そのような子供は自身に宿している魔力を、操作する事が難しく、同世代と比べても魔力操作は難しいですが時間とともに魔力操作ができていくようになっていくのです』
つまり多量の魔力を与えられてこの世界にきた俺は、多量の魔力を宿して生まれてきた子供と同レベルという事か……時間をかければできるようになるのだろうが、いつまでかかるかわからないしそれまでずっと本を読んでおくのも嫌だ。だけどどうしたら魔法操作できるようになるんだろうか?そんな事を考えているとチャイムが鳴った。
「皆さん今日の授業はここまでですが、一つ大事な事が決まりました。一週間後に今授業でしている初級魔法のテストがあります。初級魔法なので全員できると思いますが、万が一不合格だったらできるようになるまで補習授業をしてもらいます。そして一年生の間に三回補習した人は留年なのできをつけてくださいね」
なんともまあ、ものすごい事が決まってしまった。一周間の間に魔力操作をできるようにならないと、大変な事になってしまう。メルス先生ならいらない仕事が増えたとかでキレそうだ。それだけはなんとかして避けたい。かといって一周間でどうやって魔力操作をできるようにすれば良いんだろうか?そんな事を考えながら食堂に向かうのであった。
「今日もいつもどうり素振り5000回だ!さあ、開始!」
スカード先生の開始とともに素振り5000回が始まった。食事の後の、剣術の授業はいつもと同じ通り素振り5000回だった。 素振りをしている間も魔力操作をどうするか考えていたが、全く思いつかなかった。頭をひねっていたら素振り5000回が終わっていた。いつもどうりまともに立てているのは俺とユイナと根暗そうな感じの男子だけだった。
本当にあの男子は誰なのうか?素振り5000回をして立っているとか、なかなか体を鍛えていないとできないと思うんだけどな。そう思うとユイナもなかなか鍛えているんだろうか?女子に君、鍛えてるなんて聞いたら失礼だしな……まず怖くて聞けない。そんな馬鹿な事を考えていると今日の剣術の授業は終わった。だがここでもある事が告げられる
「諸君、今までずっと素振りの授業しかしてこなっかたわけだがなんと!一周間後にテストが決まった。二人一組で模擬戦をしてもらう。対戦相手はこちらで決めるが負けてもペナルティとかはないから安心しろ。だが不正な事をしたら、減点するからな、注意するように!」
模擬戦か、入学試験以来だけど、本気で相手したら相手を怪我をさせそうだな。そこは気をつけないといけなな。しかしそうなってくると魔法のテストをどうするかだな。ウィークに魔力操作でも教えてもらおうか。また徹夜か……ウィークには悪いな。絶対何か労ってやらないといけない、そう心にしまったところ、スカード先生は何かを言っていた。
「言い忘れていたが、明日は休日だから授業はないぞ。それぞれ好きな事をすれば良いからな」
休日か、やりたい事は山ほどあるがその前に確認しておかないといけない事があった。
「なあウィーク、町にある店で魔導石を売っている店ってあるか?」
「別にある事にはあるけど……どうしてそんな事を聞くんだよ?」
「いや〜実はウィークに魔導石の買い物に付き合ってもらおうと思ったんだけど、かなわないか?」
「嫌だ!明日は朝から晩まで寝つずけると決めているんだ!悪いけど邪魔しないでくれるかな」
断られては仕方がない。他に買い物に付き合ってくれそうなやつはいないだろうか?そうだユイナだ!ユイナだったら付き合ってくれるかもしれない。そう思いユイナに声をかける。
「なあユイナ、明日って用事はあるか?」
「別にないけど、どうしたの?」
「実は買い物に付き合って欲しくてさ。別に良いか?」
「そ、それって二人きりだったりする?それだったら嬉しいんだけど……」
「もちろん二人きりだけどそれがどうしたんだ?やっぱり用事があるんだったら断ってくれて良いんだけど」
「用事なんてないよ!むしろ二人きりで買い物ができて嬉しいぐらいだよ」
赤い顔をしながらユイナは返事をしてくれた。これで明日から魔法の練習ができる。本当に明日が楽しみだ。
そんな事を考えているカズトはユイナの好意に全くきずいていなかったのである。