3話 Non-standard examination daily~企画外の受験日和~
インテリ系に見える試験管と、怖そうな顔をしている試験管に性別を追加しました。
門を通り抜けるとそこには見たこともないような大きさの城があった。
「なんだよこの大きさ…」
俺は驚きすぎてそれ以外思いつかなかった。見ただけでも高層ビルよりは高いのが断言できる、こんなにも大きくて意味があるのか?それともこの世界では当たり前なのか?
そんなことを考え、ボーとしている俺に対しユイナは俺の顔を覗き込んでいた。
「すごいよね、私も初めて来たときは度肝をぬかしちゃったんだよね」
どうやらこの世界でもこの大きさには驚くらしい。それに城が大きいだけあって、人の量が尋常じゃない。日本のスクランブル交差点ぐらいいの量がいそうだ。
「ところでカズトはこの後もしかして暇?もし良かったらアルステラ魔法騎士学園の入学試験に一緒に行ってみない?」
いきなりとんでもないことを言い出した。この後何をするか決めてなっかたけど、流石にいきなり過ぎるだろう。それに絶対、俺みたいなメンタル弱い奴には無理だろう。
(実際にメンタル弱いせいで自殺したんだし…)
ここは適当な理由を付けてごまかそうそう。
「俺、実はお金がなくてさ。絶対に入学金とか高いし、それに宿に泊まれるかどうかのお金しか持ってないからお断りさせてもらるよ。」
(よし、完璧に誤魔化せた。実際そうだし、流石にこれ以上は勧誘してこないだろう)
そう思い早くこの場から離れようとしていると
「それなら余計入学試験受けるべきだよ!入学できたら学費無料、学生寮があるから宿にとまらなくていいし毎月おこずかいもでるんだよ。さあ、一緒に行こう!」
まじか、なんでこんなに待遇がいいんだ。どうしよう、いい理由がおもいつかない。ていうか、そんな顔で見つめないで!何かないか?もう断れない!!
「う、うん一緒に行こうか。」
(俺のバカ野郎なんで断らないだ!)自分の失態を罵りつつ、会場に向かうのであった。
会場につくと沢山の人が見えた、ざっと見て2000人。俺が受かることは無いと思っていた所、一人の男が現われる。
「皆の者よく集まってくれた!私はエンカスト騎士団所属にして、アルステラ魔法騎士学園学園長シグルス・ラケルタである」
「シグルス・ラケルタってあの100匹のドラゴンに打ち勝ったていう英雄だ!」
周りからそんな声が聞こえてきた。
「なあユイナ、シグルス・ラケルタって誰なんだ?」
「シグルス・ラケルタを知らないの!あのドラゴンの丘の戦いで、1人で100匹のドラゴンを討伐した、生きる英雄だよ。誰でも知っているような有名な話だけど何でカズトは知らないの?」
そんな事言われても今日この世界に来たわけだし……俺はこの世界で生きられるのだろうか?
「ここに集まった者は皆、魔法騎士になる為になる為だろう。だが、皆の者覚悟はあるか?魔法騎士とは常に死と隣り合わせだ。覚悟がない者は今すぐこの場から立ち去るがいい」
どうしよう、ここに覚悟がない奴1人いますけど……本当はここから立ち去りたい。だけどここで立ち去れるような雰囲気じゃないし。これからどうすればいいんだ?
「誰も立ち去らないか、皆勇気があってよろしい。だが、勇気があっても実力が無ければ魔法騎士になる資格はない。ならば、試験にて実力を証明するがいい。今ここに第146回アルスレラ魔法騎士学園入学試験の開始をここに宣言する」
「「「「ウオオオオオ」」」」
今ここで第146回アルスレラ魔法騎士学園入学試験が開始したのであった。
まず最初に筆記テストがあった。俺は元の世界では、まあまあ成績が良い方だった。元の世界ではだ、俺はもちろんこの世界の文字がわからず、とても悲惨な結果になってしまった。ユイナ曰くとても簡単なテストだったそうだ。俺はこの世界ではバカ扱いされそうだ…
そして今は、魔力量測定の試験会場に来ている。
「順番に並んで魔力量測定魔導石に触れてください。魔力は倒れるまでは吸われないので安心してくださいね」
眼鏡をかけたインテリ系に見える女の試験管の説明が終わり次々と受験者が魔導石に触れていく。
「次、私だ行ってくるね。」
そう言い残しユイナは魔導石のある場所まで行き、魔導石に触れた。その瞬間、無色だった魔導石は色を変え赤色になった。
「魔力量5275・赤レベル。その年で赤レベル何て凄いですね!」
その瞬間会場がざわつき始める。
「おいマジか。入学試験で赤レベル何て普通あり得ないだろ」
「入学試験で赤レベル何て88の騎士団長ナタリア・ペルセウス以来、始めてじゃないか?」
そんな声が周りから聞こえる。どうやら凄い記録を出したらしい。
「お疲れ様ユイナ、凄い記録が出たみたいだな」
「ありがとうカズト。自分でもビックリしちゃってるよ。カズトももうすぐだし頑張ってね」
俺は励ましを貰い魔導石に向かった。魔導石を見ると水晶のように透明だった。
「では次の方、魔導石に触れてください」
俺は魔導石に手を触れた。その瞬間、無色だった魔導石が一瞬にして黒色になった。そして魔導石が小刻みに震え出し、魔導石が割れた。その瞬間会場が静まり返り、周りは目を見開いて驚いていた。しかし俺は、
「割れちゃった場合、弁償した方がいいんですかね〜」
とてつもなく焦っていた。いやだって割れるとも思わないし、それに俺にこんな魔力量ある訳……
そういや謎の女が言っていたよな
『身体能力強化・全魔法適性・魔力量上限解放の力を与えましょう』
アレってこういゆ事だったのか。しかし、ユイナで騒がれたら俺はどうなってしまうんだ。
「魔力量測定不可能、黒レベル以上!!」
「「「「ウオオオオオオオオ」」」」
その瞬間会場が沸き立った。俺はこうして、とてつもなく目立ちながら会場を後にした。
「最終試験は模擬戦を行う。相手は学園が決めるので呼ばれるまでは待っておくように」
いかにも怖そうな顔をしている男の試験管が説明してくれていた。模擬戦は流石に勝てないと昔の俺ならそう思っただろう。しかし俺は殴っただけで、相手を宙に浮かすぐらいの筋力を得てしまっている。
だが、そんな事をしてしっまたら目立ってしまう。さっきのだけでも、とても目立ってしっまているのにこれ以上は目立ちたくない。なのでわざと負ける事にした。
「受験者ユイナ、受験者ウィーク、模擬戦を開始するのでフィールド内に入れ」
「呼ばれたから行ってくるね」
そう言い残しフィールド内に入っていった。フィールドは直径30メートルぐらいの円だった。そしてユイナは木剣を手にし、開始の合図で相手を倒していた。ユイナに倒されたウィークとか言う奴は可愛いそうに。周りの受験者も哀れみの目線をおくっていた。そしてユイナはニッコリしながら別の部屋に入っていった。
俺は自分の番を待ちつずけ最後の模擬戦に呼ばれた。
「受験者イガラシ カズト、受験者スロータス・ラウター、フィールド内に入れ」
そして俺の最終試験が始まろうとしていた。