2話 A new life when to begin~新しい人生を始めるとき~
あまりにも酷かったので書き直しましたのパート2
「あなたには・・・・と、身体能力強化・全魔法適性・魔力量上限解放の力を与えましょう」
(何を言っているんだこいつ)
目の前に見える女性に対して疑問を浮かべる。
「願わくは・・・・をしてくれる事を期待しましょう。」
何を言っているか聞き取れない。
途切れそうな意識の中ふと思う、
こいつの名前はなんと言うのか。
考えたら口が勝手に開いていた。
「お前の……名前はなんて言うんだ。」
目の前の女性は少し考え
「私の名前は・・・・・。あなたをこの世界に呼び寄せたものです。では、2度目の人生を楽しんでくださいね」
目の前の女性は微笑み俺の近くにより、俺の頭に手を置く。
その瞬間、俺の意識は完全に途切れた。
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目がさめると、目の前には草原が広がっていた。
「ここはどこだ?」
いきなり草原にいる自分に対して疑問に思う。
「確かビルから落ちて……ちょっと待て、何で俺は生きているんだ?」
確か俺はビルから飛び降りて死んだはずじゃ……
そういやさっき謎の女性に会っていたよな。それで何か言っていたような……
『2度目の人生を楽しんでくださいね』
まさか2度目の人生を楽しめって
「もしかして俺、生きかえったて事か?」
そんな事ありえるのか?だけど、実際いきなり草原にいるわけだし……
『あなたをこの世界に呼び寄せたものです。』
それにこの世界に呼び寄せたとも言っていた。
ていうか、呼び寄せた?どういう事だ⁇
だめだ、状況が全く分からない。
「あーもう!とりあえず一旦落ち着こう。」
取り敢えず、一旦落ち着いてあの現状を考えてみる。
1ビルから飛び降りる→2死んだ?→3謎の女性に出会う→4身体能力強化・全魔法適性・魔力量上限解放の力を与えられる(一個謎)→5謎の女性の『あなたをこの世界に呼び寄せたものです。では、2度目の人生を楽しんでくださいね。』という謎発言→6目が覚めると草原→7今に至る
うん、訳がわからん。
だが、もう一度落ち着いて考えてみるとあることに気がつく。
『この世界に呼び寄せた』
つまりこの世界は、
「俺が住んでいた世界と違う?」
そう考えると辻褄があう。
そして謎の女性は魔法というワードを出していたが、俺の住んでいた世界と違うということは、魔法という概念があってもおかしくはない。
考えてるだけでも何も始まらない、取り敢えずこの場から動く事にした。
「さて、どちらに行くとするか?」
草原を見渡すと整備されている道が見つけられたので、道沿いに進む事にした。
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行動を開始してから体感では3時間ほど経っていた。
歩き続けた結果としては、誰1人とも出会わず一人旅という状況に陥ってしまった。
「もし、何にもない世界だったらどうしたらいいのやら」
独り言を呟きながら歩いていると、遠くから何かの音が聞こえる。
すぐさま音が聞こえた方に向かうと、1人の女の子を10人ぐらいの男達が囲むという修羅場になっていた。
良く見ると女の子も男達も剣を携えている。
「これはどうすればいいのやら…」
こういう場合は助けにいったほうがいいのか?
だけど、俺めちゃくちゃ喧嘩弱いし、剣なんて持っている相手にどうこうできる自信がない。
考えている間に戦闘が発生してしまった。
俺は固唾を飲んでその場を見守る事しかできない。
その事を歯痒く思っていると、女の子は相手のふところに潜り込み下から上えと剣を振り上げる。
その瞬間、男の1人が鮮血をあげながら倒れていた。
「まじか、人が死んだ……?」
目の前光景をなかなか受け入れられない。
それは男達も同じようで、仲間が殺された光景を信じられないかという目線で向けている。
女の子はその隙を見逃さない。
さらに男達を一人二人と斬りつける。
しかし女の子が優勢と思われたが、男達の1人が捨て身のタックルを放ち少女を押し倒す。
そして剣を下に突きつけようとしていた。
俺はどうすればいい。
喧嘩した事はある、だけどその時はボコボコにされて負けた。それに今は空いては刃物まで持っている。
勝てるわけがない。
そんな事を考えていてもなぜか走っていた。
何で体が勝手に動いるのかわからない。
ここから女の子まで10メートルは離れている。
間に合う訳無いと分かっていても体は勝手に動く。
もう間に合わないと思われた刹那、体は
一歩、力を入れて前へ踏み出し、
二歩、男達の一人の真下に入り込み、
三歩、もう一度足を踏み出し、その勢いで、
天に拳を穿つ。
瞬間「ゴキ」という音が鳴り、男は宙に浮いていた。
殴られた男は力無く地面に一回、二回とバウンドする。
一瞬の出来事に女の子も男達も思考の判断が追いつかない。
周りが呆気にとられているのを見逃すわけがない。
さらに殴る、殴る、殴る、
男達は次々と殴られていく。
そして一瞬にして男達は倒れ伏していた。
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「大丈夫か?」
倒れ伏している女の子に手を差し出す。
「大丈夫、助けてくれてありがとう。」
女の子は俺の手を握りその場に立つ。
「どこか怪我はないか?」
声をかけながら、目の前の少女を見てみる。
金髪で目が青い、とても可愛い女の子だった。テレビとかで外国人タレントとして出ていても、おかしくない高貴な雰囲気を醸し出していた。
「おかげさまで、なんとか大丈夫。それよりもさっきは助けてくれてありがとう。」
目の前の女の子は何故か顔が赤く、少し目をそらして俺を見ていた。
「顔が赤いが大丈夫か?やっぱりどこか怪我してるんじゃ」
「全然、全然大丈夫。うん、全然大丈夫だから心配しないで!!」
なぜか少し怒られてしまった。
「大丈夫なら全然良いんだけどさ。君、名前は何て言うんだ。」
「私の名前はユイナ。あなたの名前は?」
「俺の名前は五十嵐和人、よろしくな。」
「カズトってあまり聞かない名前だね?カズトってどこ出身の人なの?」
なんて答えればいいんだ?
「別世界から来ました」なんて言ってしまったら、何言ってんだこいつみたいな事を思われてしまう。
かといって適当な嘘を言うのも気が引ける。
ここは正直に答えるべきだろうか?
うん、嘘はいけない事だ。ここは正直に答えるとしよう。
「あんまり聞いた事が無いだろうけど、日本という国からやって来たんだ」
「そうなんだ、聞いたこともない国だけど実在しそうだね」
「なんでそう思うんだ?」
「だってカズトって貴族の家の人でしょ?」
貴族?
ヨーロッパで使われているあの貴族だよな。なんで行きなりそんな結論に至るんだ?
俺の家庭は少し特殊だけどバリバリの一般家庭なだぞ。
「なんで貴族だって思うんだ?」
「だって姓がある人ってだいたい貴族だし、それに服装が一般家庭の物じゃないもん」
「そういうものなのか?」
「そういうものなのです」
この世界は姓があるほうが珍しいらしい。そうなるとユイナは一般人なのか。
そんな事より大事な事を忘れているような……
「そうだ!襲って来てた奴はどうするんだ?」
「取り敢えず、死亡確認からかな」
俺とユイナは倒れ伏している男達を一人一人確認していく。
ユイナに斬られていた男達はもちろんの如く死んでいた。
さらに見ていくと、俺が初めに殴った男は首がへし折れている。
つまり俺はーー
生まれて初めて人を殺した。
それなのに、あまり心が震えない。
普通だったら人を殺した罪悪感がこみ上げて来てもおかしくないこの状況、それでも心が震えない。
それは多分一度死んだ事があるから言える。
ーー人の死は、動物の死となんら変わらない。
生き物はいずれかは死ぬ。
それは人間だって同じ、いつかは死ぬ。
人間は動物の肉を食って生きている。直接的に手を下していなくても、間接的にだって殺している事になる。
だからこそ命を奪った事に対しては何も思はなくても、やるべき事はある。
俺はそっと手を合わして心の中で願う。
ーー命を奪ってしまってすまない。お前の分もしっかりと生きるから安心して天国に行ってくれ。
「カズトは優しいんだね」
「どうしてそう思うんだ?俺は人殺しだろ」
「だって、普通の人だったら御祈りなんてしないよ。人を殺そうとしていた人に御祈りを捧げようとも思わないし、さらに見知らぬ人の事だったら尚更だよ」
「そういうユイナだって御祈りを捧げているだろ」
ユイナも手を合わして御祈りを捧げていた。自分を殺そうとして来た奴を御祈りする方がおかしい。
「ユイナも優しいんだな」
「私は別に優しくなんてないよ。ただ、自分が殺してしまった人達の分も生きなきゃって思っているから、ただそれだけだよ」
ユイナは俺と少し似ているのかもしれない。
しばらくの間静寂に包まれていたが、男達の一人が荒い咳をして目が醒める。
「ここは?助かったのか?」
「残念だけど助かっていないよ」
ユイナは腰に携えていた剣を相手の喉元に突き立てる。
「チッ!そうかよ、なら早く殺せよ」
「そんな事はしない」
「はあ!?お前、頭おかしんじゃねえの!?殺しにかかってきた山賊を許すとか、そんなに甘ちゃんなのか?」
「別に許す気は諸々ないし、殺しにかかってきたことは許してなんていない。実際カズトが助けてくれないと私は死んでたし」
「じゃあなんで!?」
「生きているのなら生き続けて罪を償え。死んでいった仲間の思いを踏みにじるな。まあ、そういうわけでカズトもそれでいいよね?」
まあ、生きているんだったらーー
「それでいいんじゃないか」
俺の答えにユイナは頬を緩め、山賊はどこかいけ好かない表情をしていた。
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死んでいる男達を埋葬した後、生きている数名の男達を縄で締め上げて近くに止めてあったユイナの馬車に放り込んだ。
「私は用があるから隣町のアルステラに行くんだけど、カズトも乗っていかない?」
そう言えばこれからどうするか決めていなかった。
やっぱり生活基盤を整えるには町に行ったほうがいいよな。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
とりあえずユイナの馬車に乗せてもらえることになった。
馬車に揺られながら数十分、ユイナとの会話は弾んでいた
「どうしてユイナはアルステラの町に行くんだ?」
「それはアルステラ魔法騎士学園に入学するためだからね」
「魔法騎士学園?」
「カズトって魔法騎士学園がある事知らなかったの?」
騎士学園なんていう学校は、現代日本にはもちろんのごとくあるはずがない。
それよりも気になる言葉が出てきた。
「魔法って何?」
「魔法は魔法でしょ?」
さぞ当たり前のごとく言われたが、魔法ってあの魔法なのか。
「魔女の服をしたおばあちゃんが練っているあれじゃないよな?」
「カズトが何を言っているのかよくわからにけど、本当に魔法を知らないの?」
「日本では魔法なんて空想上の物だったぞ」
「本当に魔法が存在しない国があるんだ」
「とりあえず魔法が何なのか教えてくれないか?」
ユイナは魔法について語ってくれた。
まず魔法には火・水・風・光・闇の五つの属性があり、魔導石という石に魔法式なるものを介して、魔法を発動するらしい。
魔法は各属性の魔法適性が高ければ高いほど威力が上がるらしい。そう言えば全魔法適性の力を与える的な事を言っていたが、まさか本当に全魔法適性があったりして……。
さらにいろいろな事を話してくれた。
この世界には魔獣と魔人が存在するらしい。
魔獣は名前の道り獣のような姿をしていて、自我がないらしい。自我がない魔獣の目的はただ一つーー
人をただ殺すこと。
魔獣は無差別に生物を襲っていく。だが、魔獣は一つだけ襲わない存在がいる。
それは、魔人。
魔人は魔獣と違い自我があり、魔獣を酷使しているらい。
さらに言うと、魔人は圧倒的身体スペックで人間もなかなか殺せないらしい。
そんな存在と命を懸けて戦うための存在が、魔法騎士らしい。
色々な話をしていたら、ついに町が見えてきた。
町の入り口には大きな門があり、それだけでも観光名所になりそうな門を通り抜ける。
それは彼の新たな学園生活の始まりでもあった。