1話 Everything is over by despair~全ては絶望によって終わった~
あまりにもひどかったので、書き直しました。
五十嵐和人は今、ビルの上にいる。
地上から40メートルほどの高さから見る人は豆のように小さく、あっけなくも見えた。
五十嵐和人は用もないのにわざわざこんな場所にきていない。そう自殺するためだ。
追い風が吹き、早く飛び降りろと風にせかされているように感じた。
意を決して一歩、前に踏み出す。体はそのまま地上に落ちていった。だんだんと地上に近づいているとき彼はある記憶を思い出す。
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五十嵐和人は普通の中学生だった。勉強と運動はそこそこでき半年後に迎える受験に向けて勉強に励んでいた。
2学期の中間テストが終わり、家で休もうと思っていたとき悪夢は始まっていた。
「和人、一緒に次の日曜遊びに行かね?」
「別にいいけど」
彼は星村弘人、中学三年になってから同じクラスになった友達だった。
初めて会った時から気が合いよくつるんでいた。そんな彼の誘いを断ることもなく次の日曜遊びに行った。
ゲームセンターで遊んだり、買い物をしたりしていた。そしてある時計の販売ブースを通りかかったとき弘人の足は止まった。
「この腕時計ほしいな」
それは数万する腕時計が無造作に置かれていた。弘人はその腕時計に見とれて動こうとしなかった。
「ちょっとトイレに行ってくるから」
そう言い残し和人は鞄を置きトイレに向かってしまう。トイレに行かなければ未来が変わっていたかもしれないのに。
「お待たせー」
「そろそろ時間だし帰ろうぜ」
そんな時間だったかと疑問に思ったが店の出口に向かう。
そして店を出ようとしたら警備員に呼び止められる。
「ちょっとお荷物のほうを見させてもらっていいでしょうか」
「え?何でですか」
質問したのにも関わらず、勝手に鞄の中を見られてしまう。そうすると鞄の中から弘人が見ていた腕時計が出で来る。
「やっぱり腕時計が出てきたじゃねーか!ちょっと事務所まで来い!」
「なんで俺の鞄から腕時計が出てくるんだよ」
そしてある結論に思いつく、弘人がやったんじゃないか。
事務所に連れてこられ、質問の嵐が始まる。
「お前、これはどういうことだ。やっぱりお前が盗んだんじゃないか」
「違う!俺はやってない!」
何も言っても全く対応してくれなっかた。
ましてや俺が犯人といわれる始末。
結局のところ窃盗犯として俺は警察にお世話になった。流石に少年院には入れられなっかたが、学校では噂が流れてしまった。
それからは、クラスの中ではイジメの対象になってしまい、受験では不合格となってしまった。
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そして現在に至る。
地上まで残り10メートルというところでいろいろな気持ちがあふれてくる。その中でも特に強かった気持ちが、自然と口から出ていた。
「もっと人生を送りたかった。もっと幸せになりたかった。」
地上まで残り1メートル
「楽しい学校生活送りたかった」
そのまま勢いよく地面に衝突し体は跡形もなく肉片と化していた。
そして彼の15年という短い人生は終わったのだった。