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深淵を飛び出して見た500年ぶりの異世界は  作者: 探索者T
深淵に住まう者
9/16

旅立ち

長らくお待たせいたしました!

一章分のストーリーを筋トレしながら

考えてると、文語力より筋肉がついた

探索者Tです!

「結局、信也様はナッセル王国には

来るのですか?」


「うん。観光というより、

そろそろ深淵を出て見ようと思う。

ま、十日に1回は帰るけどね。」


「ならいつでもリベンジできるな!」


「何度やっても同じだと思うなぁ。」


「それはやってみなきゃわからんだろう。」


あのあと、目を覚ました三人は

信也に手厚いおもてなしをもらい、

今はリビングで寛いでいる。

マリーはスターにもたれ掛かり、

シルアはフウマとじゃれ、

龍王はライカと何やら話している。

龍王も一応魔物の一種で、

知能の高い魔物だと、片方が言葉を

話せなくても心で会話が可能だ。

もっとも、信也の場合読心スキルで人や魔物の

心を読むのは簡単なことだ。


「で、明日には出発しようと思うんだ。

それにともなって、俺の分身、

レオンハルト達にここの管理を任せる

ことにするよ。」


「明日ですか。では、私の妹

をご紹介します。今頃勇者召喚を終えて

私を探しているでしょうし」


「………今なんつった」


辺りの雰囲気が黒へと変わる。

震えるほどに強い殺気、怒り、悲哀。

その根元は、陽気でいつもほんのりと笑みを

浮かべていたとは思えない

冷えきった貌の信也。

その場に居合わせたフェンリル達までもが

身を守る体制にはいる。

マリー達も身を守ろうとする。しかし、

体が震え、力が入らない。

更に、フェンリルと龍王が感じ取れる

気の中には敵対するものを殺す


(これは、死神の覇気!)


そっと冷たい空気の振動が音となって

聞こえる。



「またあの悲劇を繰り返すと言うのか...!」


表情はなきにも伝わる

激しい感情が、震える声が部屋に広がる。

強い緊張のなか、

ただ静寂だけが続く。




「っ!ごめん。

つい感情的になっちゃったよ。」


緊張が解け、

雰囲気も明るくなっていく。

心が緩和し、覇気も消える。


「ねぇマリー」


「は、はい!」


呆けたなか、突然呼ばれたマリーは

すっとんきょうな声を出して返事する。


「召喚した勇者達に隷属の首輪を

つけるなどいう愚行はしないよう、

王に言っといてくれ。」


「わ、わかりまひた...」


先程までの出来事に

体を震わせ、うまくろれつが回らない。

信也の怒りを目の当たりにしても、

まだ先があるように思える憂鬱。


「ねぇ、信也?」


「ん?どうした?」


「あなたはいったいいくつの

覇気を持っているの?」


「うーん。

死神の覇気、覇王の覇気、魅惑の覇気、

将軍の覇気、魔力の覇気、洗脳の覇気、

伝心の覇気、生命の覇気、その他合計37種類

位かなぁ。ひとつてにいれるのだけでも結構

面倒じゃん?だからあんまり集めてないや。」


「うそ!?」


深淵を除く地上最強生物である

龍王の持つ覇気でも三種類。

それを裕に越えて約十倍の覇気を持っている。

ちなみに覇気というのは世界に選ばれた

生物や、その道を極めたものでなければ

手に入れることができず、深淵の生物でさえ

平均4つ程しかない稀少度の非常に高い

ステータスだ。

その為、覇気をもって生まれてきたもの、

覇気を取得したものは

国から重宝され、必ず貴族になる。

覇気の影響力は強く、死神の覇気のように

当たるだけで敵対してくるものを殺す覇気。

覇王の覇気は当たったものが無力になり、

何をされても抵抗できなくなるなど、

相手に害を及ぼすものや、

当てたものの命がつきる寸前なら

どんな病や傷でも回復する。

また、命無きものに命を与える生命の覇気、

当てたもののやる気やステータスを底上げし、

強い統制力を放つ将軍の覇気等、

味方に効果を与えるものなどが存在する。

龍王の場合は大地の覇気、

龍王の覇気、大火の覇気だ。


「さ、もう寝よう。

明日出発するんだから、

しっかりねとかないといざというときに

体が動かないからね。」


「はい。」


次の日の朝、マリーは目を覚ますと、

信也がどこにもおらず、空いた腹を撫でて

屋敷を歩いていた。

一方シルアはマリーがいないのに気づき

屋敷を走り回る。

龍王は外に出て池を見つめている。

信也は、外での準備ができたので

皆を起こそうとしたら誰もおらず、

千里眼で捜索中。

何とも悪い循環だった。


「信也様ー!信也様ー!」


「お、いたいた、マリー。」


「信也様!いったいどこへ

いっていたのですか?」


「外出の準備が終わったから

皆を起こそうとしたら誰もいなかったから

探してたんだ。ビックリしたよ。」


「申し訳ありません。

私も、起きたら信也様がいなかったので

探しておりました。」


「おや、入れ違っちゃったね。」


「はい。」


と、そこにシルアが

走ってくる。凄いスピードで、

足音をドタドタと立てながら接近してくる。

視線の先はマリーのみ。


「マリー!いたぁぁぁ!!!!」


「きゃっ、もう、シルアったら。

あまり驚かさないで。」


「いやー!すまんすまん!

起きてみたらだーっれもいなかったからよー!

結構心細かったんだぁー」


「そういや、鎧ははずしてるんだね。」


「ん?そりゃそうだろ。

寝るときくらいはずすっつーの。

信也さんは相変わらず変わった服着てるよな。」


「あぁ、これは甚平というんだ。

風通しがよくて寝心地最高なんだよねー」


鎧を脱いだシルアは筋肉のつきがよく、

しかし、思いの外細い体をしている。

重鎧がどうしてあんなにフィットしてるのか、

不思議なくらいだ。

そんな信也の疑問に気づいたのか、

シルアが答える。


「私ゃ普段身体強化魔法で

筋肉量を底上げしてるからよ。

元々筋肉はあるんだが、それでも

重鎧を斬るなら体が重くなっているんだわ。」


「なるほど、そう言うことだったのか。」


「あの、信也様。

龍王さまは?」


「あぁ、彼女なら今頃池の鯉でも

眺めてるんじゃないかな?

昨晩二人が寝たあとに将棋って言う遊戯を

していたんだ。それで惨敗したから

拗ねてるんだ。あと、彼女は

ここに残るらしい。彼女に管理を任せたから

レオンハルト達を呼び戻す

必要もなくなったね。」


「なぁ、ちなみになんだけどよ。

その将棋ってやつ、何勝何敗だったんだ?」


「96勝0敗で、俺の勝ち。」


「やべぇな。

そりゃ傷つくわ。」


一方龍王。


「一勝もできなかった。あれだけ挑んで...

フフフッ。なにやっても勝てない。

龍王なのに。面目丸潰れ。フフフ

フフフッ。」


負けすぎて半分

壊れているのであった。















「さて!出掛けよう!

アザルキア大陸のナッセル王国の近くに

飛ぶけど、いいね?」


「はい。」 「おう!」


「ヴェンたち、龍王。

留守番頼んだよ。」


「私にだって一応シャルルっていう

名前があるんだけど。

まぁ、いってらっしゃい。」


『我らは呼ばれたらいつでもむかう。

安心して行ってこい。』


「いっています!」


信也は龍王って、

意外とかわいい名前なんだな。

と思いながら、マリーとシルアと共に

ナッセル王国のある大陸。

アザルキア大陸に飛ぶのであった。










「お父様ー!!」


「どうした?セーラ。

お前がそこまで慌てるとは珍しい。」


「おねぇさまとシルアが!

何処にもいないのです!

あぁ、さらわれていたらどうしましょう!

おねぇさまぁ、おねぇさまぁ。」


「なんだと!?ありえん!

探せ!今すぐ二人を探せ!

国中をくまなく探せ!」



次回より、

悲愴の二人に小さき花を

始まります!

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