第二話とある転移者の日常
ここは深淵。
世界の南の果てにある危険な森だ。
魔素と呼ばれる空気中に漂う力がある。
その魔素の根源がそこにあり、
日々、新しい魔素と古い魔素を取り替えている。
ようは大地の呼吸みたいなものだ。
魔素が一定以上その場になければ
その場には天変地異や異常気象がおこる。
逆に多すぎれば魔圧と呼ばれる魔素による圧力が
かかり、崩壊を招く。
深淵は、素の魔素の根源がある場所である。
そんな過酷な状況のなかでも、
平然と立っていられるような木々、動物が
すんでおり、そこの素材はレアすぎて、
たとえ木の棒一本でも大騒ぎになる。
世界最硬の鉱物、アダマンタイト
でさえ、深淵の素材で殴ると
易々とへこんでしまう。
ここに入ろうとする生物は、
跡形もなく砕けちり、大賢者と呼ばれた
者の結界でさえ、一秒ももたない。
まさに深淵に臨むがごとしである。
実際言葉どうりだが...
「う~ん、今日はじつに
いい天気だねぇ。」
そんな深淵に、
約数百年も前、とある変化が起きた。
当時、ただの高校生だった男が
深淵に入り、そこで生活し始めた。
森に住まう生物は総動員でそやつを
殺そうとした。
だが、圧倒的戦力の差により、
その者の定住が許されてしまった。
その者は、魔素の根源を体内に取り込み、
己の物とした上で、完全に力をコントロール
してしまった。
そして、その者は今もなお
深淵に住まい、平穏な日々を送っている。
「もうここにすみはじめて489年目かぁ、
ずいぶんたったなぁ~。
場所が場所だから訪問者とかゼロだし、
そろそろ外に出てみるのもありかな?」
よう、おれは蓬莱 信也。
今からえっと~...508年くらい前に
お母さんがつけたんだっけか?
・・・・・お母さんの名前なんだっけ...
もう491年もあってないな。
お父さんも、姉貴もいたっけな...
「懐かしいなぁ。覚えてないけど...」
まだ日本にいたときの事を
思い出そうとしても長い時のなかで、
その思いでは儚く消え去っていた。
「学校、なんていうんだっけ?
一学校?あ、小学校か!」
もはやこのざまである。
「ま、そろそろ家に帰ろうかな。
十分探索できたでしょ!」
現在、信也のいえは、
高級旅館顔負けの超和風豪邸にすんでいる。
平安の屋敷をイメージしてもらうと分かり
安いかも。それを3倍サイズにした感じ
そして庭は代々木公園並みに大きく、
ちょっとした畑がある。
そしてここから少し離れたところに
牧場ならぬモンスター場がある。
飼っているモンスターは様々だ。
知能の高いアースドラゴンから
鶏まで、沢山の生物が生活している。
そして家には...
『ぬ?帰ってきたか、信也!』
『ずいぶんと遅かったんじゃない?
お腹すいたわ』
「ガウ!」「ギャウ!」「ウォン!」「ガウゥ!」
「ハハハ、悪い悪い。
今日はいい天気だったからちょっと長めに
散歩してたんだよ。」
神獣フェンリルだ。
ある日、森を散歩していたら
偶然でくわして襲ってきたので
返り討ちにしたらなついてきたのだ。
それいらい、ずっと一緒に住んでいて、
後日同じことが起こり、
二匹に部屋をひとつ与えたら
いつのまにやら片方が妊娠していたのだ。
そこで、見分けがつかなくなるため
名前と色の違う首輪をつけることにした。
最初に出会ったオスのフェンリルが
ヴェン、二番目のメスがリーラ
子供1♂ ハヤテ 子供2♂フウマ
子供3♀特殊個体 ライカ 子供4♀ スター
4匹は子供といっても
大人が背にのった上で走れるくらいには
大きいので事実上、大型犬の1.5倍サイズが
家に6匹いることになる。
ライカは特殊個体で、
フェンリルの象徴風の力と
追加で雷を操れる。
神獣の特殊個体ともなれば、どれほどレアか
想像がつくだろう。
ただでさえ世界に数匹しかいない
神獣の特殊個体なのだ。
簡単にいうとポ○モンの幻の色違いの
約8倍のレア度である。
お分かりいただけただろうか。
さらに雷を操れる。
それ故に、非常に強力な戦力なのだ。
「ライカ~、からだの調子はいかが?」
「ウォン!ウォン!」
「うん、元気そう!」
このようにほのぼのした生活を送って
いるのだが、この状況では、人との交流は
一切存在しない。
その為今、現世がどのような状況か
把握していない。
魔素の根源を飲み込んだときに
叡知の書をてにいれたため、何が
おこったか、発見されたかなど、
大雑把には把握できているが、
詳しくはわからない。その為
最近向こうに分身を十体送った。
その内2体は日常的に人との交流を
しているようだが、それ以外はほとんど
調べる事に徹している。
わりといい状況である。
『信也、我らは少し外で
遊んでくることとする。子供達が
満腹になったところで、動きたくて
たまらんそうだ。』
「おう、気を付け...なくても
十二分に強いか...。迷っ...うことは
ないわなぁ。
こんなとき、どう声をかければいいでしょう。
ま、部屋に戻って叡知の書でも覗いとこっと」
こうやって、今日の一日も過ぎていく。
幻のポ○モンの色違いは
いくつか方法があったようですね。
セ○ビィはダークル○アからつれてくるとか、
デオ○シスは誕生の島でとか。
まぁ、デオ○シスは格落ちして
伝説になりましたが...
ブロックルーチンが働いてましたっけ?