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すみません、今回は結構短めです。
グサッ
刀を振り下ろすと同時に一真の肉体を切り裂く音が
……………聞こえてこなかった。
いや、実際に刀は振り下ろされてはいた。ただそれが一真まで届かなかった
それだけの話だ。
「お、お前ボスに何した。」
ジャイアンが思わずといった風に驚きの様子を隠そうともせず聞いてくる。
表情からは驚きと恐怖の色が伺える。
一方、一真はというと表情では冷静さを保ちつつというよりいつも通り、内心では今自分の前で起ったことに驚きを隠せず必死で整理しようとしていた。
「お、おいあんたボスをどこへやった。」
スネ夫がおどろおどろ一真に尋ねる。
うるさい。それはこっちが聞きたい。
あのおかまの刀はちゃんと振り下ろされたが
俺の結界に触れた瞬間どこかへ消えていきやがった。
いや、どこかへ消えたというよりあれは消滅か…。
それを分かっているからこそあの男も驚きと恐怖を隠せないんだ。
それに、ボスとか言われてたやつ…消滅しやがった。
勢いよく俺に切りかかってたから、刀が消滅してるのに気づいても身体が反応できなかったんだろう。
俺の能力は防御じゃなかったのか…。
二人とも明らかに俺に恐怖している…。今ならいけるか。
「おい、お前ら。分かってるよな。」
敢えてドスの利いた声で、脅すように聞く一真。
「は、はぃぃ。」
緊張で上ずった声が出てしまっていた。
さっきまでの威勢がどこ吹く風だ。
今の俺には点滴がない。このままじゃ運が良くても生きれるのは後三日が限度だ。
その間にこんなチャンスが来るとは到底思えない。
それに、仮に生きれたとしてもそのあとが問題だ。
色々とこの世界の情報収集をしなければ。
返答を待ちながら、一真がそんなことを考えていると
どうやら結論がでないのだろうお互いに身を寄せ合って
ため息をついたり、言い争いをしていたりしていた。
ため息つきたいのはこっちだ。こいつらバカなのか。
逆らったら殺すぞっていうつもりで聞いたんだが。まあ、実際は殺せないんだが。
選択肢は一つしかない筈なんだがな。
「おい。早くしろ。従えないなら殺すだけだぞ。」
こう言えば馬鹿でもさすがに分かるだろう。
これでこの世界の情報をー
「「はいぃ。我らはこれよりあなた様に従います。」」
えっ
心情や表情の表現の描写が多すぎてセリフが
少なすぎるような気がしなくもないような…。