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俺は死にたいけど死ねない  作者: ひろし。
3/18

3

最近榎宮 裕 先生作のノーゲーム・ノーライフという小説にハマってます。

めっちゃ面白い…。


「おいっ! おいっ!どこへ行く。待て。」


一真の声が聞こえているのかいないのか子供は一度も振り返ることなく、

スキップでランランとどこか行ってしまった。


(はぁ。まだ聞きたいことがあったんだけどな。

 というか、このままどうしろっていうんだ。点滴もないし。それにあの世に来ても植物状態とは

 笑えない冗談だ。死んだ奴だけが来る場所なら俺みたいに体のどこかしらに異常があるはずだが

 ジャイアンとスネ夫は体に異常があるようには見えなかったな…。

 まあ、それも含めて今からくるボスとやらに聞いてみるか。)


そんな事を考えていると、ジャイアンよりも一回りも二回りも大きい、人間にこれほどまでの筋肉がつくのかと聞きたくなるほどの体格の男がやってきた。

(こいつ生前絶対ヤ○ザだっただろ。顔にそう書いてある。)

一真は内心そう思いつつ、少し自分の身の危険について思案した。


「これは、これは部下がお世話になったみたいでどうも。

 それにしても、事前に聞いてはいましたが本当にふざけたお方ですね。

 あの世に来て植物状態の振りなんて。こうして話しかけているというのに自分は寝たままなんて。」


(ん?あの世で植物状態というのは本来ならおかしな事なのか?てことは俺以外の人間は体の異常を回復してからこっちに来るってことか。

 それにしてもこいつがいきなり争いを始めるような頭の悪い脳筋男じゃなくて助かった。これなら話し合いで情報を引き出せるかもしれない。)

「あぁ、すみません。でも、本当に振りじゃなくて植物状態なんですよ。こっちに来てまだ日が浅くて

 あまりこの世界のことについてしらないんです

 あの世で植物状態っていうのはそんなにおかしなことなんですか?」


「嘘がバレバレですよ。うふふ。どうやらあなたこちらに来て間もないみたいですね。

 そんなあなたに説明して差し上げましょう。

 あの世に来る人間は皆一回神様たちのもとに行き、修理されてからここに来るのです。

 次からはもっとましな嘘をついてくださぁい?まぁ、次があればですけど。うふふ。」


(うぇぇ。こ、こいつ気持ち悪い。そのがたいでその喋り方はやめてくれ。

 って、そんな事を考えてる場合じゃない!こいつ、俺を殺す気かよ!アイテムをとる為に普通そこまで やるか?

 だが、俺には防御系のアイテムがある。それがどこまで持つか…。相手のあの自信。

 恐らく俺の防御じゃ勝ち目は薄い。アイテムを渡して何とかここは引いてもらうしか…。

 せっかく喋れるようになったのに…。畜生。)


「はやく、やっちゃいましょうよ。ボス。」


(さすがはスネ夫だな。長いものに巻かれようとするところは、

 本物そっくりだ。)


「ちょっと待ってくれ。アイテムはあんたらにあげるよ。

 俺はそんな物に興味はないからな。それに、戦闘せずに目的が叶うなら

 それに越したことはないだろう?」


「そうでしたね。あなたはこちらに来たばかりだったんでしたね。

 アイテムというのはその人の魂に繋がっていて、奪うにはその人を殺さないといけないのですよ。」


そういうと男は手から日本刀を出現させると

徐に上段構えに入る。。


(終わった…。まあでも、あのまま病院で死ぬより辛い生活を送るよりは良かったかな。

 短い間だったけど、久々に喋ることもできたし。何よりこれが俺がずっと望んできたことだ。)


目を閉じ自分の生を諦めてこの数時間の間に起った出来事を振り返っていると、

相手は自分の前で剣を振りかざしていた。


「いや、…にたくない…死にたくない!」

それは一真が生まれてから一度も抱いたことのない感情。

こことここにきて一真はある一つの可能性に辿り着く。

相手のアイテムを殺して奪えるというのなら言葉を喋れるようになったみたいに

動けるようになるかもしれない!


その考えに至ったのもつかの間、無情にも刀は振り下ろされた。


あぁ、色々やりたかったなぁ。


皆さんが一真と同じ境遇だったらどうするでしょう。

そんなことを考えつつ読んでいただけたら幸いです。

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