満月の夜②
満月の夜②
こ、ここは?
真っ白な光に包まれたと思ったら今度は、見ず知らずの土地に立っていた。
どうだろ。
街市場なのか。
そこそこの人がいる。
ピコーン
頭の中でそう音が響く。
契約してくれてありがとね。
その言葉と共に目の前に小さい妖精?が表した。
君は誰?
俺はびっくりした顔で彼に問いかける。
あぁー、嫌だなー。
パンパカパーン。
この言葉に聞き覚えない?
あった。
確かにその言葉には聞き覚えがあった。
そう。
俺のスマホに当選だ。なんたらが表示された時に聞こえてきた声だ。
うん。
となると、お前があの時のか。
後頭部をぽりぽりと書きながらその妖精に問いかける。
そう。
ようやく気づいたのね。
その妖精は悪戯っぽく笑いながら話を続ける。
私の名前はリナ。
一応、創造神の使い?って言えばいいのかな?
そして、山本幸太郎。貴方はそんな創造神に選ばれた名誉ある人間。
これからよろしくね。
そう言い終わるとパチンとウインクをした。
創造神?
使い?
そしてなぜ俺の名を?
いきなりのことなので、話が飲み込めずにいると、リナが少しため息をついて話し始める。
うーん。
まぁ、それはそうか。その辺りはノリでは飲み込めないか。
じゃあ、一つずつ説明するね。
そういうと、リナは動き始めた。
そして、俺もそんなリナに着いていく。
まず、何から話そうかな。
リナは少し考えて、暫くしてからまた話し出した。
まず、創造神についてがいいかな?
幸太郎、創造神ってわかる?
リナが俺の顔を覗きながら聞いてくる。
うーん。
何となくわかる様な、
わからない様な。
とりあえず、何らかを想像した人。ってのはわかるけどそれ以上のことはって感じかな。
リナは俺がそう話し終えると説明を始めた。
オッケー。
まずね。大体の認識は合ってるよ。
読んで文字の如し。
創造した人。
その世界を造った人。
この世にね。同じ時間軸にいくつもの世界があるのね。
それの一番幸太郎の世界であり、またはこの世界でもあるの。
そんな世界を創り出すのが創造神。
そして、創造神は世界を造ったら後は直接はその世界に干渉できない決まりになってるの。
だから、私を使ったり、はたまた違う世界から人を召喚したりして、手を加える。
そうしてその各々の世界を作り上げていく。
まぁ、そのスパンも何千年〜何億年だから、幸太郎からすると途方もない話になるかと思うけどね。
なんとなくはわかっていたが、リナの話を聞くと改めて色々なことが再認識できた。
だから、俺の名前も知ってて当然なのか。
で、そんな世界で俺は何をすればいいんだ。
リナは少し驚いた顔をした。
幸太郎は相変わらず飲み込みが早いね。
うん。
実はね。今回の召喚自体にあんまり意味はないんだ。
私の支えている創造神がまだ成り立て、実はこの世界も初めての世界。
つまりお試し召喚ってやつ?
だから、特に気負ったりはしないでくれれば。
リナも俺のやる気を感じたのか少し申し訳なさそうに感じたのか、少し遠慮深げにそう言った。
そっか。
なら気ままでいいのか。
うん?
でも、このままこの世界に永住って訳でもないんだよな?
元の世界には戻れるのか?
俺は別に戻れないなら戻れないでいいが、元の世界の事が若干気になってるのも確かだ。
うーんとね。
行き来は自由に出来るよ。
そして幸太郎がいる世界といない世界ではそれぞれ時間の進みが異なっていてね。
例えば、
こっちの世界にいる時、1日が経ったとする。
そして元の世界には戻ると、時間は1秒経過している。
つまり、いる世界の1日がいない世界では1秒となっている感じかな?
だから、10年こっちの世界にいても、元の世界では、5.6分?つまり10分も経っていない計算になる。
ただ、一つ問題があって、あまりにもどちらかもしくはどこかの世界に固執していると肉体バランスが崩れ、移動ができなくなるからそれだけは気を付けてね。
リナは少し間を置いて俺の顔を見て話を続けた。
肉体バランスがイマイチって顔かな?
図星だった。
俺は小さな声で、あぁ。というとリナはまた説明を続けた。
肉体バランスとは、
さっきの話の続きでいくと
この世界に10年いたとする、
幸太郎は今25歳でしょ。
そうすると、こっちでは35歳。
元の世界では25歳と10歳の差が生まれる。
創造神は世界に関与できない。
これはさっき説明したと思うけど、幸太郎の世界も別の創造神があるルールに乗ったって創り出したのね。
だから、そのルールから逸脱した存在になり、もう戻ることができないって訳。
要は1人だけ人の何倍も生きてるってことになるかさ。
そして、人の転移に関しては違う創造神が創り出した世界の人しか召喚できない決まりがあるからこんなややこしい話になるんだけどね。
リナはそう話しかけは視線を空に向けた。
でも、何で自分の世界内で人を行き来できないんだ?
そっちの方がそのルールからも逸脱しないし楽じゃないのか?
俺はリナにそう尋ねた。
うん。
私もそう思うんだけど、昔、創造神が自身の世界で産まれたのある人物を寵愛したのね。その結果、何世界も若返りというルールで転生して生きながらえた。
そして最後はその人のための世界を造った。
私も詳しくは知らないけど、そんなことあったんだって。
そして、それを他の創造神から摂理に反すると罰せられ、それ以来、創造神は自分の世界に直接関与できない。転生者は違う創造神の世界から。っていう取り決めが決まったんだって。
そういう時とリナはまた動き出した。
なるほどね。
あくまで世界はその世界で創り上げてくものであって、そこに偏った意思などが入ってはいけないってことなのかな。
まぁ、わからんが。
要は特定の世界で居心地がよくなって、戻りたくない。戻らないってなったらそこで骨を埋めろよ。ってことだな。
俺はそうリナに尋ねた。
そうそう。
その認識でオッケー。
後は、そうなるとその世界の住人になるから、私とも関係が途切れるし、クエスト的なものもなくなり、本当に一住民になるからよろしくね。
でも、その際はこの辺りの記憶は消えて元からそこに住んでたって記憶が改変されるからまぁ、住んでて違和感はないと思う。
リナはまた俺の近づきそう答えた。
そっか。
なら、まぁ、いいか。
ちなみに肉体バランスの限界ってどのぐらい?
10年の誤差?
20年?それとももっと短い?
俺はリナにそう尋ねた。
うーん。
私も詳しくはわからないんだ。
ただ、戻れなくなった最短の人は3年?
3年の乖離が生まれて戻れなくなった。とは聞いたけど、世界によってその条件は違うから一概には今の幸太郎には当てはまらないかも。
リナは申し訳なさそうにそう答える。
つまり、わからないってことだな。
まぁ、仕方ないか。
最悪、1週間毎とかでそれぞれの世界を生きればってことか。
うん。しんどそうだな。
俺は後頭部を描きながらそんなことを考えたりした。




