光る雲
【短歌十首】
サボテンをじっとみているその頬は柔らかな薄紅色を散らし
藪の山道その先に開ける景色をみたいからと登ってゆく
ポットのお湯を注ぐ音と湯気になにかが溶けゆく心のどこかが
車輪の合間から浮上した蝶々と並走をするサイクリング
秋空に溶けいるように眠るとき青白き光に掬われて
出来ないことが増えてゆくからと母と見にゆく樹木葬の霊園
山頂の風
枝葉を飛び交う小鳥のさえずり潮騒のごとし
好きという淡き想いそれだけに満たされるような
沢のせせらぎ
陽射しに白く光る秋の雲
バウムクーヘンはグレースがけが好き
秋晴れに何処へゆこうか
川面に写る流れ流れる雲光る