オタク絵を描く
一つ質問をしよう。
「上手い絵」とは何を定義してそう判断されるのだろうか。
油彩画、水彩画、水墨画、版画、漫画、イラストetc.
世の中には芸術のジャンルは多彩に存在する。だがその優劣とは何で決まるのだろうか。
正確な描写だろうか、簡略化した表現だろうか、はたまた独創的な描写だろうか。
私はその答えを持ち合わせていない。なぜなら芸術とは周囲の評価で価値が決まる曖昧模糊な世界であり、その基準は千差万別だ。
浮世絵と油彩画これらを平等な評価をつけることはできないし、優劣もない。
ただ一概に言えるのは表現の差異はあれど描写において正確性は担保されている。
つまり何が言いたいのかというと……
「私の絵はそもそもバランスが悪くてよくわからない!」
頭を抱えてのたうち回る。
絵が描けなかった。
全体的にバランスが取れていない。輪郭はそれっぽいけど目の配置がぽくないのでぽくない。ぽくっぽいけどぽくっぽくない……夕立ちゃんかな?
「……そもそも絵心ないのでは?」
描いた絵を見て自己嫌悪になる。好きなイラストやアニメと比較なんておこがましい天国と地獄の落差、やっぱ才能ないのでは?
「とりあえず……ようつべでハウツー動画を探す!」
悲観していても何も始まらない。初心者なんてそんなもん、頑張るぞーおー。
『イラスト最速上達法~3か月で上手くなる!今日から君も神絵師の第一歩☆~』
うん、なんかサムネが胡散臭いけどこれでいいや。
再生して何分か、思った感想が「やっぱ胡散臭い」。にじみ出る詐欺臭!なんだろう字幕とかしゃべり方とかすごく胡散臭い。詐欺の教材見てる気分。
でも見なきゃ始まらないので我慢して見る。でもなんか頭に入ってこない。要点だけまとめてほしい。つらい、勉強の才能のもないのか私は。
「なるほど?わかるような?わからないような論理的ではないような?」
まとめると
・お手本を見つける
・本気で取り組んで絵を描き切る
・お手本と比較して改善点を見つける
・それを繰り返す
ふむふむなるほど、つまりは描けということですね!
そして絶望に負けるな!己の未熟さを認めろ!そういうわけですね!
怪しかったがまぁだいたい理解した。でも安易に間違っていると断定して否定してくるのはなんかムカついた。その点ではもう見ない。間違ったやり方はないと思うし。
というか添削って意味があるのでしょうか?いや確かに直してもらうのはとてもありがたいことではあると思うよ。でもデッサンの狂いやパースの配置、それを描き手の意見を無視してその絵師さんの色で染めるのはいかがなものだろうか。絵に正解はないとか言いながら添削するのって矛盾してる気がする。自分では気づかない視点を教えてもらう点では有効なのか。
うーん未熟だからそういうのがわからない。
考えていても仕方ない。
やるべ!
~数時間後~
直視したくねー。でも問題点探さないと始まらないんだよね。
「……明日でいっか!」
即挫折した。
~次回予告~
スーパーで半額のシールが貼ってある魚を見つけた。
私はそれを見たとき不意に悲しくなった。
命に値段をつけて売れなければ価値が下がり、それでも売れなければ捨てられる。
何のために生まれた命なのだろうと、消費されないのであればなぜ殺されたのだろうと。
救えるなら買ってあげたい。でも今日は肉の気分だし持ち合わせがない。
ごめんね。心の中でそう呟いて後にする。
次回「いーじー、くれいじー、にゅーじゃーじー」お楽しみに!
絵って難しいね