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クリエイトデイズ  作者: カルボナーラ田村
4/11

オタク憧れの漫画家の展覧会に行く

 好きなアニメ監督の展覧会に行ってからから2か月ほど、私の日常は普段通りに回っている。


 アニメを見て、ライトノベルを読んで漫画を買って映画を見に行って……。

 変わらない日常。でも確実に変わったのは前よりも作品の作者を意識していることくらい。

 アニメだと監督とキャラデザの方くらいしかはっきりわからないので、原画や演出を担当していてもどのシーンの作画とかがわからないので推すにしても困ってしまう。


 なので最近の私は推すなら専らイラストレーターさんか漫画家さんなのです。

 確実に絵柄や色使い、クレジットに記載されているのでわかりやすいというのが理由。ライトノベルなんかいい例ではないでしょうか、表紙買いなんて言葉があるくらいには内容よりも絵が重要視されることもしばしば。


 そんな理由もあってか今はアニメよりもイラストレーターさんの方が気になっている感じです。有名な方になると画集が発売されていてより推せます!いろいろな作品を鑑賞できてとても良いです画集最高。

 画集以外にも、同人誌というものもあって自費で出版した作品があるそうなのですよ。今度買ってみようかなと。好きな作家さんの絵しかない本なんて最高じゃない?


 今日は待ちに待った注文した画集の受け取り日、1冊2万円もする超高級な完全受注生産の画集なのです。いやー大出費だけどこれはそれだけの価値がありますよ。


「お会計4万円になります~」

 店員さんに注文書を渡してお会計、上下巻2冊で計4万。見た目はその値段に恥じぬ段ボール梱包。

 ビニールでシュリンクされている漫画とは格が違う。重さも片手で持ったら手首が折れるくらいに重量があった。


 ワクワクを胸に帰宅、さっそく開封の儀を行う。

 開けてびっくり、梱包のプチプチに傷つきやすいので取り扱い注意の紙。これは丁重に扱わなければ。

 内容はもう圧巻の画力、画力、画力のフルパワーだった。今までの集大成すべてのイラストが網羅されているといっても過言ではない先生のすべてが詰まっている作品集だった。


 読み進めている最中、画集の間に挟まっている広告に目が移った。


『〇〇先生展!開催中!〇月15日~30日』


 へー展覧会やるんだ、しかも来週から2週間だけの期間で……。


 ん?

 思考が停止した。〇〇先生はこの画集の漫画家さんで、期間は2週間……?

「は?そんな情報初知なんですけど⁉行かなきゃ!」


 知ってしまったからには行かない選択肢はない。早速行くぞ。

 会場は……銀座!



 東京駅は魔境である。日本の首都の名を冠する駅。

 そう全ての交通網が集中しているといっても過言ではない。つまりは現代のラビリンス。


「ぎ、銀座行くには千代田線?に乗るのか?てか地下鉄の改札どこ?」

 初めまして私です。私は今絶賛迷子になっています。

 スマホの地図を見ても全く場所がわかりません。クソゲーのマップくらいに役に立ちません。

 都会慣れしていないとこうなるんですね、恐ろしい東京怖い。


「うーん、かくなる上は最終手段を使うしかないか」

 電車の乗り換えができない。改札を探すための地図が読めない。でも目的地までならルートがわかる。ここから導き出される答えは即ち


「東京駅から徒歩で向かう!」

 一番確実で分かりやすい解決方法。流石私天才。


 歩いてみてわかる東京の凄さ。軒を連ねる建物は全部厳かで味わいのあるビル。銀座って六本木とは違う形の一昔前のビル群って感じがする。

 例の感染症があるにも関わらず結構な人が歩いており、中々に興味深い光景だった。


「で、会場はこの建物の8階ね」

 無事迷いながらも会場に到着。うむ、こういう百貨店は行ったことがないからとても場違いな感じがする。大丈夫?この格好浮いてないよね?

 エレベーターで向かうのが早いが人と乗り合わせたくないのでエスカレーターで登っていきます。やばい、スーツ売り場とか時計売り場とかめっちゃ高級そう。変なところで緊張してしまった。


 比較的早い時間についたので会場にはあまり人はいなかった。今回はチケット販売は当日券を購入。

 さぁいざ夢の世界に行かん。


 会場は全展示写真撮影OKで動画撮影がNG。先日行った展示会と比べるとかなり太っ腹な対応に感じる。


 漫画家先生は私が生まれるより前にデビューして作品を描いている大ベテランだ。はじめはエロ漫画を描いていたそうだが、青年誌、少年誌と場を移して作品を描いていった経緯を持つ。

 初期の作品は絵がひと時代前癖のある感じだったが年数を経るごとに少しづつ洗練されてスタイリッシュに美麗になっていっていた。特に先生の描く緻密で色彩豊かな世界の数々はずっと見ていたいくらいに魅力的だった。


 そんな漫画家先生はデビュー当初はパチカスで懸賞金目当てで漫画賞に応募したとか、さらに当時付き合っていた彼女から借金をしてそれを画材代に充てていたという結構クズエピソードが多いことで有名。

 絵は作者を表す(かがみ)なんていうが疑ってしまうレベルの二律背反だ。


 私の背丈サイズのでかさでプリントアウトされた展示を見ると、画集で見るのとは違う展示でしか味わうことのできない表現の手法や展示方法があるのだなと感心してしまう。

 奇しくも映画を劇場で鑑賞して体験するものだという理論と同じだなと感じた。レンタルして鑑賞するだけではわからない劇場だからこそ体験できる感覚。


 鑑賞時間としては2時間いかない程度、しかし体感3時間な感じ。

 一番時間を使ったのが物販何買おう問題。画集は持っているので良いが他が問題だった。

 記念ステッカーにクリアファイル、ポスター、アスクタ、キャンバスアート等々、欲しいと思ったらキリがない。

 オタクはね現在進行形で生きてるの。使う使わないではない、欲しいか欲しくないかの話をしているんだよ。わかるかい?ビュッフェで食べきれないけどたくさんよそっちゃって後悔する感じなんだよ。


「お会計3万8千円になりまーす」

 結局めっちゃお金使った。後悔はない。事後通販がないと考えればこれは正しいお金の使い方なのだ。

 名残惜しさに後ろ髪惹かれつつも私は会場を後にした。


「まだ時間あるし、どうしようかな……」

 ウオッチ今何時?そうね大体ね14時過ぎ~。全然一大事じゃないな、余裕綽々だ。


「よしここでオリチャー発動」

 スマホで最寄り駅を検索、迷宮外ならこのくらいどってことないさ。

 ここからそんなに時間かからないのか、なるほどなるほど。


 行くか、オタクの聖地アキバへ!


~次回予告~

 秋葉原……それは遡ること半世紀以上GHQによる露店撤廃令により行き場を失った露天商が寄り集まって形成されたことをルーツに持つ電気街である!詳しいことはよく知らないがオタクの街と言ったらアキバという風潮があります!

 え?いい加減この作品の主人公の名前を教えろ?オタクか私でいいんじゃないかな?

「オタクぅぅ~!!」

「さんをつけろよ!タコ助野郎!!」


 次回「オタク秋葉に立つ」お楽しみに!

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