名犬と駄犬
散歩だワン! 7777【WEB】
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作者:雨澤穀稼 先生
の二次創作です。
作者の雨澤穀稼 先生より許可をいただいております。
意外とまじめなこと言ってます?
はい、こちらは匿名でおこしの飼い犬のおふたりです。
ご紹介いたします。
名犬Aさんと、駄犬Bさんでございます!!
(パチパチパチパチ♪)
さて、おふたりですが。
飼い主から、名犬、駄犬とそれぞれ扱われておりますけれど。それについて、いかが感じておられますか?
名犬A
「いや、僕ごときを名犬だなんて。
そんな、たいしたもんじゃありませんよ」
駄犬B
「おいおい。なにこんなとこまで、優等生ぶってるわけ? ちゃんと、インタビューこたえてやれよ。
まあね、扱われてるってゆうか、役割分担っすよ」
役割分担——と、いいますと?
駄犬B
「ふたりとも名犬だと、飼い主は両方を競争させちゃうでしょ?
そんなの、おれたちも飼い主だって疲れちゃう。
だから、こいつが優等生、おれが劣等生。
こいつを褒めて、おれを叱って。
比べはしても、競わせまではしない。
そいつが役割分担ってもんでさあ」
なるほど。
おふたりと飼い主とのあいだに、緊張感をもたせずに、関係のバランスをとるための位置付け——というわけですね。
名犬A
「なんだよ、それ(笑)
まるで、おまえだってやればできる、みたいな言いかただよな(笑)(笑)(笑)」
駄犬B
「できるってば。
やればできるのに、しねえから、おれは駄犬なんだよ。
知ってんだろ? やればできることを、ちゃんとやるからこその名犬さんよお」
やればできる——それでも、みんながその「できる」ことをきちんと「する」わけではありませんからね。
何気ないやりとりですが、深いものがあります。
でも、おたがい、じぶんの役割があいてと比べて損なものだとは感じたことありませんか?
名犬A
「ああ、それはないですね。
たしかに、名犬としてふるまうのは疲れますが、飼い主から叱られるよりマシです。
それに、ちょっとくらいミスをしたって、こいつの駄犬さに比べたらと、そこまで失望もさせませんし。
なんだかんだで、こいつには助けられてますよ」
駄犬B
「それはこっちの台詞だってば。
おまえが優等生やってくれるおかげで、おれのほうはあきらめてくれてるんだから(笑)こっちこそ、ずいぶんと楽してる。
叱られるのが、ストレスにならないのかって?
ん〜? 叱るって言っても口だけで、手を出すなんてことないからなあ。
頭をこつん? ゴツン、じゃなくてね。あんなの、おれたちの甘噛みといっしょじゃないっすか。
馬鹿犬、阿保犬って言いながら、なんだかんだで可愛がってくれる。いい飼い主だと思うっすね」
なるほど、飼い主による差別ではなく、おふたりの個性に応じた扱いかたのちがい、というわけですね。
優等生には優等生の。劣等生には劣等生の。
それぞれの扱いかたをしたうえで、おふたりともにきちんと愛情をそそいでくれる。
はたからは、おふたりへの扱いのちがいが、愛情の偏りに見えてしまうこともあるでしょうが、それは誤解だと。
名犬A
「そうですね。
でも、そこに至るまでには、ちゃんとお互いの信頼関係。そして、その根底に愛があることを、疑うこともなく理解できるように、示してみせることが必要でしょうけれど」
駄犬B
「おれたちふたりが、扱いかたにちがいはあれ、そそいでくれる愛情にちがいはないことを理解できるように。ちゃんと伝えてくれることが、だいじっすね。
ことばだけでも、態度だけでもだめ。
難しいことっすよ。少なくとも、その努力をしてくれるってことだけでも、おれたちはいい飼い主に恵まれたってことかな」
おふたりの意見を並べて聞かせていただくと、気づかされることが多いですね。
これは、飼い主と飼い犬の関係にとどまらず、ほかの場面でも、考えに入れなければならないと思います。
飼い主と名犬と駄犬。
これをひとつの縮図として、人間関係の構築に学ぶべきことも多かった今回。
みなさまは、どうお聞きになられましたか?
それでは、今回はこのへんで。
名犬Aさんと駄犬Bさん、ありがとうございました。
(パチパチパチパチ♪)
みんな優等生でも、疲れますよね。
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