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【短編】甘々な休日

作者: ひだまり

なんか、ブクマが連載よりも多いんですが?(ただいま作者混乱中)


3月16日 ちょっと本文変更しました。

まずはじめに、(わたくし)の自己紹介をするわね。

私はアールゲッタ伯爵の一人娘の、アールゲッタ・ラージよ。「ラー」と呼ばれることが多いわ。

今は社会のことなどを知るため、上級貴族専用の学園、エクルゼリ学園に二年間通っているわ。

その学園で主に男性から、「女神様」と呼ばれているの。

なぜって?そんなの私が聞きたいくらいよ。

まぁそれは置いといて、最近嬉しいことがあったのよ!

それは五日前のこと…


**


「ラー。これやっとけよ。」


そう言って分厚い書類の束を置いていったのは、ナルベルド・アランという、ナルベルド伯爵家の三男よ。

アランは、私の恋人…つまりは私の婚約者なの。


私はアランを独り占めしたいくらい、心から愛しているのだけれど…アラン、最近はあまり喋りかけてくれなくなってしまって…。

幼い頃はずっとくっついていたのに…今では唯一会える学園内さえ、仕事のことしか話しかけてこないの。

もう、アランは私のこと好きじゃないのかしら?


「ラー。今度の土曜日って空いているか?」


仕事、そんなに多いのかしら。

アランが少しでも楽になるなら、嫌いな仕事でも引き受けるわ。


「えぇ。予定は空いていますわ。あなたの家に行けば良いんですの?」


あら。アランの首が取れてしまいそうなほどに、超高速で頷きだしたわ。大丈夫かしら?

…走っていってしまったわ。アランの背中がもうパンクズほどになってしまったわ。あんなに足が速いなんて…。知らなかったわ。

土曜日にアレンの家…忘れそうだわ。後で、メイドに頼んでおきましょう。


**


ガタガタ


今、馬車に乗ってアランの屋敷に向かっているわ。

学園に入る年齢になると、自分の屋敷をプレゼントしてもらって、そこに住むの。

もちろん、それは王族や、上級貴族だけよ。

私の屋敷と、アランの屋敷は一応歩いて行ける距離だけれど、貴族が歩くのははしたないとされているのよ。


アランの屋敷が見えてきたわ。

屋敷は黒がメインで、所々銀色に光っている部分があるのよ。

男っぽくてすっごくかっこいいわ。

門の前で馬車から降りて、あとは自分で歩いていくの。


「ラー、いらっしゃい。今日は俺の部屋だから、付いてきて。」


アランの部屋?いつもは仕事場に案内されるのだけれど…。

戸惑いながらも付いていくと、部屋に入る直前に彼の後ろに付いていた、護衛を下がらせた。

重要な話でもするのかしら?

…はっ!私、婚約破棄されてしまうのかもしれないわ。


「ラー。」


ビクッ


「座っていいよ。」


はぁ…。びっくりしたわ。婚約破棄されるって思うと、緊張するわね。


「…大好き。」


…ん?私の聞き間違いでなければ、だ、だ、大好き…と聞こえたのだけれど…。

ア、アラン?ジリジリ近づいて来ているわね?


ぎゅっ


きゃっ!?

えっ!アラン、私のこと嫌いになったんじゃなかったの?


「ずっとこうしたかったんだ。他の奴らに見られたくなかったんだ。だから、なかなか気持ちを言ったりすることができなかったんだ。本当にすまなかった。」


み、耳元でそんなこと言われたらっ!

…でも、ずっとアランは私のことを好きでいてくれたのよね?

はぁー。良かったわ。


「私も()()()のことが大好きですわよ。」


ふふっ!アラン、赤くなって固まってしまっているわね。

実は…最近ずっと、アランのことを名前で呼んでなかったのよ。


ちゅっ


これからはもう少しだけ勇気を出してくれると嬉しいわ。

こうして私の休日は、チョコレートよりも甘々で、充実した休日になったのであった。

アラン視点も欲しい?

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[良い点] 甘い! その一言に尽きる! [気になる点] ちなみにカタカナの名前でファミリーネームが前に来るのって、珍しいね?
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