国賊無双!!竹永先生
日本では猛ピッチで進む二名島移転工事
もうすぐ遷都も行うらしい・・
そして相変わらず忙しい黒岩。
毎日とは言わないが夕方からのプレス向けの会見が日課だ。
「おっ、始まった始まった」佐藤
缶ビール片手に自宅のテレビで二名島関係の会見を見る佐藤
『何か道路荒れてきたね・・』
『今、二名島の方に全部作業員取られてんだろ・・』
『公共工事もこの辺り減った気がするなぁ・・』
『何か工事してるのも最近見たことないな・・』
『○○地区なんてもう数日水道止まったままなんだって』
「こういった地方の言葉が出てきてるのをご存じですか総理!」記者
「ええ、そこはしっかりと地方と連携を取って・・」首相
そして・・
二名島都市機構の黒岩会長に質問です!
「ふ、二名島を進める、ざ・・財源は大丈夫なんですか!?」記者
「それについては私から詳しくお答えします」黒岩
うわぁ・・・テレビ見てるけど、記者が社長に質問してるけど・・
ヤラセやん・・セリフ作らされて喋ってるな記者さん達。
めっちゃ緊張してるじゃん・・
そりゃ・・本社の雇い主ですもんねぇ・・
「今は国債を発行しての財源ですが・・」黒岩
いずれ正常なキャッシュフローに戻るように、
官民そろって政策を進め・・
そして・・
「ええ。黒岩くんの言う通りいずれ正常な・・」総理
「総理っ!そんな曖昧な答えでまた国の借金を増やすのですか!」
「総理っ!総理っ!お答えください!」
「孫まで借金を背負わすおつもりですか!総理ぃ!」
うわぁ・・・総理にはやたら強く行くじゃん・・草ぁ
「パソックの派遣法関連補助も問題になっておりますが!?」
おお!!!!!?
えっ?いや、自分達もその甘い汁吸ってる社員だよね・・
どういった意図でこんな質問させたんだろ?
「はい。この今の国の財政難や国民の声も考慮し・・」黒岩
一旦、国からの補助を止めることも考えております。
「補助なしではパソックの存続が危ぶまれませんか!?」
「パソックがなければ日本の労働は回らないはずですが!」
「そこは各取引先に昨今の状況変化によるご了承を・・」黒岩
補助打ち切った分は企業に値上げ?え?ずるくない?
・・・あっ!そういえば薬品会社の偉い人とそんな話してた!
(ふふ・・)黒岩
開店セールはもうお終いだ。
嫌なら求人広告でも出せばいい。ウチより高い値段でな。
来るかなぁ?来ないと思うよぅ・・ふふふ・・
「企業からの反発も出るとは思いますが!?」
「黒岩会長お急ぎですがどちらへ!?」
会見を足早にする黒岩をまだテレビと記者が追いかけ・・
「竹永先生の所にご報告を。」黒岩
まだ日本の企業に大きな力を持つパソックの創業者・・
隠居する前は時の首相よりも力を持っていた人物
今も影の黒幕と呼ばれる大物フィクサー
そしてこれを見ていた企業の経営者達は・・
『く・・竹永先生か・・』
『この補助打ち切りは竹永先生の指示かぁ、じゃあ・・』
反発、反論することも出来ぬ・・
竹永先生には我等も長く甘い汁を吸わせて頂いた恩がある・・
「竹永先生からのご連絡ですか?」
「ええ。グルチャ・・いやお手紙を頂き・・」黒岩
そして黒岩は慌ただしく都内某所へ・・
重々しい空気が流れる純日本庭園作りの豪邸
『カコーン』
『カコーン』
「竹永先生、黒岩社長が来られました」使用人
「ふむ通せ」竹永
ふふ・・来よったな、こわっぱめが
この男がパソック創業者で、ゆうちょを売り飛ばした国賊
平成のフィクサー竹永
そして相対するのが・・
「どうも。令和のフィクサーです」黒岩
「自分で言うかね?」竹永
「くっ!!」使用人
「くっっ!!」使用人
もしガチで本物の笑ってはいけない○○があるとしたらここだろう。
家の使用人達はいつも黒岩が来るたびに、
唇から血が出るほど噛みしめ続ける事になる。
「ふっふっふっ・・隠居したワシに何を頼みたいんだ?」竹永
ここに来るには理由があるはずだ。
まだこのワシの絶大なる力を必要として・・
「いや・・」黒岩
都内の一等地にすっごい豪邸建てられてますが・・
「いずれ電気も止まりますのでお引越しください」黒岩
「どれだけ時間と金を掛けたと思っとるのかね?」竹永
もうぅ・・なになに?どこに引っ越せって言うのよ・・
せっかく趣味に趣向を凝らして作らせたのにぃ・・
庭のカコーンってやつ見た?竹が岩にカコーンてやつ。
大体ここ完成したの最近なのに・・
「くっくっく・・お前のその毒の行きつく先を教えろ」竹永
我が意思を継いだ男よ・・
「東京・・京葉地区は・・」黒岩
ただの工業地区に変わります。あるのは工場だけ。
ごく一部の街を除けばすべてのサービスは止まります。
後は必要がないのだから・・・
私の予想では東京の人口は50万人くらいになります。
当然利用価値のない不便な場所から人口が減り、
店も消え、公共サービスも止まります。
「渋谷の閑静な超高級住宅街だぞ!」竹永
「ええ。尚更脱落です」黒岩
めっちゃ土地高かったんですけど!
めっちゃブランドなんですけど!
めっちゃ無理言って立ち退かしたんですけど!
「宮崎の奥の方とかがいいっすよ田舎で。第三大愛も作るし」黒岩
「二名島を薦めろ」竹永
追いやるなっ都会に住まわせろ!
「着物も似合ってないっすよ」黒岩
「隠居した大御所が登場する時は着物だろうが」竹永
来るって言うからわざわざ着替えたんだぞ!
気づかんか!?特注品じゃ!
ノースフェイスじゃ!世界に一枚じゃ!
そして・・
「あのたまに言う『こわっぱ』ってなんですか?」黒岩
「ワシだってよく知らん」竹永
知らんよ意味なんて。
なんか聞いたことあるじゃん大御所が若造にそう呼んでるの。
「なぜお前達は唇を噛みしめておる!?」竹永
「いえっ!」使用人
「そんな事は!」使用人
笑いを堪えておるのか!?
てか、もう血ぃ出てるじゃんよぅ・・
「ウーバーでスタバ頼むっすけど何がいいです?」黒岩
「重々しい影のドンを演じさせろ馬鹿垂れが!」竹永
アフォガードフラペチーノじゃ!ワシはそれしか飲まん。
とろとろするなさっさと頼め!
力強い香りと優しい苦味の、
ちょっとした贅沢を味わう大人のフラペチーノじゃ!
「あれ?そこは日本茶じゃないんすか?」黒岩
「飲んどる!普段は自分で茶室で入れたのを!」竹永
ガブガブじゃ!
くそぅっ
夢だったのにぃ・・重々しい古いタイプの影の権力者ってのに。
その為に頑張ってきたのに、この男が台無しにするぅ・・
「貴様絶対に言うなよ」竹永
「実は竹永はすっげー軽いやつって?」黒岩
ワシがアフォガードフラペチーノを飲んどるのをじゃ。
茶室で会談したと伝えろよ。
竹永先生に作って頂いたお茶を頂きと・・
あと・・
「なんでワシが指示したような感じに言うんだ!」竹永
補助打ち切りで企業への値上げなんて全く知らぬ事なのに!
ワシを悪役にしよってからに!
「別にもう人気とかも気にしないでしょ?」黒岩
「ずるいんじゃ!おぬしは!」竹永
しかも連絡はグループチャットでとか言いそうになっておったの!
ワシはlineなんかせんっ!毛筆で書いた手紙しか出さんっ!
あとスタンプ多めになど使わんし、了解を『りょ』とか略さんっ
趣味は茶道と盆栽じゃ!
モンストなんてもうしとらんっ!ログイン履歴を確認するな!
「でも前に言ってたじゃないっすか」黒岩
なんでも言っちゃてぇ♪
俺の名前も使っちゃてぇ♪・・て。
「・・・LEX聞いて何が悪い」竹永
口ずさんだだけじゃ。あと着メロにしとるだけじゃ。
「出直してこい!このこわっぱめが!」竹永
ふふ・・決まった・・・
最高じゃ。これを現代で言える人間なんてそうそうおらん。
大願成就・・
「じゃあまたlineしますね」黒岩
「りょっ」竹永
使用人の唇噛みしめた血が畳に滲む夜がやっと終った。