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国賊  作者: 火村虎太郎
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非情のカリスマ


「粗茶ですが・・」佐藤

「ありがとう」

「あ、俺も粗茶頂戴」黒岩


てかさ・・昨日色々あったよね?

なんでそれシカトでずっとお客さんと楽しそうに話してるの?

んで粗茶くれって言い方する?


昨日重大な会見があってまず会ったのはこの御仁。

政府の役職の人かな?どっかで見たことあるんだよな・・


『国賊黒岩を叩きだせぇ!』

『叩きだせぇええ!!』


あ・・右翼来てる・・最近よく来てんだよなぁ・・

ウチの会社ばっかり来ないで他の会社も行けよぅ・・

○○薬品とか、くそクズだぞ・・


「・・・逆に、叩き出しましょうか?」

「あ、いえいえ大丈夫ですよ」黒岩


「ええええ・・・」佐藤


なになに?やっぱ権力者なんだこの御仁。

何か正義感もありそうだし、もしかして警察のお偉いさんかな?


「ん?なに敬礼してんだよ・・ヤクザの組長だよ日本最大の」黒岩

「くっろー-!」佐藤


ちょっ!ダメでしょうが!一流企業の社長というのに!

グレーどころか真っ黒じゃないですか!反社との付き合いなんて!


「彼女ですか?かわいいですね」

「ええ。多少言葉使いは悪いですが」黒岩


彼女ですか?かわいいですね?

ええ?


「こ・・この人だけだぞ黒岩くんっ悪い人じゃなさそうだし」佐藤

「はぁ・・」黒岩

「あはは許されましたな私」


そして二人は込み入った話をして


「では大刀おおたてさん、よろしくお願いします。」

「ええ。では」大刀


あ・・・やっぱ見たことあったわ。

ニュースとかでよく聞くぅその名前・・

西日本を地盤に置くヤクザのトップだ・・


「あ、正確には『もうすぐ』日本最大のな」黒岩

「どっちでも真っ黒なんでどうでもいいです」佐藤


そして帰り際に・・


「・・・人とか殺してるんでしょ?」佐藤

「あはは。ないですよっそんなの」大刀

「殺すだろ普通」黒岩


ヤクザなら普通?殺さないわ!

でもめちゃいい人そうだった。



「スッ・・」


「あれ?社長ももう出かけるんですか?」黒岩


社長がスマホをいじりながらスーツの上着を着て・・


「新幹線、岐阜行ってくる」黒岩

「へー、視察ですか?」佐藤


でも岐阜?新都からも遠いし・・なんなんだろ・・


「関ケ原・・っと」黒岩


社長がスマホで検索・・


「えっ!?関ケ原行くんですか!私も行きます!」佐藤


ちょっ!すぐ用意しますんで!

そしてバタバタと鞄に荷物を詰め込んで・・


「ねぇ!用意まだぁ!?」黒岩

「もうちょい!」佐藤


なんでちょい逆ギレてんだよ・・


「弁当は買うでしょ!」佐藤

「さっきお昼食べたのに・・」黒岩


なぜか新幹線はテンションが上がる。

そしてずっと行ってみたかった関ヶ原


「ここが分け目だ」黒岩

「どこ?線とか引いてないよ・・」佐藤


でも後でよく分かったんだ社長がここで説明してくれた意味が・・

天下分け目の関ケ原・・


「うどんもここで味が違うのよ」黒岩

「へー、関西と関東でぇ!?」佐藤


ここが現代でも分け目になると・・

そしてとんでもない嘘も教えてもらった。

後日、それを友達に自信満々にしゃべったら笑われた・・


「昔琵琶湖が吹っ飛んで落ちたのが我が本社のある淡路島よ」黒岩

「マジ!?確かに大きさも一緒だしひっくり返った形してる!」佐藤


ふふ・・これデートだ楽しい。

でもさ・・なんでさ・・ほかの会社もたまにあるんだけどさ・・


「なんで本社が2つあるの?」佐藤

「忙しいっヤフー知恵袋で調べろ。」黒岩


えー・・もう何かメモ取りながらそっぽ向いてるぅ・・


「えーなになにそこ?」佐藤


社長が何か見たことのない地名のメモを取ってる


「ま、これかな・・」黒岩


二名島ふたなじま


これが次の日に官房長官から発表された新都名・・


首都、二名島

そして旧都、東京


「帰るよ」黒岩

「あ、写メ写メ」佐藤


記念記念・・・

あとひどい捨てられ方したらこれで脅してやる・・

文春とかにも売りまくってやる。社員に手を付けるエロ社長って。


「どこだろうが。働いてる社員はウチの社員だろうが・・」黒岩

「うわ・・そうだった・・」佐藤


黒岩が書けと言えば書くし、書くなと言えば書かない・・


えっ?ちょっと待って・・

じゃあそれってどうにでもできるんじゃ?メディア関係すべて・・

いや、よく考えたらすべての業種も・・


「だから王手だって・・」黒岩


もうすぐ王に手が届く所まで来た・・


頭の悪い経営者たちは必至で利益を出すために試行錯誤し、

企業の買収などで力を付けてきたが・・


「90%がウチからの派遣なんですよね・・」佐藤


この日本の労働力の。

それこそ建設業から小さなサービス業まで・・


「・・・黒岩が止まれと言えば日本が止まる・・」佐藤

「そう言われてるね」黒岩


え・・ちょ・・恐いんですけど・・

じゃあ気に食わない会社とかあったら全員出社させないでとか・・


「だから王手だって」黒岩


労働を押さえたことで、すべてを押さえた・・

ソフトバンクだろうがトヨタだろうが黒岩なくして動かない・・


不思議なマジックだ。これを成した要因は・・


「だって社員より派遣パソックの方が給料いいですもん」佐藤

「ふふ・・さぁ帰るよ」黒岩



そしてあれからも慌ただしい日々が続く毎日

右翼もやたら頻繁にウチの会社に嫌がらせに来だした。


『国民の税金を垂れ流す首都移転を阻止しろー』

『阻止しろーーーーー!』


「いやぁ・・確かに・・」佐藤


だって一から都市を作ってるんだし。

こないだ大愛大橋(大分、愛媛)が出来たばかりなのに、

もう第二大愛大橋の工事も始まったし・・


「ん?」佐藤


いや、すっげー便利だな・・・四国を首都にして・・


「国民を西日本と九州だけにまとめたら!」佐藤

「・・・・・・・・・・」黒岩


だって今人口も減ってきてるし、ぎゅっと濃縮したら・・

四国から放射線・環状線に広がる瀬戸内海の都市・・

物流とかすげえ便利。第二大愛も出来るんでしょ?


なんか今の東京の東京湾にでっかい人工島作ったような・・


「・・・・・・・・」黒岩

「・・あれ?おかしかったです?」佐藤


でも財源どうするんだろ・・

やたら国が借金して公共工事しまくってるけど・・


「俺が返すんだよ」黒岩

「いくら?」佐藤


え?国の借金?個人で?そんなこと可能なの?


「1500兆な」黒岩

「あ、全然ピンとこない」佐藤


多分・・大変なんだろうね・・・


「言ってね・・本当・・」佐藤

「あ、うん・・困ったら?」黒岩


いくらか出すからって?草超えて森だわ

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