表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国賊  作者: 火村虎太郎
2/22

遷都

「社長っ12回目のワクチン接種ですが・・」


忙しくパソコンで何かをを検索する社長のテーブルに、

ウーバーで頼まれたスタバのラテとサンドをゆっくりと置く。

・・ついでに、接種の確認。


先にお打ちになられますか?当社の接種の日程が出ましたが・・


「カチャ・・カチャカチャ・・」


「・・・・・・・・・」黒岩

「・・・・あれ?」佐藤


佐藤、

ここ数か月この東京本社の社長室に秘書、兼雑用として働く女性

たまに発する佐藤の発言、考えが人と違うものがあり、

そして多少言葉使いが悪い・・とこも社長に気に入られている。


「・・あぁ・・佐藤くん、黒岩社長はワクチンはいいから」

「あ、・・はい・・こちら頼まれたコーヒーです」佐藤


それにおすすめしないよって・・


ここで何度かお見かけしたことのある御仁はそう言って、

コーヒーを飲みながら読書を進める。

余裕ぶっこいてんだよなぁこの御仁・・

仕事しろよ・・会社抜け出してないでさぁ・・窓際族かぁ?

てかさ・・お客さんだよね・・

各々が勝手に自分の世界に入ってますが、ここカフェかよ・・


まぁワクチンも肯定派も否定派も居るから強要は出来ないしな・・


「えっ!?もしかして社長って!?」佐藤


一度もワクチン接種してないんですか?ヤバくね?


「してないよ。」黒岩


マジ?じゃあ、ワクチンおすすめしないこの御仁も・・


「あ、私も一度も・・」御仁

「へー・・」佐藤


付き合いがある人同士ってのは、

情報共有してるから判断が一緒なのかな?

何か良からぬ噂の類を信じて・・


「・・・ひでぇもんだよな」黒岩

「何がでしょうか?」佐藤


大企業の社長ってもっと威厳があって恐そうかなって思ってたけど、

ウチの社長はフランクというか、

いつも友達のように社員に話しかけてくれる。

ウチのっていい方したけど本社の・・が正しいのかな?

ここには私も派遣の子会社から来ているし・・


「ウイルスですか?ワクチンの副作用ですか?」佐藤

「いや、そこのおっさん・・」黒岩


ん?このご年配の?

あんまりパッとしないような御仁だが・・


「うっううんっ!・・私、○○薬品代表取締役の・・」

「わっ!」佐藤


もうぅやだぁ・・スーパー偉い人ぉ・・


今全世界で猛威を奮っている『CVウイルス』

すでに発見から数年が経過したが未だ治まる気配はない。

そしてそのワクチン接種はすでに12回目に。

その日本のワクチンの販売を手掛けるのが、この御仁の会社・・


てかじゃあお前が率先して打てよ・・

何アベノマスク作った本人が別のマスクしてんだよ・・的な・・


「11回目の副作用どうだった?」黒岩

「えっと・・今までよりかは苦痛は早く治まりました」佐藤


えっと・・これでちょっとはヨイショできてるかな?

でも本当だんだん慣れてきたし・・


「ま、メッセンジャーワクチンなんて微妙だよな」黒岩


だいたい未だに風邪の治療薬さえ出来てないんだぞ?

そうそうすぐに完全なこのウイルスの治療薬や、

生ワクチンがあると思うか?


「・・・ありますよワクチン」御仁

「あ・・ごめんなさい・・もう出来てたみたい」黒岩

「えええええ・・」佐藤


何なのそれ?あるの?効くワクチンが?

じゃあどうして発表しないの?


「・・・・・・・・・・・・」御仁

「・・・・・・・・・・・・」黒岩


「うわぁ・・闇ぃ・・・・」佐藤


なっっっんにもしゃべらねぇ・・この二人・・

まぁ大体分かりましたよ。お金なんでしょ。

ひたすらワクチン打たして・・ウイルス自体ももしかして・・

でもウチの社長・・いや我が社にメリットってあるの?


「国民ってのはな・・」黒岩


押さえつけて押さえつけて、そして解放してやると・・


「めちゃ調子乗って金使うぞ」黒岩

「あ、確かに」佐藤


私も緊急事態宣言解除されたら速攻、旅行に飲食に・・

毎回それの繰り返し。でもウチの会社に利益って・・


「日本の労働者の90%は黒岩くんの派遣じゃないか」御仁

「あ・・」佐藤


そうだった・・

何をするのも・・何が出来るのもすべてウチの派遣社員・・

何が起こっても儲かるのはウチ・・

風が吹けば我が社が儲かり、風が止めば我が社が儲かる・・

そう言われてる我がPASOKパソックグループ


そしてこのウチの社長が実質日本の・・


「経済界のドン!」佐藤

「ダサい・・」黒岩


ええ・・

まぁ確かにそんなのが似合う歳でもないしなぁ・・


「社長ってお幾つでしたっけ?」佐藤

「43・・・・いや、4」黒岩


若っ・・見た目に口調も・・


「それでは私はそろそろ会社に帰りますので」御仁

「では本当に申し訳ないですが来月から」黒岩


ん?何か賃上げがどうとか・・

でもまぁパソックさん使って随分税金が安くなってるので、

世論を考えれば多少の賃上げは。それでも黒字なのでって・・


とか込み入った話してた二人。


「ふ~、じゃあ俺も帰るかな・・佐藤ぉ!」黒岩


飯いくか?時間あるなら?


「行きますっ行きます!」佐藤


行くだろー。

絶対高くておしゃれで美味しくて金持ちぃーって感じの食べるんでしょ?


運転手付きの車に乗り込むと社長はスマホをいじり


「何食べたい?適当でいいよな?」黒岩

「・・・選択権って発生してます?その言い方・・」佐藤


しかもウーバーなんだ・・・

よっぽど時間が無いというか、うまく時間を使ってるというか・・


「わー、そこそこぉ!」佐藤

「・・・言い方ぁ」黒岩


着いたのは社長の住まいのマンション。

高級ってほどでもないし、タワーってわけでもない。

ん?住まいに呼ぶってことは奥様も居られないし・・


「先にシャワー浴びとけよ」黒岩

「早っ!!!!」佐藤


まだ抱かれるとも言っておりませんが・・てかご飯も・・

だけど自然と吸い寄せられる・・


「ゴト・・」


「・・・あ・・・・ウーバー来たよ」佐藤

「・・・置き配にしてる・・」黒岩


いつの間にか二人の世界・・


冷めた中華をレンジで温め直しながら新しいスーツに着替える社長


「ご飯食べる時は、上着は脱いでください汚れますよ」佐藤

「あ、はい」黒岩


ふふ・・抱かれたよ・・でも・・


愛人ですか!?

私?抱かれましたが・・


「・・・どっちでもいい・・」黒岩


どっちでも?愛人か彼女?マジ?将来大富豪の奥様?


「まぁほんと。どっちでもさ。」黒岩

「スッ・・」


いや・・何、財布からお金出そうとしてんの?


「慣れた手つきだなぁおいっ!」佐藤

「違う!違うぅ!」黒岩


帰りのタクシー代出そうとしただけじゃないよぅ・・

彼女でいいって!


「いや・・まてよ、やっぱ手元に欲しいから・・」黒岩


仕事の秘書兼雑用として。

彼女じゃあさすがに職場に置いとけないだろ・・


「あ~・・」」佐藤


まぁそれもそうだなぁ・・

それにあの社長室めちゃやりがいあるし・・けど・・


「・・・何パパ活サイト見ながら言ってんっすか?」佐藤

「・・・・・・・・」黒岩


無双だな・・


まぁ英雄色を好むって言うし・・

でも・・今、ここには私しか居ない・・


「ふふ・・」佐藤

「・・・キモい」黒岩


そんなやりとりをしながら食事を進め、

食べ終えたらすぐに・・


「俺タクシーで出るから」黒岩


お前もタクシー使え。領収取って来いよ・・


「もう出かけるんですか?」佐藤


社長は本当にお忙しそうだ。

そして私は・・


「ここからの駅・・」佐藤


乗り換えなしで帰れますので電車で大丈夫です。


「・・キュ・・」


エレベーターで自然に繋いだ手

そしてマンションの出口までの道のりのこれが初めてのデート

そしてタクシーに乗る社長を見送り、辺りを見渡し・・


「へー・・・便利なんだぁ・・」佐藤


タクシーを呼ぶわけでもなく、辺りには常にタクシーが待機してて、

目の前にはタリーズや、ちょっとした飲食店や雑貨屋やドラッグストア

マンション裏には立ち食いうどんやコンビニ


理にかなってるというか、便利さ重視。

高級でもタワーでもない理由がこれなんだろう。


「うわっ!首相と会見してる!」佐藤


自宅に帰りテレビを付ければ社長が首相と一緒に会見

ふふ・・それさっき私がチョイスしたスーツーぅ。


「少子高齢や減少する税収にも対応するために・・」黒岩


官民揃ってこのたびの決断をさせていただき・・

任命された私黒岩、不肖の身ではありますが・・


「真面目ぇ・・かっこいい・・」佐藤


さっきとのギャップ差がすごい・・

さっきまでとても卑猥な事してたとは思えないな・・

でも、ねぇ・・そんな大事な日だったの今日?


そして

宣言・・


「この日本国の首都機能をすべてを四国に移転します」首相


遷都・・150年ぶりの首都移動

言い換えれば150年ぶりの超巨大プロジェクトが動き出す・・


利権まみれの、ただ税金をどこまでも垂れ流すための・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ