お怒りの竹永先生
「総理っ来年の予定納税額上がってきました」補佐官
「うむ。」田岸
国の税収ってのは、国民や企業が実際に確定申告を終えて、
その税が振り込まれるよりも先に粗方の金額は予想が出来る。
その額を元に、また先に予算の粗方を決める。
「黒岩会長が修正しております。」補佐官
「ふむありがとう。」田岸
これはすでに黒岩が確認して軽く修正した金額だ。
まぁ、お役所の人間がすると、多めに見積もるってのは、
昔からある悪しき風習だ。
「なっ!」田岸
「本当なのかと思ってしまいますよね・・」補佐官
そこにはとんでもない税収・・
「130%!?」田岸
「はい・・さらにこちらが・・」補佐官
国の税収が去年より約3割もアップ
そしてこちらも黒岩が出した必要予算が・・
「100!?」田岸
「ええ。残りの30%は国債を償還いたすそうです」補佐官
新都に莫大な予算を使ってるのだが、それを入れても税収内・・
国が純粋に黒字になるのなんていつ以来だろうか?
そしてすでに黒岩は・・
「この資料を持って日銀に・・」補佐官
「まだ借りるつもりなのか!?」田岸
黒岩はすでに日銀から180兆という額を借りているが・・
「日銀が消費税も担保にさらに追加で貸すとの事です」補佐官
「もう、何が誰のものやら・・」田岸
おかしな話だ。財務大臣ならまだ分かるが、
国の税収を担保に個人が国の銀行から借りるとは・・
だが確かにこの国の税収も黒岩が集めたようなものだ。
一番ややこしくしてるのが、
黒岩が国として借りた金を国と個人の二つに使ってる事だ。
電力会社の買収などは名目上は国だが、
実際の経営者は黒岩だ。かたや二名島への投資は国。
「なんたる国賊・・・」田岸
竹永、黒岩と・・
だが・・
「黒岩しかおらんのだ・・」田岸
「まぁ実際に数字が出てますし・・」補佐官
やはり餅は餅屋。
経営、商才に長ける人間が国の経営をするのが一番正しい。
「原稿も上がってきております」補佐官
「ふぅ・・これが一番重要か・・」田岸
遷都の宣言。そしてベーシックインカムの説明。
「こんなマジックまで使うとは・・」田岸
本当に黒岩は天才だ・・
そしてその黒岩は日銀に寄ってから・・
「カコーン」
「カコーン」
「カコーン」
「カコーン」
「竹永先生、黒岩社長が来られました」使用人
「通せ」竹永
来よったなっこわっぱめが!
「なんでも言っちゃいました」黒岩
「ワシの名前使っちゃうなバカタレが!」竹永
「くっ!」使用人
「っ!」使用人
また始まる・・地獄の夜が・・
「てか何ですかあれ?」黒岩
「ダブルにしたんじゃ」竹永
金と時間が腐るほど余っとるのじゃ!
ししおどしって言うらしいわ。
竹が岩にカコーンってやつ。
あんなの二個も並べて作ったの日本じゃワシだけじゃ!
しかも気づかんか!!?石と竹の彫刻のモノグラム!
ルイヴィトン製じゃ!世界に一つの特注品じゃ!
「二個あるんですでに世界に一つじゃないんじゃ?」黒岩
「カラーが違うじゃろうが!」竹永
微妙に!絶妙に!この微妙さが詫びさびじゃ!
「はぁ・・」黒岩
竹永、うざぁ・・
まぁ、んで話は飛びますが・・
「先生っすでに二名島に広大な土地をお持ちですが・・」黒岩
ちょっと住宅地用が足りなくて、国に幾らか・・
「整備した後に譲っていただけないでしょうか?」黒岩
格安で。できれば格安で。
「なぜワシが・・」竹永
庶民用の土地を整備して譲り渡さなければならぬ?
ワシが住むように広大な土地を購入したのじゃ!
山手線一週分の大きさじゃ!
全部庭にするのじゃ!カコーンを何万と作り!
「そうですか・・」黒岩
その土地を商業都市用に開発して・・
ノースフェイス二名島を、
先生の家から徒歩圏内に作る予定ですが・・
「てか先生の家の隣にでも」黒岩
「譲ろう」竹永
固めろ!
ワシの家の周りをメンズストリート系ファッションで!
シュプリームとステューシーは外すなよ!
それはそうと・・
「日銀からさらに50兆借りたらしいの」竹永
くくく・・
まだ何か企んでおるのか?
「いえ・・」黒岩
少し目障りな犬が吠えそうなので・・
「先に潰しておきます」黒岩
「ふっふっふ・・・」竹永
狂犬か?ワシには筒抜けじゃ。
なぜなら暇じゃからのう!
ネットのスレばっかり見とるんじゃ!
何か個人投資家最強らしいの!
「ワシがぶっ潰していい?」竹永
「竹永ショックの大暴落来るんで止めてください」黒岩
ええぇ・・パソックの株だけ全力で買えってひどいじゃん・・
ワシが全力で買ったらまた取締りになるじゃん。やだよぅ・・
せっかく引退したのに・・
「くく・・だが最近の株価の下落は・・」竹永
おぬしじゃったか・・
うまく分からんように中型、小型株から売っとるのぅ。
残りの大型株をピンポイントで狙えば・・
「ワシももうひと資産築けそうじゃのぅ」竹永
「もういいでしょ・・」黒岩
暇つぶしでお金稼がないでくれます?
どうせカコーンをルイヴィトンに発注とかしかしないのに・・
「幾ら持ってるんですか個人資産全部で?」黒岩
「30兆じゃ!」竹永
うわぁ・・・ソフトバンクとユニクロの会長超えてるぅ・・
てかぶっちぎりナンバー1・・
てか引退した時より増えてるぅ・・
でも、それだけ持ってどうすんだよ・・
子供も居ないし・・
「・・・二名島に寄付するように遺書書いてるぞ」竹永
てか、おぬしに・・
「・・・・ありがとうございます」黒岩
やはり竹永先生は慈悲深い・・
現役時代に無駄に老害共に使われるよりか・・
「新しい時代に使う為にかき集めたのじゃ・・」竹永
老輩議員、官僚、くだらぬ経営者共の、
無駄な癒着、制度、失敗する国の経営に使われないように。
「ワシが、かき集めなければ・・」竹永
くだらぬ事に消えていっただけの金だっただろう・・
あの郵政民営化の金も・・
またくだらぬ需要のない道路か?都市開発か?
利用見込みのない新幹線の駅か?
まったく採算の取れぬ維持費を税金で垂れ流す箱ものか?
そんなものに使われないように・・
「先生の才能には恐れ入ります・・」黒岩
自分が国賊というレッテルを張られてもいい・・
国の金を守る・・いつか真っ当な時代が来る時まで・・
「うっ・・ぐすっ・・」使用人
「ううっ・・竹永先生には本当感謝いたします・・」使用人
これほど国の事を思って行動をした方なのに世間はそれを知らず・・
そして・・
チラっ・・
「・・ワシは本当に国の為を思って、ゲホッ!ゲホッ!」竹永
「・・っ!。先生!血が!大丈夫ですか!」使用人
「・・っ!。お薬を!先生!」使用人
もうワシも長くない・・あとは・・頼むの・・黒岩・・
「・・黒岩、本当に・・二名島おめでとう」竹永
「・・・・ん?」黒岩
いや・・さすがにこんな事思ってても言う人じゃ・・
これ多分きっと・・
「ほらぁ!カメラ回してるじゃないですか!」黒岩
「くそっバレたか!このこわっぱめが!」竹永
くそっ!てってれーって言いたかったのに!
ドッキリって看板も作ったのじゃ!
よく見ろ!分からんか!?
ディオールじゃ!!もちろん世界に一つだけじゃ!
上品で都会的で中性的なこのデザインの良さが分からんか!
「出直してこいっ!このこわっぱめがぁ!」竹永
ふふ・・今日も決まった。大御所炸裂じゃ!
「あ、遺書は本当じゃぞ。アフォガードよろしく」竹永
「あざーすっ。後で送っときまーす」黒岩
後日竹永宅に超突貫工事で、
スターバックス竹永宅店が黒岩から贈られました。




