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国賊  作者: 火村虎太郎
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黒いカリスマ

当作品の作中における人物、説明等すべてフィクションです。

似たような名前、社名も実在の物とは関係がございません。


「王手・・・」


ある男は、この激動の時代の始まりにこう言った。

そして別のある男は。同じ時にこう言った


「チェックメイト・・・」


凝縮した日本に住む男と、切り捨てた日本に住む男の二人の天才

どちらが勝てばいいのだろうか・・

日本はどちらに傾けばいいのだろうか・・


この国が割れた原因は子供でも理解をしている。

『永久機関』の完成による『ベーシックインカム』の導入。


物語は『永久機関』の完成から始まる・・


「これがその永久機関なのか!?以外に・・」


コンパクトというか・・

もっと大きなプラント施設の工場のような物を想像していたが・・


外部からエネルギーを受け取ることなく仕事を行い続ける装置・・

この装置は・・


「簡単に説明するならば電気を無限に供給できます」


これ一つでおおよそ中核都市一つの発電を賄えます。

そしてこれは増幅していくことが可能で・・


「世界中の電力を製造することも可能です。」


そう科学者から説明を受ける日本の総理大臣や大企業の大物達。

難しい仕組みなどは、この科学者も分からないようで・・


「実はこの機関・・」


数年前に完成されておりましたが、

開発者の判断で発表されていなかった・・

そしてその開発者の死後、この今日に・・


「皆様方に相談を・・」


これをどうするか・・


「この永久機関は・・」


神にもなるし悪魔にもなりうる・・

それが分かっていた為に発明者もこれを発表しなかった。


これが良識ある者だけに判断を任せれば、

また答えは変わっていたかもしれない・・


「ふふ・・ロシア、中国への営業は我が社に!」

「輸送、製造、建築は当社が!」


群がる強欲な大企業達。

無限に湧き続けるエネルギー・・世界の主導が奪える装置。


「黒岩くんはどう思うかね?」首相


黒岩・・

今、この日本で一番勢いのある若手経営者。

ここ最近は国への事業、助言も携わるなど首相からの信頼も厚い。


(黒岩か・・・経済界の魔術師・・・・)

(あの大物フィクサー竹永を継いだ男か・・)


この今の日本の労働力のそのほとんどがこの黒岩の派遣会社の者だ。

この黒岩なくして日本は動かない。

黒岩が止まれと言えば日本が止まる


この日本の次代のフィクサー・・


「150・・155・・160・・」黒岩


何か頭の中で数字を足していっている・・

大企業の代表達は・・


(億か・・・それほどの価値かこの永久機関は・・)

(黒岩か・・この今、日本最強の経営者がこれをどう使うか・・)

(利権はまた黒岩にすべて持っていかれるのか・・)


「・・まぁ利権は、皆様方の適材適所で」黒岩


営業販売・・輸送開発建築・・

だが、使うのは俺だ・・俺がこいつを生かす・・


そして・・


「180っ!これでいけるでしょう」黒岩


黒岩が出した数字が180。

これを何に使う?国が出すのか?黒岩が国から借りるのか?


「世界中の電力会社をすべて買います!」黒岩

「なっ!?」


それじゃあ180ってのは・・


「国庫から180兆、お借りいたします」黒岩

「バカな!」

「180兆だと!」


まずは、世界のすべての電力会社を・・


このばかげた提案に乗れるわけがない。大体そんな財源などない・・

だが経営、商売の天才が儲かると判断している・・


「現在・・」黒岩


GPIF、いわゆる年金の運用額が177兆

そのほとんどが株だ。

だがそのまま177兆を現金に換金など無理だ・・相場が大崩れしてしまう。

せいぜい売り抜けられる確定額は70~80兆


「年金に手を付けるなんて!」

「個人の判断で動かせる物じゃないだろそこは!」


「何言ってんだ?もうゆうちょも売っただろうが・・」黒岩


絶対に手を付けてはいけなかった国民の財産・・


だが年金のすべてをぶち込むなんて・・


「それと福祉予算と休眠口座の総額が大体・・」黒岩

「バカな!それも使うのか!?」


国が亡ぶぞ!信用も無くなる!

絶対に手を付けてはならん金だろ!


「大丈夫・・」黒岩


変わる・・いや激変だ・・

それほどの価値がある。この永久機関には。

年金も福祉も要らない。なぜなら・・


「国民一人当たり毎月20万円の支給が無難かな・・」黒岩


いわゆる一般階級は・・


「なっ!ベーシックインカムの導入か!」


どこまで見てるんだこの黒岩は・・

永久機関で得る無限の財源で国民一人当たり毎月20万円の給付を・・


「だが各国の電力会社を買うなど・・」首相


そんな国の大事なライフラインを大金積まれたとしても譲り渡すとは・・


「大丈夫です・・」黒岩


まずはこちらから・・

外国資本がよだれ垂らして欲しがっている・・


「水道事業を外国に売り払いましょう」黒岩

「なっ!?」首相


付いて行けぬ・・話が速すぎて・・

本当に国が亡ぶぞ・・


「ふふ・・」黒岩


見えないだろうな・・

ましてや、こいつの利益がどれほどになるのかも、

ま、こいつらには理解するのは無理だろう・・


さぁ・・せいぜい小銭で靡けや・・


「では簡単に・・」黒岩


これがなれば・・いや、俺の考え通りに動いてくれるなら・・


あと2期総理大臣の椅子を確保してやる。絶対安定多数で。

しかも今より重厚で高級な椅子に。


そしてここに居る日本を代表する企業の連中には・・


「今あるウチの派遣事業以外のすべての事業を無償で譲渡する」黒岩


数あるウチの子会社。とはいってもどれも一部上場の優秀企業だらけ。

製造、建築、物流、サービス・・


それが担保だ・・

その代わり俺がこれを・・俺の考えで・・


さぁ今までにないほどの、よだれ垂らしとけよ



電力と労働・・・

これだけで俺は・・


王になる・・・


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